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[資料]【妖かし桜が散るまでに】作品概要

【妖かし桜が散るまでに】作品傾向

 こちらでは作品概要よりも詳しめに、作品について記載しております。
 あらかじめ本作がどんな傾向の作品か知りたい方は、本編ではなくこちらでご確認の上でお楽しみいただけたら幸いです。ただし極端なネタバレはしません。


◯文字数
 2500~4000文字/話(なるべく3900文字以内で健闘)
 ※最終4話は4000字超えました……収まりませんでした。


◯舞台:平安時代
 完全リアルではありません。実在の用語を違う意味で使っています。詳細は各章にて『設定・用語解説』のエピソードがありますので、そちらでどうぞ。

 安倍晴明などの実在の人物は一切出ません。全てオリジナル設定です。
 言葉遣いこそはそれっぽく時代感を出していますが、文章自体には難しい言葉は使っておりません。


◯傾向:恋愛&アクションファンタジー
 メインは主人公とヒロインの恋愛話ですが、第二幕の前半ぐらいまではアクションが強めです。何故かというとヒロインがまず、第一幕の最後の最後まで一切口を聞かないからです。第三幕からは恋愛色がかなり濃くなり、三角関係のようなものも発生します。
 アクションは全体を通して陰陽術を駆使したファンタジー色強めです。魔法のようなバキバキの呪術を使う陰陽師モノが読みたくて書いたのもあります。映像化するならFXをモリモリに使ってほしい。戦う相手はメインが妖怪ですが、第二幕では〝呪(しゅ)〟にかかった人とも戦います。

 念のために申し上げますが、本作は映画「陰陽師0」が公開する前に執筆を終えていますので、その影響は一切受けておりません。


◯陰陽術
 全てオリジナルです。陰陽五行思想の要素を取り入れて考案しております。
 四神は某少年漫画の教えにとても納得したので、本作にその概念はありません。


◯各章の詳細
<第一幕>主人公とヒロインの出会い。最大の敵との対峙。
 〝序章〟や〝プロローグ〟が不要といわれる昨今ですが、本作の〝第零話〟は主題の重要な鍵として欠かせない話なので、敢えて抜くことなく入れてあります。
 第二話で離脱率が高いのは、多分陰陽二大家の説明が難しいからではないかと思いますが、説明長いのはこの第二話と第四話くらいです。ここで「難っ!」ってなったら恐らく本作をお楽しみいただくことは厳しいかと。(できれば諦めず続きを読んでほしいですが……)
 後半は戦いながらヒロインの様子を伺いつつ、主人公が強敵と戦うために強くなる決意をして第二幕へ続きます。

<第二幕>鍛錬。そして呪との戦いを経て、ヒロインが自分の存在意義に疑念を抱く。
 前半、ちょっとダルいです。私の執筆者としての経験不足が故です。
 主人公が鍛錬に励む話から始まりますが、動きがなさすぎて正直面白くないです(えー…)。ヒロインがようやく口を聞くので、その会話をお楽しみいただければ。
 中間からちょっとずつ盛り返します。主人公がようやく任務再開します。ヒロインが自分の立場について考えさせられる事件が起こり、女同士の主人公の取り合い(?)も加速。
 終盤は主人公の心境にも少しずつ変化が見え始めます。妖怪との戦いも白熱化してまいります。黒幕も判明し第三幕へと突入します。

<第三幕>上・陰陽唯一の資格争奪 下・強敵との最終決戦
 ちょっとずつ読み応えが出てくると思います(ん?)第三幕から完結までの大筋を決めてから書いた、というのもあります(最初からやれ)
 上の巻では、主人公と彼の好敵手がヒロインを巡って三角関係になるにつれ、恋愛色が濃くなります。果たして彼らが取り合うのは唯一の資格か、ヒロインか。
 そんな彼らも下の巻からは手を組み、二人のやりとりが面白くなるのもここから。そして強敵との最終決戦とヒロインとの関係の結末に発展していきます。第二幕の苦戦が嘘のように、驚くほどの勢いで書き上げました。クライマックスは涙なしでは見られない(読めない)……かも!?
 ダークエンドではありませんが、完全ハッピーでもない、ということだけ申し上げます。

 終わりよければ全て良し、とは言いませんが、第一幕からの矛盾点が多いのは完全に私の力不足です。もっと精進します。


◯その他
・記号について
 本作ではセリフ記号を下記で書き分けました。統一したつもりですが、前半は適当に書いているかもしれませんゴメンナサイ。
 「」もしくは『』:その場で話している言葉
 〝〟:過去に作品中で話した言葉の回想
 <>:作品中には出ていない、登場人物の脳内での回想もしくは再生

・番外と掌編
 番外:本編に入れるにはちょっと長すぎる話。
 掌編:本編には入れるまでもないけど、書いておきたかった話。

 基本的にはどちらも読まなくても話的には影響はないですが、読んでくださった方だけが知れる情報を盛ってあります。読んでもらうからには得がなければ意味がありませんので。


◯最後に
 これは私の完全個人的意見なので、スルーしていただいて構いません。

 『歴史』とはロマンである、というのが私の考えです。大河ドラマでも「史実と違う」というご意見を目にしますが、史実が全て正しいというのは何を根拠におっしゃっているのでしょうか。勿論、様々な文献・史料・伝記があり、それらが偽りであるとは断じて申しませんが、いずれも〝100%事実である〟と証明することはできません。
 近代歴史であればまだ生きている方や写真、映像などもありますが、古代歴史は誰も実際に見たり聞いたりしたことはありません。過去にタイムスリップできれば話は別です。

 今の時代ですら公的文書でも改ざんがなされるのに、過去の文書にそれがないと言い切れるでしょうか。未来には良い話だけを残したい人だっていたでしょう。
 「AがBに言った」と「AにBが言った」の二文字の違いですら意味が変わるのです。これを間違えずに文字や絵のみで1000年以上の時を経て、全て正しく伝わるというのも……疑問が残ります。

 何が言いたいのかというと『だから古代歴史は様々な考え方があって面白い』ということ。己がどんな考えであろうと結構ですが、それを他人に「これじゃないとおかしい!」という主張には私はついていけません。
 いいじゃないか、Aという考えがあっても、Bという考えがあっても。様々な考えから過去を想像し、読み解いていくのが面白いんじゃないか! だから創作も色々と楽しいものが生まれるんじゃないか。
 そうしたものを読んだ人がまた歴史に興味を持ち、好きが高じて研究を重ねて新たな事実を発見していく。散々「イイクニ作ろう鎌倉幕府!」と教わった年号が覆ったのです。歴史は発見と進展の連続ではないでしょうか。

 「史実はこうだ」という意見を否定するつもりは一切ございませんが、私はそういったご意見と相まみえるのは難しいと思っております。のでご自身の中に確固たる平安像がある方はお読みにならないほうが無難です。
 そもそも小説とは大前提が〝フィクション〟。あまりに史実だけを求めて、筆者が書きたいこと・伝えたいことの本筋を見失わないでいただきたい。


 ……とはいえ、史料や伝記を読んで勉強するのはとても大事だとは思います。100%の事実ではなくとも、それは決して100%の虚像でもないわけです。
 知識はないよりあった方が絶対良い、とこの作品を書いてしみじみ思いました。デタラメを書いても良い、ということでもありませんので。

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