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『最強無力無名最凶』をより良くする為の意見場+イラスト付き

この場では、私の拙作

『最強無力無名最凶』~魔法が使えない無能な少年は『正座』し続けた結果『狂人』となり、近接戦闘術『合気』で魔術裏社会を牛耳る『フィクサー』となる~

に対する批評やご指摘用のコメントでございます。

目的
より良い作品を生み出す為、皆様のお力添えを頂きたい!

批評企画の参加者じゃなくても書き込みOKです!
作品ネタバレもOK!
コメントの長文、ラリーもOK!


「物語の展開が遅い」
「ヒロインが出すのが遅い。初登場の影が薄い」
「ざまあ系がフックなのに全然、ざまぁしていない」

 等々。忌憚ない意見を気軽に頂けると嬉しいです。

NG
 他の方のコメントに対する明らかな誹謗中傷はご遠慮ください。私の作品に対する評価は歓迎しますが、他の方に対しては控えていただけると幸いです。引用や重複は問題ありませんので、節度あるコメントを心掛けていただければと思います。

 可能であれば、「つまらない」とだけ言うのではなく、「どの部分がつまらないのか」を具体的に示していただけると助かります。シンプルな表現でも構いません。

 私への批評については、皆様の貴重なご意見や意見交換を大変重視しておりますので、できるだけ反論は避けたいと考えています。
 
 意見を頂けるだけですごくありがたいです。ありがとうございます!


下のイラストは登場人物のイメージ図
カラーラフなのでクオリティはご容赦ください。

14件のコメント

  • 二話も隙なく完成度高いですね。

    それで一話のときから注目してた点があったんですが。
    どの段階で、オリジナリティを感じられる要素をぶっこむのか、ですね。

    これはもちろん早ければ早いほどいいんですね。
    前作の異世界ゴミアイテムだと、もう冒頭からオリジナリティの塊で、プロローグの完成度はこちらの作品と比べると低めなんですが、そのインパクトだけで押し切ってます。

    これが本作の場合は二話で提示されてます。

    この手の要素が一話に絶対なきゃいけない、というわけではなく、
    本作の場合はあらすじで十分にオリジナリティは感じられるので、一話でそういう要素がなくても、二話の時点で出してくれれば、まあ十分ではあるんですね。

    なので一話の時点ではそこは指摘しませんでした。

    でも二話の冒頭で少年をいきなり出す、この構成であれば、少年の登場シーンだけでも、一話のラストにもってきちゃってもいいですね。

    鼻歌を歌う異常っぽい少年、を一話の最後の時点で出しちゃえば、あらすじで煽った期待感を一部回収できる&少年がこれから何をするのかの期待感を作り出せるので、引きがもっと強くなります。




    〇少年の異常性をもっと分かりやすくしちゃっていい

    作中の冒険者のモノローグで語られてるように、リアルに考えれば、少年のやってることって狂気の沙汰なんですが。

    これってファンタジー小説なんですよね。

    ぶっちゃけ、少年がモンスターと戦って無双するだけだったら、わりとインパクトとしては普通なんですよ。

    リアルに考えれば異常だけど、物語としてのインパクトは薄め、っていうんですかね。

    ここはもっと外連味いっぱいに、わかりやすく異常者ムーブさせちゃったほうが、キャラの魅力がわかりやすく伝わると感じました。

    初登場シーンっていうクライマックスより五百倍大事なシーンなので。
    異常さをいっさい抑えずに、一番良い異常者ムーブをブッパしたほうがいいですね。
  • 〇二話の重要性

    厳密に言えばこれは、『作品の目玉を初提示するパートの重要性』となります。

    一話の役割は、没入と感情移入からの目玉要素への興味誘導。
    そして、二話がその、目玉要素の提示、となるわけです。

    つまり、読者の立場からすると、この作品が面白いかどうかが判明するパート、ということになります。
    ここで、あらすじで煽ったような従来のファンタジー作品では見られなかったようなオリジナリティを、ガッツリ感じさせることが出来ると、めちゃくちゃ強いです。

    なので、少年のキャラをわかりやすすぎるくらい演出できるネタを、出し惜しみナシでここでぶっこんでください。

    『作品の目玉を初提示するパート』は、そのあとを読むかどうかを判定する場所ですので、クライマックスの五百倍重要です。

    二話の時点で可能な一番いいネタをここに持って来ることをおすすめします。

    くり返しですが、あとから良いネタやるんじゃなくて、最初が一番大事なので、最初にぶっこみましょう。
  • 繰り返しになりますが、いつもご指摘ありがとうございます。

    大変、参考にさせて貰っています。

    〇オリジナリティを感じられる要素

    オリジナリティが控えめに感じるのは
    たぶん、王道のダークファンタジーを意識しているからだと思います。

    今回は展開の速さとテンプレ、文章内のインパクトに注力しました。

    特に二話では主人公の性格と戦闘スタイルがメインになります。

    私なりに強調したかった独自性は、仰る通り

    主人公の異常さと
    魔法、魔術のファンタジー世界で近接格闘術をしている点です。

    近いイメージは『呪術廻戦』でしょうか。
    ただし、メインは戦闘ではなく頭脳・心理戦にするつもりです。

    〇鼻歌を歌う異常っぽい少年、を一話の最後の時点で出す

    ご指摘ありがとうございます。
    私としては、一話は物語の雰囲気を示し、主人公を引っ張った上で
    二話にその異常さを示す狙いで書きました。

    最後に読者を煽る文が重要なのは、理解できます。

    確かに鼻歌を歌うシーンからでも良いとは思いますが
    物語の進行上、今の流れが一番きれいだと思っています。

    〇少年の異常性をもっと分かりやすくしちゃっていい

    お話を聞いていると主人公の戦闘の面についての異常性のような気がしました。

    この主人公の性格面での異常性は
    「常に死というスリルがなければ生きている実感を得られない」という点です。

    最近よくあるサイコパス主人公「キャハー!」とタイプではない、
    純粋で静かな狂人を目指しています。

    〇少年がモンスターと戦って無双するだけだったら、わりとインパクトとしては普通。

    この二話は、『少年がモンスターと戦って無双するだけ』ではなく
    少年がモンスターを使って、遊ぶように準備運動する場面です。

    また、そこが狙いです。
    従来のファンタジー作品は、魔法、魔術なんでもありなので
    どれをやっても結局、有象無象になってしまうのが難点だと思っています。

    例えば、『雷魔法』や『瞬間移動』が使えても、その作品のインパクトのある特色にはなりますが、どこかの作品で擦られたものになってしまう。

    今回は
    地に足の着いた魔術戦闘にするため、全ての事象を説明できる理論を組みました。
    そういうリアルティが、ファンタジー作品としては地味だと思われた、要因かと思います。

    しかし、今回の作品は『最強無力無名最凶』
    『最強』ではなく、『最凶』に焦点をあてられており、隠れる(ハイド)するタイプの無双です。

    よって、主人公の能力が、簡単にはわからないところに
    恐ろしさを感じる無双にしていきたいと思っています。

    ちなみに今回の戦闘描写は
    養神館合気道の塩田剛三先生の演武をイメージして描きました。

    タイトルの『合気』と『正座』は、そこにかかっており
    ”合気”術と”魔”術のミックスもこの作品の根幹の一つです。

    主人公のキャラデザは、私が知り得る限りの様々な偉人、天才達を踏襲したデザインとなっています。

    また、前述の
    『読者が一切、共感できないダークファンタジーの主人公』像にも
    この戦闘描写が含まれています。

    それは敵がチートな魔法・魔術を使うのに対し
    主人公は背後から一刺しするようなムーブを取るキャラデザにしています。

    たぶん、こういう作品は、創るのがあまり大変なので
    似たようなものはなかったと考えております。

    そこが、この作品のオリジナリティ、独自性だと思っております。

    〇二話の重要性

    そこはおしゃる通りです。
    そういう意味では、今、私ができる最大のものを込めた渾身の二話です。

    私は、クライマックス(出口)も物語の入り口と違った意味で、同じくらい重要だと思っています。

    『わかりやすい異常者ムーブ、演出できるネタ』
    『従来のファンタジー作品では見られなかったようなオリジナリティ』

    の具体的なアイディアや例があれば、是非参考にさせて欲しいです。


  • 〇わかりやすく初出でキャラクターの魅力を見せつける例

    常人が理解できない次元の遊びを楽しんでいる、という点をできるだけ強調しちゃうと良いと思います。

    ただ余裕で敵を倒す、だけではなく、わざと敵の急所をはずして戦闘を長引かせ、牛鬼といえど見るもむごたらしい状態にまで追い込み、力尽きようとしたところで。

    助手のショートヘア少女に牛鬼を回復させる。
    そしてまたおいかけっこ遊びを再開。

    再び同じように牛鬼は痛めつけられるも、無限ループで回復させられる。
    もはやただの拷問にしかなっておらず、牛鬼の目が絶望に沈んでいく。

    そして何十回目かの回復をした次ぎの瞬間。
    牛鬼が自殺する。

    それを見た少年はひどく詰まらなそうな顔をしてみせる。
    もはや、どちらがモンスターなのかわからない。

    冒険者に理解できることは、こいつはやべえ、という事だけ。


    みたいな感じで常人の価値観だと、いったい何の目的でやってるのか理解できないけど、楽しんでいることだけは感じ取れる、くらいやっちゃってもいいと思いますね。
  • 〇モンスターのヘイトを稼ぐ

    一言で言えば、モンスターにもっと凶悪な行動をさせて、ヘイトを稼ぎ、こいつを倒してもらいてえぇ!と読者に思わせることを目的とした演出です。

    現状だと、モンスターはあくまで人間に対する悪意などは持たない、野生動物の延長的な印象になっています。
    そこに明確な知性と悪意を感じ取れる行動を+させると、もっとモンスターが憎たらしい存在となり、少年が倒したときに追加のカタルシスが発生します。

    といっても二話で大がかりなヘイト稼ぎの前振りはできないので、簡単な仕掛けでやるしかありません。

    ちょうど死んだ冒険者をモンスターが捕食するシーンがあるので、そこにスパイス加える感じでいいと思います。

    例えば、襲われた冒険者をわざと死なせずに、半殺しの状態で食べたりですね。
    犠牲者の四肢や内蔵をもぎ取って、本人の目の前でわざと見せつけながら食べる等。

    犠牲者は屈強な男性よりも、女性のほうがヘイト煽り効果が高くなります。
    妊娠中などの設定があれば、なおよしで、子宮ごと胎児をもぎとって、母親の目の前でかみ砕く等。

    この場合、犠牲者の女性が視点になっている冒険者の恋人、夫婦、妹、姉などだと効果的です。

    それぞれこのエピソードの後の後味が違ってきますので、今後の展開によって使い分けると良いですね。

    後味を引きずらせたいか、引きずらせたくないかで、視点の冒険者との関係の近さを決めるといいです。




    〇ヘイト稼ぎまくった凶悪なモンスターを、もっと凶悪な死なせ方をするダークヒーロー

    凶悪なモンスターを、もっと凶悪に死なせることで、こいつやべえ感を増すことができます。

    凶悪な死なせ方をする場合、モンスターに比べてダークヒーロー側が強すぎると、弱い物イジメ感・やりすぎ感がでちゃいますので、モンスター側にヘイトを稼がせておくと、その臭みが相殺されて、ダークヒーロー独特の、よどんだカタルシスが出ます。

    よどんだカタルシスというのは、素直に気持ち良い、というのではなく、これを素直に喜んで良いのかどうかわからないけど気持ち良い、背徳感のあるカタルシスを指します。

  • 具体的なアイディア案出して頂きありがとうございます。
    大いに参考にさせて頂きます。

    〇わかりやすく初出でキャラクターの魅力を見せつける例

    モンスターが自死する。確かにインパクトがありますね。

    獣の感情しかないモンスターがまるで人間のように恐怖を覚え自殺をする。
    確かに恐ろしい能力です。

    ここからはネタバレですが
    今後、こういうチートの能力は敵側に出てきます。

    また、今回主人公のキャラデザの狂人要素に快楽殺人的な要素を一切排除しました。

    なので、二話の戦闘では、ゲームとして遊んではいるが、殺人自体を楽しんでいるわけではない、という意味があります。

    つまり、もて遊んではいるわけではなく、危機的状況を楽しんでいる主人公です。
    彼には、明確な目的があり、そのために動いている。そしてその過程を楽しめるタイプの狂人です。

    そこが『冒険をする奴は大馬鹿者』という言葉にかかっております。

    これは余談ですが、彼は快楽殺人は欠点だと思っています。

    また、今回物語上での回復魔法は、あるギミックの為、禁止しております。

    〇モンスターのヘイトを稼ぐ

    確かに一話でヘイト管理を意識していないです。
    というのも冒険者は絶望しているので、復讐心は当に持てない状態だからです。

    また、洞窟内の細かな描写はだいぶカットしました。
    というのも、仄暗い洞窟の設定なので、そこも込みで読者の想像に委ねる描写にしています。

    残虐な描写は、どこまで描くか。
    それとも読者に委ねるか判断が難しいところです。

    ここは作者の嗜好性と、どの程度具体的にするかの”わびさび”がある気がします。
    また、やたらめったらに意味もなく残虐な描写すると、換えって下手な演出になってしまうという点もあります。(もちろん、スプラッタ―映画やB級ならアリです)

    仰る通り今回、
    モンスターは人間を捕食対象とでしか見てません。
    それは悪意という感情のない純粋な化物だからです。

    ここもネタバレですが、これは理性を失っているという設定もあります。

    また、仰る通りのヘイトについては、
    対人間側で起こす、という線引きをしました。

    このパイロット版では、これから起こる事を踏まえ物語の世界観、期待を煽る意味合いがあります。

    何処を切り取るかにおいては、主人公の異常性が主となるので
    一つの手段であるヘイトは必ずしも必要だとは考えておりません。

    ・犠牲者は屈強な男性よりも、女性のほうがヘイト煽り効果が高くなる。

    たぶん、『ゴブリンスレイヤー』とかが良い例でしょうか。

    実は最初の構想で、冒険者の恋人が襲われ殺されるシチュエーションは
    確かにありましたが、今後の展開で邪魔になってしてしまうため変更しました。

    たぶん、この辺は、三話の落としどころと、パイロット版の仕様で変わってくる部分な気がします。

    なので、今回のパイロット版の中では
    少年が倒したときのカタルシス(安堵感)は必要ないと思っています。

    〇ヘイト稼ぎまくった凶悪なモンスターを、もっと凶悪な死なせ方をするダークヒーロー

    ここもネタバレですが

    この物語は無双であって無双ではないです。
    それは凶悪なモンスター自体がチートの存在だからです。

    主人公ですら、例外ではなく
    無理だ、と言わしめるほどの強敵です。

    また、この物語のヘイトを稼ぐのはモンスターではないです。
    人間側です。
    モンスターは絶望を振りまく災害のようなものと思って頂いて構いません。

    そして、ここも主人公の異常性の一つですが
    それを人間らしいと肯定しております。(人間を愛しているということではありません)


    〇指摘・批評の方向性について

    反論するような形にはなってしまいますが、あえてご指摘頂けることで
    私の中での断捨離(どこがOKで、どこが検討すべきか)が整理出来ました。ありがとうございます。

    また、こういうのは大事だと思っています。

    それは、小説家が常日頃、自分の創作物に対して
    多くの疑問を客観的な立場から見直しているからです。

    それは
    「主人公の行動はあっているのか?」
    「なぜここでこう動くのか?」という辻褄を合わせをすることです。

    当然ですが客観的視点で観ることは、何よりも難しい作業であり
    また、より良くしようとするには、必ず否定することが大事だと考えております。

    こんな逸話があります。
    日本の選挙プランナーで「選挙の神様」とも呼ばれる藤川晋之助さんには、選挙で必ずやる常套戦術があるそうです。

    あるインタビュー記事で

    「何のために選挙に出るのか、候補者には1カ月くらい悩み抜いて考えてもらう。それを戸別訪問やミニ集会などの地上戦で、繰り返し言い続ける。一番大事なのは候補者の熱量。それを人の輪で広げていく」

    とおっしゃっていました。

    つまり、1カ月
    候補者を質問攻めにして、政策やその人の信念などを煮詰めていく作業し
    その人の熱量を引き出すということです。
    藤川晋之助さんは、その上で最終的に、この人を応援するかどうか決めるらしいです。

    私は、この自問自答の先に視えてくるものこそが、その意義や確固たる核だと思います。

    さまざま角度から意見を踏まえ、何が良くて何が悪いのか
    客観視しながら是々非々をすること重要だと解釈しております。
  • 〇指摘・批評の方向性について

    そのへん、私相手には気にしないで下さい。
    上記コメントで私も述べたとおり、二話までは十分に完成度高いので、下手にいじる必要ないと考えてます。

    それにどちらにせよですが。
    普通こういうのは、せめてプロットだけでも開示されてる状態でやるものですけど、そうではない今の状況では、的確な指摘が出来る可能性は限られるのは、私も分かった上ですからね。


    射撃競技で例えるなら、目隠しされてどこに的があるか分からない状況で、めくら撃ちするしかない状態です。

    マラソンに例えるなら、ゴールがどこか知らされてないのに、ゴールまでの近道を言い当てなきゃいけない状況です。

    それでも単純に創作の話しをするのが好きで、私も楽しんで駄弁らせてもらってるので、別に悪く思ったりはしませんので、気楽にどうぞです。

    こういうのああだこうだ言い合うのも、創作オタクの趣味ですので。





    〇三話は急いで新規情報を出し過ぎる感あります

    マフィア登場のくだりですね。
    これは本作のオリジナリティを醸し出せる目玉要素ではあるんですが。
    いわゆるナーロッパ的な共通認識、の外にある独自色の強い設定でもあります。

    なのでこれがいきなり登場されると、ちょっと悪い意味で世界観をどう解釈していいのか戸惑っちゃう感ありました。

    で、戸惑ってるところに、女ボスの新キャラ追加で少年に絡むわけですね。
    まだ十分把握できてない独自設定を前提とした、ストーリーが進行しはじめちゃってます。

    これは明確に良くないんですね。
    せめてマフィアがこの世界において、どういう存在かというのが肌感覚で理解できてないと、視点となってる主人公と心情がリンクできず、没入感がさめてしまいます。

    これのソリューションとしては、視点となってる冒険者がマフィアから依頼を受けてダンジョンに潜る経緯の、回想シーンなんかが欲しかったですね。

    タイミングとしては2話の最後で気を失って、3話冒頭で回想シーン突入、みたいな感じでしょうか。

    そこでマフィアがどういう存在で、冒険者とどういう関係性なのか、理解させてくれると、女ボス登場シーンのインパクトがちゃんと出るようになります。

    このシーンで冒険者が女ボスの登場に驚いてますが、読者からすると、マフィアがどういう存在かわからないので、今の状態だと一緒におどろけないんですね。

    そこでせっかくの没入感がそがれてしまってるのは、良くない部分です。




    〇三話で読者がいちばんフォーカスしてもらいたいのは女ボスではなく少年

    これはつまり、一読者の私の感想ではあるんですが。
    二話であれだけ少年がいったい何者なのかを煽られたら、三話でそこを少しだけでも回収してもらいたかったですね。

    あらすじで書かれてるような少年のプロフィールって、結局まったく回収されてませんよね。
    名前すら一度も本篇で出てきてません。

    少年の全てを三話で明かす必要はないんですが、一部だけでも知る事ができると好奇心が満たされるご褒美になり、それが餌になってもっと次ぎを読みたくなります。

    知らせることでもっと少年のことを知りたくなるような情報を出して貰えるといいですね。

    謎が一つ分かったら、それによって新たな謎が生まれるみたいな感じで。
  • 〇女ボスの登場がサプライズやインパクトを十分生み出せてない原因



    これは上記のコメントでも大雑把に触れましたが、もう少し詳しく説明します。
    女ボスの登場で面白さが生み出されるためには次の前提条件が必要になります。



    ①女ボスがここに来ることが異常事態であることを読者が肌感覚できること。
     
     この時点で読者はマフィアがどういう存在なのか十分に理解できていません。
     なのでここに女ボスが来ることが、異常なのか正常なことなのか、それが肌感覚で分からないんですね。
     
     冒険者のモノローグで異常であることが説明されるのですが、読者にとってはここでボスは初見なので、
     理屈で異常と理解はできても、感覚としてインパクトやサプライズって起こらないんです。
     『本来のボス』と『ここに登場した異常なボス』でギャップが発生しませんからね。
     ここで登場したボスが読者にとっての、唯一のボスの印象になってしまいます。
     
     なので理屈では異常だということは分かったけど、これによって面白さが効果的に+されなくなってしまってます。

     理屈のギャップじゃなくて、印象のギャップで演出してみてください。
     語るな、見せろ、というやつです。




    ②マフィアがどういう存在であるか読者が理解できていること。


     ナーロッパ的な共通認識から外れる独自設定に当たる部分ですが、ここが十分理解できないままストーリーが進んでしまってます。
     ここが十分理解できてないことが、ボスがダンジョンに来る異常性なども十分に実感できない原因にもなってます。
     



    以上となります。
    要するに独自設定を理解して貰った上じゃないと楽しめない展開を、
    独自設定を理解してもらう前にやってしまってるのが原因です。


    そして、次なる展開である、さらにダンジョンの奥へ挑むという異常事態なんですが。
    上記の女ボスが自ら出向くという事態の異常さを感じられることが前提で、面白さが生み出される構造になってるんですね。


    女ボスがこんなところに登場、これは何かすごいことが起こってる。

               ↓

    しかも、さらに危険な下層へ、いったい何が始まるんだろう。というワクワク感が生まれるはずだった。

    このワクワク感は、前提となっている『女ボスがこんなところに登場、これは何かすごいことが起こってる』
    が十分に演出されてないと、弱まっちゃうんですね。

    異常事態を理屈で説明するだけになってしまって、印象としての強度が出し切れてないんです。



    なので根本を辿ると、結局のところ、
    『独自設定を理解して貰った上じゃないと楽しめない展開を、独自設定を理解してもらう前にやってしまってる』
    ここに行き着きます。


    これに対するソリューションはシンプルで。
    マフィアという存在がどういうものか、ボスが普段はどういう風に扱われてる人物なのか。
    これを読者が印象として理解できる演出を、事前にやっておくことです。

    その一つの手段が冒険者がマフィアと契約する場面のような回想シーンということになります。





    〇本来、三話の冒頭は少年の正体にフォーカスしたい。

    二話のラストまでで興味が誘導されてるのは、まさに少年という存在です。
    なので三話の冒頭では、本当は少年の存在に関する答えの一部を出す形で回収するのを優先したいところになります。

    二話によって、少年の登場で期待を作る→少年の活躍で期待を膨らませる。
    というところまで来てるので。

    三話で少年の存在に対する回答を示して期待を一部回収する。
    までやっておくと、読者の好奇心を満足させられて、次の展開にさらに期待を増幅できます。

    ここでの少年の正体に対する回答は、『答えの一部は見せるけど、それによってさらに好奇心がかき立てられる』程度がベストです。

    なので本当は三話の冒頭に回想シーンなどを挟むのは最善手とは言えません。
    だけど、これやらないと、上記の問題が解消されないんですね。

    だから妥協策としては、回想シーンに少年もなんらかの形で登場させて、そこに少年の正体に対する回答の一部を仕込んでおきつつ。
    マフィアとはどんな存在なのか、ボスは本来どういう人物なのかを読者に理解してもらう、というのが考えられます。
  • いつも指摘・批評頂きありがとうございます。
    返信が遅れて年を越してしまいました💦
    明けましておめでとうございます!

    〇普通こういうのは、せめてプロットだけでも開示されてる状態でやるもの
    ここでの『プロットの開示』は
    いくら何でもネタバレし過ぎなので
    DMかチャットでの交流でない限りは無理だと思います。

    〇マラソンに例えるなら、ゴールがどこか知らされてないのに、ゴールまでの近道を言い当てなきゃいけない状況です。

    パイロット版は短編と同じように考えて頂けると助かります。

    また、私は指摘・批評はゴールまでの道筋を教えるものではないと思います。

    前提として
    パイロット版は少ない場面から作品の全てを見せるのは無理であるというのがあります。

    その上で、映画のプロモーションみたいに
    作品のどこを見せ、作品のどこに興味をもってもらうか、が重要だと思っています。

    〇三話は急いで新規情報を出し過ぎる感あります

    まず、パイロット版はダンジョンから入っているので
    マフィア・ギャングには、そこまでフォーカスしていません。

    一話では『ダンジョンの異常性』
    二話は『主人公の異常性』
    そして三話で魅せたいのは『組織内での主人公の異常性』です。

    読者に十分把握させないのは、冒険者の視点がそうだからです。

    〇せめてマフィアがこの世界において、どういう存在か

    ここもわかりずらいですが、簡単に言うと、反政府、反社会勢力です。
    物語で簡単に触れていますが『魔法師』、国家に対して異を唱える存在です。
    この組織は
    大規模クエストの依頼者。
    冒険者のスポンサーくらいに考えて頂ければ幸いです。

    また、このパイロット版では
    マフィアがこの世界において、どういう存在か?
    には主きを置いていないので、極力省いています。

    〇視点となってる冒険者がマフィアから依頼を受けてダンジョンに潜る経緯の回想シーン

    これも構想では案の一つにありましたが、最後、ボス戦に挑むという”オチ”を考えると
    必要ないと考え、カットしています。

    また、回想シーンを入れるとなると

    ・なんで彼らだけが『死の転移陣』を知っているのか?
    ・なぜ、組織が大規模なダンジョン攻略を進めているのか?
    ・なぜ、英雄は騙されているのか?

    など、多くの説明が必要となり
    パイロット版ではなくなる為、そこまでは書いておりません。

    また、ここで読者に驚いて欲しいのは
    仮面の少年(主人公)が”ボス”ではないところです。

    〇名前すら一度も本篇で出てきてません

    三話のタイトル通り、彼が今後、影の支配者ムーブをします。

    なので、彼の名前、素顔、戦闘スタイルなどは全く意味を持たないタイプの狂人です。

    これはダークヒーローが主人公である作品、特有のものです。

    映画のジョーカーも、そういうところがあると考えております。

    〇女ボスの登場がサプライズやインパクトを十分生み出せてない原因

    ボスの登場には、サプライズを意図していないです。



  • 〇女ボスがここに来ることが異常事態であることを読者が肌感覚できること。

    マフィアを説明するとマフィア自体に比重がよってしまうので
    今回は組織内の描写、ボスの立ち振る舞いに注力しています。

    そもそもなぜ、ボスが若い女性なのか
    など、様々な伏線はここでは説明する必要はないです。

    〇マフィアがどういう存在であるか読者が理解できていること。

    マフィアの認識は人によって分かれると思いますが、ここではマフィアの詳しい説明は必要ないと思っています。

    理由は全てをパイロット版で見せるのは不可能だからです。

    〇独自設定を理解して貰った上じゃないと楽しめない展開

    楽しめるかどうか、一度置いておいて
    独自設定はSFやファンタジー作品では当たり前です。

    問題は、どこでどのように
    その設定を説明するかだと思いますが
    今回のパイロット版では、細かい裏で動いている伏線は
    全て伝える必要はないし、伝えきれないのが短編版です。

    〇上記の女ボスが自ら出向くという事態の異常さを感じられることが前提

    いえ、ここでのボスが自ら出向くことは重要ではないです
    むしろここでは仮面の少年が決定権を持っていることが重要です。

    三話で読者にいちばんフォーカスしてもらいたいのは女ボスではなく少年です。

    なので、ボスが自ら出向くことは重要ではないです。

    〇マフィアという存在がどういうものか、ボスが普段はどういう風に扱われてる人物なのか

    ここは部下の態度や礼儀など情景描写にいくつか入れています。
    例えば、ボスの立場、発言権。しきたりなど。
    黒手袋のまま、握手を求めるなど

    色々なシーンでさり気なく仕込んではいますよ。

    〇本来、三話の冒頭は少年の正体にフォーカスしたい。

    いえ、ここでは見せたいのは『組織内での主人公の異常性』です。

    なので
    マフィアとはどんな存在なのか、ボスは本来どういう人物なのかを読者に理解してもらうことは重要ではないです。

  • 〇なぜマフィアという存在を正しく認識してもらうことが重要なのか

    それやんないと3話がまともに成立しませんよ、読者が置いてきぼりになっちゃいますよ、ってことなんです。

    これ結局、マフィアがどういうものかを読者が分かってないと、読んでて十分に楽しめないからなんですね。
    独自設定があるのは当たり前、な、の、で、尚更そこはちゃんと説明してくれないと、読者がおいてきぼりになってしまうんです。

    作者だけが楽しさをわかってるけど、読者はわからん状態です。

    で、3話はまさにそれの塊なんですね。
    少年の組織内での異常性にしても、そもそも組織がどういうものか理解できてないと、何が異常なのかが、わからないですよね?

    つまり、最大の目玉になる部分がいまいちになってしまってる。
    なので、短編だからと省いて良い部分じゃないですよってことになります。
    一番、重要なとこを省いてしまってる。

    異常さを描くには、何が正常なのかの基準をまず描かなきゃいけなくなります。
    この基準が独自設定に基づいてる場合はなおさらです。

    ナーロッパ的な共通認識に基づいてるなら、省略できる部分なんですが。
    この世界のマフィアはほぼ未知の存在ですからね。

    なので結局、3話の問題はマフィアという独自設定について、説明不足すぎる、という点に集約されてきちゃうんですね。

    マフィアがどういうものなのかの説明だけは、3話の前にちゃんとやったほうがいいですね。
  • 〇設定をただ説明するだけ、と、設定を印象に残す演出の違い

    結論から言えば、独自設定をベースにエピソードを構築する場合、設定を理屈で読者に理解してもらうだけじゃ足りなくて、強い印象として設定を心に刻み込んでおかないと面白さを十分に感じられなくなってしまう、ということです。

    これどういうことかというと、例えば人を襲うオバケ系のホラー作品って、主人公以外で犠牲になるキャラが描かれたりしますよね?

    これによって、そのオバケなりモンスターなりという、独自設定、の怖さの説明してるわけですね。
    しかも、強いインパクトを伴って、です。

    これがもし、そのオバケの怖さを台詞なりで説明するだけ、の場合と。
    実際に襲われるキャラを描いて、凄惨な殺され方をしたりするのを見せる場合とで、どちらが見る人の心に作用しますか、ということなんですね。

    肌感覚で設定を理解させる、というのは、つまりそういうことです。

    そうして肌感覚で怖さを理解させたうえで、今度は実際に感情移入してる主人公がオバケに襲われるパートに入ることで、それを見る人が本気で怖がったりできるわけです。

    もし、主人公が襲われる前の犠牲者がいないと、そのオバケに捕まったりした場合、具体的に主人公がどうなるか、などが肌感覚でわからないので、十分に怖がることができないんです。

    なので、独自設定をベースに物語りを転がす場合は、ちゃんと肌感覚で独自設定を理解できるエピソードを入れましょうってことなんですね。



    で、3話の場合どうなってるかっていうと。

    マフィアという独自設定を、肌感覚で理解できるエピソードがないまま、
    マフィアという独自設定を肌感覚で理解してないと、楽しめない展開に突入してしまってる状態です。

    一応、冒険者などがモノローグでマフィアについてちょくちょく説明はいれてるんですが。
    これって、上記の『台詞だけで説明してる』状態です。
    頭では設定は理解できるけど、肌感覚としての印象はない状態ですね。

    これは異常なことが起こってるんだぞー
    ほらいま異常なことが起こってるんですよー

    って説明だけされてるだけの状態です。
    でもそもそも、読者からすると、正常な状態を肌感覚で知らないので、異常だ異常だ言われても、実感として感じられないわけですね。

    なので少年の異常性などを頭は理解できたとしても、心で感じられる実感=面白さに十分繋がってないわけです。
    これが、目玉がいまいちになってしまってる、と言った原因ですね。

    マフィアがどういうものかを肌感覚で理解できるエピソードが予め必要、というこのはそういうことです。

    物語を転がすベースにする設定は、説明だけではなく、印象に残すことが肝要です。
  • 〇作中キャラが状況に置いてきぼりにされることと、読者が置いてきぼりにされることの違い

    まずここで述べる『読者が置いてきぼり』という概念は次のように定義しておきます。
    『読んでいるシーンの面白みを感じるために必要な印象・情報を与えられていないために、十分に楽しめないままストーリーが進行してしまっている状態』

    作中でキャラクターが状況についていけず戸惑ったり、置いてきぼりになるのと、
    読者が置いてきぼりになるのは、上記の定義の点において決定的な違いがあるということなんですね。

    3話で言えば、冒険者がマフィアのボスたちが登場したころに驚いたり戸惑ったりしますが。
    なぜそういうリアクションができるかといったら、要するに彼はマフィアとはどういうものかを知っているから、マフィアのボスがダンジョンという本来は来ないはずの場所に彼らが来たことに驚いたり、戸惑ったりできるんです。

    では読者どうでしょうか。
    マフィアのボスたちを見るのはこれが初見なんですね。
    なので、冒険者のモノローグなどで、これが異常な事態であることを説明されても、
    そもそもマフィアがどういうものか知らないわけですから、何が異常なのか肌感覚で実感できないんですね。

    つまり、この時点で視点になってる冒険者と読者の感覚がズレちゃってるんです。
    このズレが何からくるかというと、くり返しになりますが、マフィアという存在がどういうものかという肌感覚の知識です。
    冒険者にはこれがあるけど、読者にはない。

    要するに、マフィアがどういうものかを予め肌感覚で知らされてないと、冒険者と一緒に驚いたり、戸惑ったりできないんですよ。

    一緒に驚いたり、戸惑ったりできないとどうなるかっていうと、少年の組織内での異常さというものにも、理屈では理解できても肌感覚での実感がともなわなくなってしまう=いまいちな面白みになってしまう、ということです。




    このあたりの処理が上手くて、教科書になりえるのが、エヴァンゲリオンの第一話なんですね。

    具体的に言うと、冒頭で使徒とVTOL機の戦闘に巻き込まれたシンジが、ミサトに助けられてから、
    ゲンドウの前に連れてこられるまでの、ネルフという組織の説明パートですね。

    ここでネルフがどういう組織かという独自設定と、使徒がどういうものかという独自設定を、視聴者に十分理解させたうえで、
    シンジという一見普通の少年にいきなりエヴァに乗れという、シンジが状況についていけず置いてきぼりにされる展開にもっていくんですね。

    ネルフという組織が世界を守る重要な役割をやっているということが、視聴者に理解できているので
    一見普通の少年がいきなり巨大ロボっぽいものに乗って戦えと言われる異常さが、よーくわかるわけですよ。

    それと同時に、シンジと一緒に戸惑うことができるんです。
    視点になってるキャラと視聴者の意識がシンクロできるわけですね。

    そこで想像してみてください。
    これがもし、ネルフという組織の説明がほとんどなかったりしたら?

    シンジがいきなりエヴァに乗れ言われてる状況の異常さが、正確にわからないですよね。
    ネルフが世界を守るために戦う組織であるということが理解できてるからこそ、世界を守るために一見普通の少年がいきなり巨大ロボにのせられることが異常だと理解できるわけです。

    その異常さがわからないと、シンジと一緒に戸惑えなくなっちゃいますよね。



    そしてもう一つ。
    冒頭で使徒が映像として現れずに、ゲンドウと初めて対面するシーンで、台詞だけで使徒の脅威が説明されていたとしたら?

    この場合、世界を守るために何と戦うのか、というイメージがぼやけちゃうんですね。
    使徒という独自設定は、読者にはどういうものか実感として分からないからです。
    台詞で説明されたら、理屈は理解できるでしょうが、実感として分からないんですね。

    実感として分からないと、そんな敵にいきなり戦え言われる状況の異常さにも、実感が伴わなくなり、なんか地に足がついてないフワフワした雰囲気しかでない演出になっちゃうんです。

    なので、くり返しになりますが。
    独自設定をベースに物語りを転がす場合は、必ずその設定に実感が持てるようなエピソードを入れ込みましょうってことになります。


    3話の場合は、ダンジョン内の出来事にフォーカスするべきであって、その外のことはフォーカスを妨げないように、挟まないほうが理想っていうのは、その通りなんですよ。

    でも、優先順位というものがあってですね。
    これまでくり返し述べたように、ダンジョン内で3話で起きる物事って、マフィアという設定を正しく理解できてないと、十分に楽しめない構造になってるんです。

    なので、フォーカスするためには、そもそもその土台となる部分もちゃんと作っておかなきゃいけないってことなんですね。

    土台がなければ、その上に載せるものを、ちゃんと見せることはできないし、フォーカスもなにもないってことです。
  • 〇独自設定のストーリーへの紐付けと、階層構造


    これは要するに、どの設定が、どの設定の土台になっているか、などや。
    どの設定が、どの展開をやるときに土台として必要とされて紐付けされているのか、というのをちゃんと考えてストーリーを構成しましょう、というお話しです。

    今回も教科書としてエヴァンゲリオンの第一話を例にしてから、正座3話の例に移ります。
    エヴァ一話は作劇の教科書として理想的なので、教材として使いやすいんですよね。


    シンジがエヴァ一号機のハンガーに連れてこられて、ゲンドウと対面するシーン。
    あそこでいきなりエヴァに乗れと言われたときの、理不尽さや異常さを、視聴者に肌感覚で実感させるために、視聴者が把握する必要がある設定を考えてみてください。

    まず、前回述べたように、ネルフがどういう組織なのか、これが必要です。

    ではネルフという組織を説明するために、視聴者が把握しておくべき必要な設定は? というと。

    これは、使徒という人類の敵の存在、を把握しておくことですね。
    ネルフが戦う相手がどんな奴なのかを提示しておかないとダメなわけですね。


    つまり、シンジがエヴァに乗れた言われたシーンを演出するために必要な設定は、

    まず、『ネルフという組織』という土台が必要になって。
    その下にさらに、『使徒という敵』という土台が必要になるんですね。
    独自設定の階層構造になってるんです。

    で、重要なのはここからなんですが。
    ではこの階層構造をスムーズに視聴者に叩きこむための構成ってどんなのですか、ってことです。

    シンプルですね。
    まず、使徒がどんな奴なのか実感を伴うエピソードで見せましょう。
    これがまさに、エヴァ一話におけるVTOL機と使徒との戦闘シーン。
    さらに、国連軍によるN2爆雷による攻撃ですね。

    これによって、『人類の最強の攻撃手段でも倒せない強敵』であることを見せてます。

    で、そこで国連軍がサジをなげて、ネルフに指揮権を委譲するシーンがありますよね。
    ここがネルフという組織を説明するのに、象徴的なシーンで。
    『ネルフとは人類の最期の希望』であることが、めちゃくちゃ分かりやすく描かれます。

    最初に使徒という必要な土台を作って、その上にネルフという土台を載せる、ということです。
    この二つの土台がそろって、やっとこ、シンジとゲンドウの初対面シーンが成立してるんですね。

    必要な土台その1を見せたあとで、土台その2を見せる、という理想的な構成ですね。


    では本作の場合はというと。

    3話で見せるべき、組織内での少年の異常性。
    これを演出するために必要な土台である『マフィアがどういう組織なのか』っていうこれを見せるパートが省かれてしまってるわけですね。

    そこを省いてしまってるので、組織内での少年の異常性を慌てて大急ぎでアピールしようとして、その場で台詞・モノローグでの説明に終止してしまってるため、実感が伴わず、面白さが十分にでてない状態になってるわけです。

    ストーリーを構成するときには、必ずその展開をやるために、必要な土台を把握して、エピソードの並べ順を組み立てるようにしてみてください。
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