隠れ港からエンタープライズのミスリル機関が起動して、「ナルディアの海戦」を予感するクライマックスの酩酊が訪れると、ミドが全速前進を叫んで、主要人物が戦闘から立ち退き、汽船に飛び乗った。
忙しい日常の合間を縫ってFF16(進行度84%)を遊んでいて、ぼくが感心するのは、物量の多さに負けないことだ。しかも、最後まで走り疲れないことである。つまり、開発の力点が失速しない所か、テキストの技術も増え続けていく点が素晴らしい。
それは徐々に、静かなブームになりつつある大阪万博とも通じ合う部分である、と考えている。ぼくも日程を調整して、一度、訪れてみる計画を胸に秘め、内々で相談中だ。
海外からは、万博跡地に問題となったリングを残すよう忠告する声も聞かれた。万博のような国家プロジェクトは、一生に一度のものだから見逃せない。ぼくも、ミャクミャク君と会いたくなってきた。
五輪を経て、つい先日、都議選で勝利を収めた都知事の笑顔の裏で、首都を襲う災害から守る体制が着々と進んでいる。6月の波乱を抜けると、万博が終幕して、10月から11月に流れる世界に、久しぶりに空前の活況が訪れる。
それはアベノミクスが世界中でスピンし始めて、五賢帝が列した頃とよく似ている。
さて、スパコン富岳について、リーダーの松岡聡さんは、著書の中で、GAFAなき日本は「試合巧者になれ」と提言をまとめている。それを紐解いて、締め括りとしたい。
前史となる「TSUBAME」を開発するなかで、結果的に、富岳のカギとなったのは、計算速度を高めると消費電力も同じくしていく現実である。だから、冷却方式を見直すことだったと述懐。水冷でも空冷でもない、第3の「温水冷却」のようなアイディアが決定打だった。
スパコンの内部は途方もない温度になるので、人間にとっては、温水に感じ取れる閾値でも水冷方式が成り立つという、一見、矛盾した考え方である。
ソフトでもハードでもない第3のコントローラーが、任天堂を中心に席巻していることと似ている。しかし、ソフトメーカーが、マルチプラットフォーム戦略を採れるのも、開発ツールに汎用性があるためだ、という現実もまた妥当であろう。
そこには、初期に開発されたグラフィックスエンジンの経営戦略上の正体が、紆余曲折と共に見え隠れするわけなのだ。