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『宇宙拳人コズマ』完結に寄せて

五月より連載しておりました『幻の特撮「宇宙拳人コズマ」とはなんだったのか』が先日完結いたしました!
当初は十万字前後を予定していたのですが、終わってみればプロローグとエピローグを含めて約十五万字という想定外のボリュームとなりました。
なにしろ私は緻密にストーリーラインを組み立てるプロッターとは正反対の人種(=パンツァー。その場の勢いで書くタイプ。戦車ではない)なので、仕方がないヤツだなぁ~とご笑覧いただければさいわいでございます。

『コズマ』、ご存知のとおり万人向けの作品ではございません。
それでも温かい応援をいただき、またおすすめレビューも頂戴するなど、読者の皆様のおかげでどうにか完結にこぎつけることができました。
私自身、自分のなかで煮詰まっていたものをようやく解放できたというか、どうにか形にして外に出してやれたなあ……という感慨があります。外部出力によって心と思考をスッキリさせるというのも創作の効能ですね!
そんなこんなで私のなかの厄介な特撮ファンは成仏してしまったので、また変身ヒーローや怪獣モノといった特撮モチーフの作品を描くことがあったとしても、今作とはまったくちがう切り口になると思います。

余談ながら、『コズマ』にはとうとう最後まで名前のある女性キャラがひとりも出てきませんでした。
「黄瀬川の内縁の妻」もとうとう名前は明かされないままでしたので……。(設定上は「優子」という名前です)
企画段階では橘川の妹や、風祭のかつての恋人などを登場させる構想はあったのですが、けっきょく本編はほぼ男だけのむさくるしい世界とあいなりました。ひたすら男・男・男のオンパレードで読者の皆様には申し訳ないかぎりでございます。
現実をふりかえれば、七◯年代特撮にはけっこう女怪人も出てくるので、叢雨流の門弟のひとりくらいは女性格闘家にしてもよかったかなぁ……。

格闘小説の偉大な先駆者である夢枕獏先生、変身ヒーローの礎を築かれた故・石ノ森章太郎先生。
そして故・梶原一騎先生に限りない感謝と敬意を表しつつ、結びに代えさせていただきます。

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