次の小説のタイトルは
『マブイ拾い』です。
沖縄の方言で魂のことを「マブイ」とか、「マブヤー」とか言います。
悲しいことや、つらい体験をして、
心が落ち込んだり、驚いたりしたりしたとき、
マブイを落としたり、
マジムン(魔物)に取られたりします。
ですから、子どもが元気なかったりすると、
沖縄のお母さんは、
「あんた、どこでマブイを落としてきたの?
マブイ、拾ってきなさい」と言います。
マブイをもとに戻す儀式を「マブイグミ」といい、
ユタ(沖縄の霊能力者)が執り行います。
いまでも、マブイグミをする風習が、
沖縄には残っているのです。