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地雷「小説」を書くということ

地雷小説、というものを書きました

https://kakuyomu.jp/works/16816452220992361038

自主企画「裏性癖小説選手権」に向けて書いたのですが、書き上げるまでに今までとは違う苦しさがあったので備忘録として近況ノートに残しておきます。

「地雷小説」というのは、自分が地雷だと思うものを書いた小説です(トートロジー?)。
地雷という、「普段は自分が苦しまないように避けているもの」をあえて自身で生み出すという作業が、まあ辛いし難しかったです。
私はある種のキャラ造形や世界観がとにかく嫌なのですが、自分で小説として書いてみると、その嫌いなキャラを「自分が好きになれるように」無意識のうちに動かしてしまって困りました。
嫌いなキャラを嫌いな性格のまま措いておけず、反省させてしまう。改心させてしまうのです。
私の中の「地雷小説」の解釈として、それではダメなんです。私が好ましい展開、それはただの「自分の小説」です。でも、自作品は好きになりたいし、好きでいたい。私の書くキャラは本来ならこんなことしないし言わないのに!ここの葛藤が本当に苦しかった。

そのせいか、嫌いなキャラであるが故に、出番を少なくしてしまうこともありました。本当に気づかないうちに、そのキャラにほとんど発言させずに話を進めてしまっていて、途中で何度も書き直しました。

ただ箇条書きに「○○なキャラが地雷」「○○な展開が地雷」として書くのであればこんなに苦しまなかったのですが、企画の趣旨として「小説」にしなければいけない。
自分が嫌悪するものを見つけ、見つめ続けて、物語の世界を構築し、自分の嫌悪感を保ったまま、世界を壊さずに閉じる。
ここに、地雷「小説」の難しさがあるなあと痛感しました。

でも、苦しんだおかげで、いつもとは違う観点から作品作りについて考えることができて、とても良い経験になったと思っています。
この企画に参加して良かったです。

今回の作品で不本意ながら地獄に叩き落としてしまったキャラ達は、いつか「空で」救われます。
作品の神である作者として、それだけはここに明言しておきます。


空で
https://kakuyomu.jp/works/1177354055355923744

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