ほしちか(上田　聡子）

十五歳のとき、母を亡くしてから、私の心は真冬になるといっそう凍りつき、一向にとけてくれそうにもない。いずれ私も母のような運命になるのか――孤独だった私に、ふいに訪れた、あたたかな…

海岸清掃ボランティアにいそしむ「俺」は、十二月の冬の海の清掃中に、女の子が倒れているのを見つける。その女の子の言動は、かつて「俺」のそばにいたひとにとても似ていて――少し切ない、…

「私」は、美しい親友・有野華の視線の先が誰に向かっているか知っていた。学校一、女子に人気のある男子生徒、成瀬渉を見ていたのだ。「親友」の視点から語られる、現代のシンデレラストーリ…

夫と離婚した私は、小学生の息子を連れて父の住む北陸の港町に身を寄せる。早春から初夏までの、家族の日々を描いた、優しい物語。

小さい頃は、絵を描いていると母に叱られた。「夢ばっかり見てたって、ろくな大人になれないからね」家を出た私は、バイトで働きながら、絵画教室の先生や、夫となる人や、絵を描いている人た…