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『宇宙に溺れよう』ざっくりとした設定と紹介。

 こんにちは。一野蕾です。

 新作の短編を久々に投稿いたしましました。軽い気持ちで書き始めた短編に、これまた頭を悩まされました。
 今作の『宇宙に溺れよう』は、以前投稿し、なんと一時ランキングに名前が載った『冬が起きますように』(以下前作)と同じ世界観の作品です。作中に登場する〝彼女〟は、前作にて主人公・語り手だった人間と同一人物です。便宜上〝彼女〟としていますが、性別はありません。

 彼女の旅はあてがなく、失望と落胆を繰り返す苦しい旅です。前作ではひたすら前を向いて、緩やかに次の星を目指していた彼女ですが、その繰り返しに耐えられず決壊してしまいそうになる日もあっただろう、と思い、生まれたのが今作。そして〝潜水服の旅人〟でした。

 旅人のモチーフは某フィンランド発祥アニメの某旅人です。緑色の。帽子の。冬に旅をして春の頃に谷へ戻る……彼です。しかし、あくまで参考にした程度で、似通ったところはありません。
〝潜水服の旅人〟には主に帰する場所はありません。強いて言うなればそこは宇宙ですが、彼は真の意味で宇宙を〝帰る場所〟だと思っています。彼は傷心の度、宇宙に入水するからです。自由気ままに宇宙を行く彼ですが、彼の本質は他人を信じ好く性質にあり、そこに生じた歪みや些細な裏切りに駆り立てられ、感情のまま宇宙に飛び込んでしまうところがあります。悪癖です。しかし彼の落ち着き払った性格と達観したものの見方が、彼女を助けました。
 今回、旅路が重なることはなかった二人ですが、彼らは同じ宇宙にいます。またどこかの銀河で、二人の姿をお見せする機会があるかも知れません。その日を待つことはせずとも、楽しみにしていれくれればと思います。御要望がありましたら是非書かせていただきます。私はいつでも、あの二人の旅を覗き込むことができるので。

 つらつらと長ったらしくなりましが、以上、主に〝潜水服の旅人〟の紹介文でした。彼の新しい旅に幸があることを願って、おしまい。



2024/12/11

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