大阪コミコンというイベントで、ツーショットイベントがあると知りまして。
Twitterでアンケートを取ったんですよ!シロとルーのブースならどちらに並ぶ?っていうね!
結果、シロの方が並ぶ方が多かったので!楽しかったのでお礼にちょこっと書きました!
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ごった返す会場の中、長い長い人の列がきっちり折りたたまれながら続いている。
……滅多にない機会だから。
そう、絶対にこれを逃すまいとする気迫が、長蛇の列から漂っている。
「ツーショット撮影ブースはこちらです!」
貴重なチケットを握り締め、鼻息も荒く各々は一歩一歩進む。
目指すブース内には時折り映る大きな影。
あと数人……! 見え隠れするブース内の様子に胸を高鳴らせながら、順番の迫った人は落ち着かない様子で何やらぶつぶつ呟いてみたり、髪を整えてみたり。
「あの、ぎゅっとしてもいいですか?!」
『いいよ! ぎゅーっとして!』
「乗ってみたりとか……」
『どうぞ! 気を付けてね!』
「わ、わわ、あの、そのっ……!」
『大丈夫、ぼくここにいるからね。おりこうで待ってるから、ゆっくり言ってね』
白銀の毛並みに、淡い水色の瞳。
訪れる人たちに満遍なく振りまかれる、ぱあっと輝く笑み。
その瞳が、しっぽが、『嬉しい』と雄弁に伝えてくれる。
『次は? 次は誰かな?』
好奇心と喜びにあふれた瞳が次の人を捉え、にこっと笑う。
しっぽはいつまでたっても左右に揺れたまま。
「えっと、背中からのしっとやってほしいんだ!」
『おんぶ? いいよ! だけど、ぼく大きいから重いよ?』
「ああ、本当にサラサラ……!」
『そうでしょう! 今日はね、いっぱいブラッシングしてもらったの!』
「会いたかった……シロちゃぁん」
『ぼくも、会えてうれしいよ! だから、泣かないで』
――要望に全力で応じるシロは、とても楽しそうだ。
遠慮がちに伸ばされた手に自ら歩み寄り、温かい体を摺り寄せて。
言葉の出ない人を舐めては励まし。
しっかりと幸せオーラに当てられ、ブースを出る人たちが軒並み満ち足りた表情になっている。
シロとのツーショット写真は、きっと大抵のことを乗り越えられるお守りになるはず。
だって、幸せだった気持ちがそのままそこに保存されているんだもの。
思い出してね、指を滑らせた毛並みの感触を、押し付けられた鼻の冷たさを、揺るがない体躯の高い体温を、そして、あなたが好きだよと伝えるあの瞳を。
オレは少し離れてブースを眺め、ふわりと笑ったのだった。