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半妖笹野屋永徳 あとがき

本編の最後にくっつけるか迷ったんですが、分けて欲しいという声も聞くので、近況ノートで手短に書こうかなと。

今回の「半妖笹野屋永徳の嫁候補–あやかし瓦版編集部へようこそ」
は、結構自分の中で練りながら書いた作品です。

大人の女性向けファンタジーが書きたいなあと思っていたところ。
自分が社会人生活を送る中で、「日本人、仕事にストイックすぎない?」って立ち止まったことがあり。

睡眠時間を極限まで削って働く人。
マルチタスクを超人的にこなす人。
きっちり仕事をして、育児もこなして、自分の自由時間が全くない人。

身も心もすり減らして、生きている人があまりに多いなあと。
でもそれは本人たちのせいじゃなくて、基本的には組織や社会のせいだったりして。どうにもできない状況があったりして。

だけど真面目な人ほど、自分を責めている。

「世間の常識」にがんじがらめになって、「正しいレール」を刷り込まれて、相対的な劣等感に苛まれている。

そんな閉塞感の中で苦しんでいる人たちに、ほっと一息つけるような、優しい小説を書きたいな、と思って書いたのがこの作品になります。


現実とあやかしの世界が地続きになっているようなリアリティを出せるように頑張りつつ、季節の移ろいに、主人公の成長を重ねられるような設計にしたいと思って骨組みは組んでいます。

あやかしもの、数が多いので、あんまり取り扱われなそうなネタや妖怪をネットや図書館で漁りながら各章は組み上げて行きました。


主人公の佐和子の成長を見守りつつ、自分を責め続けている人が「もう少しゆるく生きたっていいのかもしれない」と、心がほぐれるような作品になっているといいな、と思っています。



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