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公募の「二重応募不可問題」について(勝手に)考える。

個人の意見です。

公募コンテストを巡回していると、「二重応募不可」という条件が散見される。むしろ主流派だ。

どうやらその理由は「A社で落ちた作品がB社で合格になると、どちらも鑑識眼を疑われることがある」ということらしい。

落とした方も、合格にした方も「よそと比較して観る眼がない」と言われる可能性があるという話だ。

これっておかしくないか。

就職試験に置き換えてみれば良い。A社で落ちた人間が、B社の試験に合格したところでなにも不思議はない。

なぜならA社とB社は違うのだから。

他社の評価に何の意味がある? 自社の評価に自信を持って堂々と判定すればよいだけの話なのだ。

よって、この理由付けは嘘っぱちだ。

本当の理由は人材を囲い込むためである。小説を書くには途方もない労力と時間がかかる。その労力を自社のためだけに使わせたいから、二重応募を禁止するのだ。

複数応募をされると、複数合格が出て権利関係がややこしくなることも考えられる。そういう「面倒事」を避けたいという理由もあるだろう。

それは出版社のエゴだ。

エゴが悪いとは言わない。誰にでも都合はある。
だが、作者にも都合はある。エゴももちろんある。

作者は折角書いた貴重な作品にできるだけ多くの機会を与えてやりたい。よって、複数応募を認めてもらいたい。

それが作者のエゴだ。

出版社と作者が「対等な関係」であるとすれば、むしろ複数応募が自然な形態であると思う。なぜなら、出版社は複数の作者を相手にしているのだから。

出版業界が閉鎖的な村社会を卒業して、開かれた競争社会になっていくことを切に希望する。結局その方が社会も企業も発展するのだから。

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