「埋もれている名作を助けたい」などと言い放った人がいる。
それはまるで神がごとく。
それは大層ご立派なことだ。
では一体どのような立場から? どのように? どのような人間が?
件の人が言うには、自身が用意した独自の条件を用い、その上で選別し、これは名作か否かを己や他者の目で見極めるのだという。
それは余りに自信過剰に過ぎないか? などとまずそういった思考に至った。
余りある熱に浮かされたのかはわからないが、当人の製作に関する文章をすべて読んだ。
なるほど。
その人物は若干口の悪いところはあるものの、それでもなお、その熱意熱量は圧倒的に本気のそれだ。
いや。そのように感じるような、魔力のような物を秘めている。
一方で私はというと、どうだろうか。
ここに来て間もない、何の実績もない人間。
そのような者が。
偉そうにそういった活動自体を批評し、批判をできるような自信、言葉、それに対する覚悟責任などは持ち合わせているはずもなく。
ただ一つ思ったのは。
その途方もない試みはもしかすると、後進である私達の道を作る可能性がある。
そして単純に腕試しをしたいと言う、熱意のみを伴った自信への後押しとなる。
なんだ、面白いじゃないか!
そして、自分もいずれ
そういったものに対し「これを是非」と自信を持って書く事ができるようになりたい。