百話オーバー、40万字越えとなった本作も、なんとか完結を迎えることができました。連載中、感想や評価、登録などして応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
さて、本作は僕の実質的な処女作です。ネットに晒したのが初めてだという意味で、初めての作品です。そういう意味で、僕の尖った部分をとことん出すことができたのではないかと思っています。ダークで、冷たく、でも明るくて。そういう作品を目指していたので、目論見通りに読者様に伝っていたなら嬉しいです。
特にバッドエンドの記憶と題した話やイフルートがなぜあんな暗かったかと言うと、端的に言えば僕が死ぬほど暗い人間だからです。ネガティブな僕目線で言えば、現実とはおおよそ価値が無くて、救いが無くて、クソッタレだと思っています。その価値観の是非はともかく、少なくとも戦い、戦争という合理が最優先される場では、甘ったるい理想論は現実に打ちのめされるものではないかと考えていました。そして、それを認識して尚理想論を追い求める人間こそが真に尊いものである、とも。
贖罪、という言葉に縛られたメメは、他人の目を気にして、失敗ばかりを恐れ、過去に囚われる僕の側面を映し出したものです。まあ、フィクションにするにあたってまったくの別人物になっていますが。そんなやさぐれた彼女が、自分の原点であるまっさらなオスカーと出会って、何を感じ、どんな人物になるのか、そういうことも描きたかったものの一つです。
小説というものに自己表現という側面があるのはまあ察せられるものだと思いますが、この作品については特に自己表現という側面がありました。もちろん、読んでくれる人にどういう風に見えるか、ということも意識していましたが。この作品と並行して他の作品も書いている僕ですが、この作品が一番自己表現という側面が濃かったように感じます。そういう意味で、この作品が評価されるとなんだか自分まで評価された気になって嬉しくなる自分がいます。
さて、とりとめのない話になってしまいましたが、この辺りで自分語りは終わっておこうと思います。他の小説でも、是非お会いできたら嬉しいです。