毎度お読み頂き、有難う御座います。
ようやく異世界の異国での人形劇特撮、「サンダバーズ」っぽいものが誕生しました。
現実世界ではロバータ・レイのITV配給による絵本人形劇二作から、ITV系マンチェスター配信のグラナダTV配給に変わった「フォーフェザーフォールズ」…
この辺のUK民放は日本国内のサンダーバード関連書籍では触れられておらず、「なんだか地方ごとに放送枠が割り振られていて日本みたいに地域で放送局が確定してたわけじゃないんだなあ」程度に思って頂ければ…いいのかな?
そもそも「トゥイズル」「トーチー」のアソシエーテッド・レディフュージョン、「フォーフェザーフォールズ」のグラナダ、そして「スーパカー」以降のATVとの関連性を日本国内のサンダーバード関連書籍ではあまり見かけないので。
2010年以降で詳述されていたら私の勉強不足なので申し訳ありません。
UK民放を独力で立ち上げようとしてITCを立ち上げたルー・グレイドは結局果たせず、他社と共同でATVを立ち上げたのですが、US向け作品でなければ潤沢な製作費でマトモな作品は作れない、という信念でUK色を弱めたUS向けテレビ番組を続々製作し、ジェリー・アンダーソンとの人形劇SFでは「ファイアボールXL5」でNBC全米ネットワークでの放送を獲得しました。
ただその後はUKでも初期のカラー放送作品となった「スティングレイ」にしろ、日本では金科玉条の様に貴ばれている「サンダバーズ」にしろ、USではイマイチ知名度の低い、知る人ぞ知る、カルト作品となってしまったのです。
ダカラターボチャージドトカジッシャバントカトンデモナモノガ…
それはさておきサンダーバード、「サンダバーズ」。
1963年10月に起きたドイツのレンゲデ鉱山で起きた落盤事故。
このラジオニュースを聞いて、「スティングレイ」の後番組の企画を考えていたジェリー・アンダーソンが「国際救助隊」の企画を思いついたと言われています。
でも「スティングレイ」って1964年なので時系列的にどうなの?とは思いますが。
兎に角ジェリーは5つのロケット(全部がロケットじゃないけど、「サンダバード6」では「我々は5つのロケットを持っている」と冒頭で言ってます)を考え、当初「インタナショナルレスキュー(国際救助隊)」として企画しました。
その後、戦時中、幼いころ憧れていた、亡き兄ライオネルからの手紙に書かれていた、「任務でファルコンフィールドに駐留していた時、近くのサンダバードフィールで行われたアクロバットを見たよ」という一文が印象に残っていて、タイトルを「サンダバーズ」に決めたそうです。
日本では「雷鳥」と勘違いされますが、雷鳥はターミガン。
サンダバードはアメリカ原住民のトーテムポールに刻まれた伝説の鳥で、別物です。
UKでは当初30分番組の予定で製作されましたが、パイロットフィルム、後の第一話を見た配給会社で出資元ITCのルー・グレイドが
「これは最早テレビ番組ではない、映画だ!」
みたいな事を言って急遽1時間枠にしたはいいものの、UKの地方局では30分枠しか確保できず前後編に編集したり色々大変だったみたいです。
そして肝心のUS向けセールスで、三大ネットが手を上げたものの、ルーが売値を釣り上げて、結局全員降りてしまったというオチ。
仕方なくUSでも地方UHF局で放送、しかもこっちでも30分枠、という苦い結果に終わりました。
劇場版超大作も製作され、プレミアム上映は絶賛の嵐だったものの、いざ全国興行となると、
「何で人形劇なんかを劇場で見なきゃいけないの?」
という身も蓋もない理由で、失敗してしまったのです。
第二シーズンも、USでのセールス失敗を受けて打ち切り。
新番組「キャプテンスカーレットとミステロンズ」に賭ける事にしたのでした。
色々栄光の作品みたいに言われていますが、実のところ頂点から下り坂に陥るターニングポイントみたいな作品だった、そうとも捉えられます。
かつて日本の書籍にそんな事書いたら
「折角ブームを再燃させようとしてるのに悪いイメージを持たせたらダメでしょ?」
と削除される有様でしたが、今はどうでしょうね。
それでも5つのロケットと幾多の救助装備が、未来の飛行機や超兵器を救う夢の様なメカニックオンパレードは、本国UKでも、ヨーロッパ各国でも、日本でも、カナダやオーストラリアでも、子供の心を捉えて離さなかったのです。
残念なのは、この後の世紀21プロ(「21st世紀プロ」、ではありません。その名は既に他社によって登録されていたので、言葉としてはオカシイ「世紀21プロ」で登録せざるを得なかったのです)がメカニックのオンパレードではなく、UK得意のスパイ暗闘合戦に舵を切ってしまったため、世界観の広がりが萎んでしまった点じゃないかな~と、個人的には思います。
スパイ路線を主導したのが後に離婚したシルビア夫人だという説もあります。
UKのITCというと、ABC網の「ジ・アベンジャーズ(おしゃれマル秘探偵)」とかCBS網の「デンジャーマン」もとい「ザ・シークレットマン(秘密諜報員ジョン・ドレイク)」、全米ネットではなくシンジケートの「ザ・セイント」等の探偵もの、スパイものが定番でした。
私はITCには詳しくないので、それ以上色々解らないのです。
「レイズ・ザ・タイタニック」の顛末とか全然知りません。
栄光と凋落、光と影。
今まで栄光のシリーズと思われていたサンダーバードも、晩年その権利も息子との面会権も失ったジェリー氏の視点から見れば、果たしてそれはどうなのか。
しかしその後メアリ夫人の献身を受けて復帰し、幾つかの作品を世に送り出した功績を、「日本のサンダーバードファン」はどこまで知っているのか。
今となっては唯、偉大な作品を残してくれた巨人に感謝を捧げるばかりです。