完結させました。
元々は「短くまとまったお話を書く練習がしたい」と考えたものです。
短編小説というのは、一応三万字以下ということになっているらしく、
いつも気がつくと五万か六万くらいになってしまうので、
三万字以下を目指してコンパクトにまとめました。
書くうえでは、語り部分がどちらか一方に偏り過ぎないように、ということで書き進めていました。結果的に、茜のほうが少し多いくらい?
厳密に数えていないので把握できていませんが、どちらかと言うと茜が主人公で、高山さんという女の子に出会うという話なのでそれはそうかも。
いつもキャラクターを作るうえで、名付けはなるべく、
お話と何の関係もない、普通の名前にしようと決めていますが、
近作はそういうリアリティよりもドラマチックさを出したかったので、
ちょっと名前に意味を持たせてみました。
ふたりとも、苗字に意味は特にありませんが、
間宮は漢字で書くとカクカクしていますがまみや、という音の柔らかさがいいなと思い、ふと目に入った名前からいただきました。
あと、「クラスに他に同じ名前の子がいたとき、あだ名にされちゃうほうの女の子」という設定があったため、何かあだ名がつけやすい苗字がいいなというのもありました。
高山さんは、ありふれた苗字ながら、ちょっと高嶺の花みたいなイメージを持たせたくて決めました。これも特に意味はありません。
作品のテーマが終わり、別れだったので、
茜はそのままですが、夕暮れの色、茜色。
蓮未のハスは、花言葉は色々ありますが「離れゆく愛」と「神聖」があったのでぴったりかなと思い。
未の字は正直、実でも美でもよかったのですが、「まだその時がこない。まだその事が実現し終わらない」という意味のある未の字だと、
いずれ離れゆくけれど、いまはまだその時ではないというような刹那的な雰囲気になるかなと名付けました。
子どもの名付けに未の字を使うことは賛否あるらしく(まだ~でない、という字を一生背負うため)どうかなと思ったのですが…
また、作中に出てきた『家路』はわたし個人としても好きな曲です。
『遠き山に日は落ちて』ではないほうの歌詞は調べていただけるとわかりますが、野上彰さん作詞の『家路』のほうが、離れた故郷で過ごした日々を思う、というような雰囲気があり、高山さんは共感できたのかなと思いつつ書きました。
高山さんのその後はわたしも考えてはいなくて、成功したのかしなかったのか、日本に帰ってくることもあるのかないのか。
ラストシーンの茜がすっかり大人になったときでも、再会はできていませんし、合わせてほんの数週間過ごしただけの女の子の顔が成長したのを、うまく想像できるか?と言うと、難しいように思うので、おそらく偶然どこかで会えたとしても、きっと気付かないのではないかなとは考えています。