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チャイコフスキーの妻

 感想。
 愛情が一方通行だと、こんなに歪で虚しいものに変わり果ててしまうのかと。実在した彼女をどれくらい脚色したのかは、結構、監督の作り上げたキャラ性が強そうだと思ったけど……難儀な人を見初めてしまったわね。
 彼女の為に充てがわれた男たち意外とお気に召していた? 終盤の舞踏シーン観て思っちゃった。けど、『人生を台無しにされた』彼女だから、本来なら幸せな結婚をして、幸せな記憶を積み重ねていくはずだったのが全然ない訳だから、あの謝罪品たちとの交流が彼女の人生のハイライトシーンにならざるを得なかったってわかると、さすがに……なんとも。かわいそう。
 ピョートル・チャイコフスキーの方も癖強くしてあるのか、実物もあんなだったかはわからないけど、ああいう男は結婚しちゃいかんでしょw
 もう常に彼の周囲には、普通に取巻き居るし。
 婚約したの、ほんと罪としか。長丁場の本作、レイトショーの時間帯で観たのも相まって、悪夢……じゃない? 人生……だと? ……みたいな、魘されそうな視聴感。指輪や記念写真に固執するしか、よすがのない彼女は憐れだった。
 映画館という立ち去りがたい状況でないと、なかなか辛いものがあった。服飾や映像美は、救い。この時代の空気感を美しく撮られていなかったら、彼女の荒んでいく様を追うのは、相当辛い。

 チャイコフスキー、彼女を悪い意味合いの方で女性扱いしていなかったな。亭主面は、ほんと他者が居る表向きの時だけはしていたけど。
 彼女の赤いドレス、私は好きだけどね!

2件のコメント

  •  私も観たい…もしVODとかに出たら、観てみます^_^

     レンたそのレビューを読むに、なんとなくエヴァ・ブラウンが頭に浮かびました。
  •  こんばんは、ナナミンおねえさま。

     アントニーナの方は、一目惚れと言うか、天才チャイコフスキーを間近に見てしまって、輝かしさに心奪われて……な感じですかね。
     実家では肩身が狭く、居心地は良くなさそうで姉妹だけが拠り所みたいな……それで結婚生活も早々に破綻してしまうので、なんとも救いがなくて。

     薄っすら幸せではない人が、更に堕ちていく感じでした。
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