• 現代ドラマ

「まさか×リズム!!」について

本当に「まさか」な話ですが(笑)、おかげさまで中間を突破していました。
読んでくださったかた、レビューを書いてくださったかた、ありがとうございます。
ちょっと長くなりますが、せっかくの機会なので、
この話を書くことになった経緯などをまとめておこうと思います。
興味がありましたらおつきあいくださいませ。



最初に地元コンの要項を見たとき、出す気はまったくなかったのですが、
書けそうな題材は4つほど浮かんでいました。
職業柄、地元で頑張っている人の話は耳に入ってくるので、
そういう意味では恵まれていたかもしれません。

ですが、実際に書くとすれば、取材は絶対に必要です。
書籍になる前提ではない状態でのそれは、
あまりにもハードルが高く、だからこそ出す気がなかったのです。

ただ、5月に入っても地元コンの投稿数は伸びず、
みんな同じ悩みを抱えているんだろうなと思いました。
逆に、自分が勇気を出して取材することさえできれば、
人の目に触れやすい&より多くの人に地元のよさを知ってもらえる
チャンスじゃないか!? と考えたわけです。

そこで、どれを題材に書くか改めて思案しました。
締め切りまでそんなに時間もないので、
実際に自分が経験したことであるほうが書きやすいだろうと思い、
去年観に行った「まさかリズム」について書くことを決めました。
下北で音楽フェスをやるという、
地元民にとっても驚きの発想がいかにして生まれたのか、
非常に興味があったからです。
きっとなにかドラマがあっただろうと、勝手に期待しました(笑)。

さいわい、公式サイトがあるので、問い合わせ先はわかっています。
しかし……この段階になってもまだ、なかなか勇気が出なくて、
開催に至った経緯を教えてほしいと伝えられずにいました。

実は、いちばん問題と感じていたのは、
求められているものがドキュメンタリーではない点です。
事実をありのままに書くのなら、理解を得られやすいと思うのですが、
私が書こうとしていたのは、あくまでも事実を元にした小説なので、
小説として形になるように、あることないこと書かなければいけません。
この点を理解してもらえるのかが、最も心配なところでした。

そうして連絡をとれないままうだうだしているあいだに、
奇跡的なことが起こりました。
「まさかリズム」の公式ツイッターアカウントができたのです。
この時点ではまだ、第2回の開催は発表されていませんでしたが、
やらないのにつくるわけがないので(笑)、
おそらく内部では開催に向けて動いているのだろうと察しました。

また、ツイッターであれば問い合わせから送るよりも
私が何者であるのかがわかりやすいと思ったこともあり、
このタイミングはきっと私に勇気を出せと言っているんだ! と
思い込むことにより、へっぴり腰DMを送ることに成功しました。
これがGW中の出来事です。

先方にとって、私は未知の存在ですので、
経歴や地元愛をお伝えして、インタビューの許可をいただきました。
私が心配していた、あくまでも事実を元にした小説なので、
実際にはなかったことも書きますよ、という点は、
案外あっさりとご理解いただけたようで本当によかったです(笑)。

ただ、そもそも「まさかリズム」は住民有志が主催のイベントで、
実行委員のみなさまは日中本業に勤しんでいるわけでして、
インタビューのために集まっていただくのは申し訳ないのと、
お聞きしたいのが去年の話だったので、
じっくり思い出していただくほうがいいと考え、
こちらで知りたい内容をリストアップしてテキストで送り、
後日実行委員のみなさまから集まった回答を受け取る、
という形にしました。
ご協力いただいた実行委員のみなさま、本当にありがとうございました。

そうして、5月中にインタビュー内容をまとめていただき、
6月に入ってからいよいよ私の作業が始まりました。
とはいえ、5月中にはなにもしていなかったわけではなく(笑)、
頭のなかで構想を練っていました。

まず危惧していたのは、インタビューの内容だけでは
おそらく8万字は埋まらないだろうという点です。
長年いろんな話を書いてきたうえでの直感で、そう思いました。
舞台がとても狭い範囲であることに加えて、
開催に至るまでを8万字で丁寧に書いたとしても、
事実(ドキュメンタリー)には近づく反面、
小説として面白くはならないだろうと思ったのです。

また、開催する側の視点だけで書くと、
開催することによって地域にどんな変化があったのかは、
描き出しにくいと感じていました。

そこで考えたのが、主催側と観客側、両方の視点から見る形式です。
普通なら、観客側でなく参加側にするところなのですが、
イベントを客観的に捉えた視点が欲しかったので、
あえて観るだけの子にしました。

と、なんとなく話の構造を決めたところに、
インタビューのお返事をいただき、急ピッチでプロットを練り、
一気に書きあげたのが「まさか×リズム!!」になります。
題材が題材だけに、普段小説を読まない地元のかたも読んでくださるかも、
と思ったので、わかりやすいように一人称にして、
書かなくても想像できるような部分の描写はなるべく省き、
台詞主体で話が進みやすいように書きました。

お聞きしたエピソードはなるべく全部入れ込みつつ、
小説として書くからにはそのエピソードを入れる理由が必要なので、
整合性をとってストーリーをつくっていくのは、
パズルみたいでちょっと面白かったです(笑)。

キャラクターについては、実行委員のみなさまをモデルにし、
名前は基本的にアナグラムになっています。
(一部そうでないかたもいます)
ただ、もうひとりの主人公である未沙や弓ちゃんについては、
名前だけアナグラムでキャラクター自体は創作です。

また、作中に登場するずれやまズレ子様とメンソーレ川端様については、
ご本人に許可をいただき、実名をそのまま使用しています。
どちらも非常にインパクトのあるアーティストですので、
興味がありましたらぜひググってみてください。
快く引き受けていただき、本当にありがとうございました!



ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
2回目の「まさかリズム」は、いよいよ来月の30日に迫っています。
お近くのかたは、よかったら遊びに来てくださいね。
(あんまりいないかと思いますが……笑)
今年は忍者部さんなども出るようで、
一体どんなステージになるのか、今から楽しみです!

4件のコメント

  • 中間突破おめでとうございます。

    自分もいつかエッセイで、あのSHOCKONに行った事書きたいなと思いつつ後回しに。

    そう、ほぼ何も無い青森に遠征してくれる方々に、心の中では本当何も無くてごめんなさいと言ってますけど、「まさか×リズム!!」の様に書き起こす事もおもてなしの一つかなとはと。
  • コメントありがとうございます!
    まずは興味を持ってもらわないことには、なんにも始まりませんからね……(笑)。
    こういうイベントがあるよ~と発信していくのは、地味に大事なことかもしれませんね。
  • 中間選考突破、おめでとうございます!
    熱くて爽やかでテンポのいい青春テイスト、それに音楽がテーマで、しかも九州人の私にとって憧れの土地である東北地方が舞台、ということで『まさか×リズム!!』は私の好みに刺さった作品です。
    下北弁が生き生きとしていて、そこもまた魅力的だと思います。

    熱意に満ちた裏話をお聞かせいただき、ありがとうございます。お疲れさまでした。
    地元のイイ話執筆の舞台裏は、それ自体が地元のイイ話になるんじゃないかと。

    まさかリズム、9月30日ですか。行ってみたいです。
    盛り上がるといいですね!

    とりとめのないコメント、失礼しました。
  • コメントありがとうございます!
    また、以前にはレビューもいただきありがとうございました_(_^_)_
    拙い作ではありますが、気に入っていただけたなら嬉しく思います。
    下北弁はどうしても濁点だらけになってしまうので、
    ちょっと読みづらいのではないかと危惧していましたが、
    案外大丈夫だったようでホッとしております^^;

    そしてこんなところでなんですが、
    氷月さんもおめでとうございます!
    私はすっかり諦めモードに入っていますが(笑)、
    よい結果になるようお祈りしております。
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