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三時間の旅

 『ボーはおそれている』




 アリ・アスター監督の新作、観て来ました。大分身構えて臨みましたが(よみがえる『ミッドサマー』の記憶……)、いやぁ、面白かったです!




 冒頭から主人公のボー(ホアキン・フェニックス)に起こるアクシデントが、非日常的ではありながら、つい自分に起きたら目線で見入ってしまう不幸で……割と観始めて直ぐ、ボーに没入出来ます。

 起こってほしくない最悪のパターンと、ナンデヨ?!事態が、休み無く起き続けて……瞬き減りますw 映像的美しさと、時間に対して起き続ける事象の高濃度さと、ボーに覚える謎の愛嬌? 愛着的な何かと……全てが濃いです。(治安悪過ぎで、ボー、引越せよと思った)

 ボーはセラピストにかかりつけていますが、彼には精神疾患があるようですね。母親との確執があるのに、表面上は優しく、内向的な息子で居続けるボー。電話のやり取りは、観ていて涙目になる。

 今作、タイトル自体が、ボーに関わる汎ゆるものに掛かっているのだなと思いました。ボーは『不測の事態を』おそれている。ボーは『母親の期待と裏切る自分を』おそれている。ボーは……をおそれている。
 でも、ボーは他者を見ずに生きているので、母親の顔が若いまま、記憶と印象の時が止まっている。母親の死の状態も、暗喩? (その後、ボーが見知らぬ天井を見た時シャンデリアがあるの、監督悪趣味だなってw)

 森で、スープより観劇に最後のお金使うの。良い。好き。
 ボーが着席する前に、衣装を選ばされて、舞台と観客をボーダーレスにされるの、巻き込まれホラーみあってとても良かった。実際、ボーの人生を観せられる訳だし。
 リアル森の中に置かれた、書き割りの家が如何にも薄っぺらくて、薄暗いと思いながら観ていると本当に嵐が起きて吹っ飛ばされる。ここでも起きてほしくない最悪へ向かって行くボー。
 残酷な観劇を選んで観ているのは、映画館の観客席に座っている私もボーと同じで……そんな曖昧さの演出を、4D無しで体験させてくれるの……ほんとね、スクリーンで観た人へのサービスかな? みたいな。(おちょくりかもよ)

 ボーの父親…………フロイトが過ったけど、なんで? どうしてなの?? どんな顔して観てたらいいか本気で困惑したよw




 感想も、ブツ切りで終わりますかね。(どこまでも長くなるから)
 私はネットへ、誰かの感想を求めて彷徨うことでしょう。(もっと、自分よりずっと、高解像度で語っている人の言葉が見たい!)

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