その4 千尋さんに想うこと
千尋さんのモデルになった方とは,高校を卒業以来会ったことはありません。
いま,どこで何をしているのかも知りません。
彼女は彼女で幸せな人生を過ごしているのだろうと信じています。
一度だけ,私が故郷を離れて社会人になったあと,電話がかかっててきました。
何を話したのかはよく覚えていませんが,私が当時の職場の愚痴を言って,それを笑いながら聞いてくれました。
その時に,高校時代の彼女の言葉や態度の意味が分かったような気がしました。
気がしただけで本当かどうかは確かめることはできませんでした。
近況も話し合ったし,連絡先も交換しましたが,記憶も記録もどこかへなくしてしまいました。
その時に,この物語の構想が思いつきました。
この物語はフィクションです。
卒業式であんな答辞を行ったら,どんな寛容な先生方でも,即つまみ出すでしょうね。
後夜祭のファイヤーも,私の母校で昭和の時代にそういうのをやっていたと聞いたからです。
今なら消防法や環境問題,安全の問題などで絶対できないでしょう。
そんなフィクションの世界の中でですが,千尋さんと結ばれる世界を完結できたことを,たまらなく嬉しく思っています。
気が向いたらキャラクター設定の秘話なども書きたいですが,今はここまでにしておきます。