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【すのうどろっぷ】の企画趣旨とあとがき

この作品に関しても確認して問題なかったのですが、同じく統一感を持たせたいので、近況に移させていただきます。(おまけは残しておきます)

以下、コピペ

【企画趣旨】


こちらの作品は、「同じプロットで書いてみよう!」という企画による小説です。

北流亡さんから提示された下記の設定を守り、短編を描くという条件で書かせていただきました。

(企画概要より引用)

【登場人物】

主人公:矢上 亘(やがみ わたる)
年齢:42歳
職業:喫茶店のマスター
口調:どんな相手にも敬語、物腰柔らか
性格:丁寧、敵対する相手には皮肉っぽく接する
身長:179cm
体重:88kg
血液型:B型
戦闘方法:クラヴ・マガ
髪型:短め(額の横一文字に入った傷跡を隠すために前髪は降ろしている)
経歴:孤児院育ち。17歳のときに高校を中退し海外へ。傭兵部隊に入り31歳まで戦場を転々とする。この時に銃火器の使い方やクラヴ・マガを学ぶ。その後日本に一時帰国したときにたまたま入った喫茶店でコーヒーの味に感動。3年間弟子入りし、コーヒーの淹れ方や礼節を学ぶ。その後独立。喫茶店「すのうどろっぷ」を開業し今に至る。
装備:眼鏡(銀縁の細いフレーム)
その他:傭兵時代に得た莫大な資金を元手に資産運用をしているので、喫茶店が閑古鳥でも倒産の心配が無い。

ヒロイン:北山 心春(きたやま こはる)
年齢:20歳(誕生日は4月22日)
職業:大学生、喫茶店のバイト(11ヶ月目)
口調:明るく跳ねた感じ
性格:社交的、大体の人間と簡単に仲良くなる
身長:153cm
体重:標準
乳:筆者のお好みで
血液型:B型
嗜好:コーヒーは苦手。カフェオレが好き。よく食べる。生魚が苦手。
恋愛経験:1人(高校のときに交際経験があるが、相手の浮気で終わる)
髪型:ミディアムボブ(バイト中は髪留めでサイドにまとめてる)
髪色:薄めのピンクブラウン
大学:神居大学経済学部経済学科(偏差値66)
サークル:料理研究会「Stella Kitchen」(4学年で100人超の在籍)
家族構成:父、母、兄(現在は関東で一人暮らし)
自宅:市内(実家から通っている)
経歴:市内で海鮮問屋を営んでいる両親の元に生まれる。そこそこ良い高校に行ってそこそこ良い大学に入る。中学は陸上部、高校はサッカー部(マネージャー)。

ライバル:向井 彰(むかい あきら)
年齢:44歳
職業:テロ組織「ブラック・フラッグ」の構成員(会社で例えると係長クラス)。
性格:短絡的・下品
得意武器:マンベレ(フンガムンガでも可)
経歴:各地で傭兵をしたあとテロ組織にスカウトされる。組織の目的は政権の奪取。

その他:春日井 桜子(かすがい さくらこ)
経歴:心春の同級生。後ろ姿と背丈だけ心春に似てる。美人ではない。春日井官房長官の娘。



【舞台】

・神居市(かむいし)…どこかの都道府県。人口200万人。政令指定都市。北に海がある。スープカレーが美味しい。
・すのうどろっぷ…矢上が経営する喫茶店。20席(カウンター8席、テーブル4×3=12席)。神居市北区にある。以前カフェを経営していた店の居抜き



【プロット】

1、日常
・2025年5月上旬の金曜日、19時頃、矢上の店で心春が働いてる
・客は誰もいない
・心春が客が少ないことを心配する
・心春にまかないと称してカフェオレと新作メニュー(トルコ料理)を出す
・心春が矢上の新作メニューを食べて好意的な感想を言う(料理を美味しそうに描写する)
・「もっと宣伝したらどうですか?」と言い、矢上がやんわりと断る
・心春のサークル活動(料理研究部)についての会話(今度テレビの取材を受ける話をする)
・矢上の人間離れした身体能力を示唆する描写を入れる

2、暗転
・3日後(月曜日)の20時頃。
・【心春がサークルのメンバーとテレビ番組の取材を受ける、そのメンバーの中に春日井もいる】
・【心春がテレビの取材を受けた帰り、友人と別れ1人になった瞬間を狙われ誘拐される】
・その報が矢上の元に入る(矢上の知り合いの情報屋から)
・矢上は店じまいをして現場に向かう(入店しようとする客を断る描写を入れる)

3、戦闘
・22時頃、神居市北区の廃ビルの高層階。
・誘拐犯は10人。全員が武装してる
・誘拐犯は春日井櫻子を誘拐しようとして心春を誘拐したことに気がつく
・口封じのために始末しようとすると矢上が現れ、誘拐犯の1人を気絶させる
・矢上と向井は旧知の仲。矢上が向井を逆上させる
・すっごい戦闘シーンを書く
・なんやかんやあって敵が全員気絶する
・警察に通報し、サイレンが聞こえたあたりで警察に見つからないように心春を連れて脱出する

4、エンディング
・その週の金曜日喫茶店19時頃、客は誰もいない。
・まかないでトルコ料理を出す(心春がすのうどろっぷで一番好きなメニュー)。カフェオレも出す。
・心春が先日の礼を言いつつプレゼントを渡す(プレゼントの内容は筆者の自由)。
・矢上が喜ぶ。



【あとがき】

なんとなく、この企画に参加してみての補足というか、戯言を少々。

まず僕の書く作品では、ああいうおじさん?というか中年のキャラクターというのはあまり出てこないのですごく新鮮でした。

書いててめちゃくちゃ楽しかったです。

そんな機会を与えてくださった、主催者の北流亡さんに感謝を。


日頃自分はアイディアに困ることはなく、作品を書いてる途中にまた別のアイディアが出てきて「はやく次書きたいなー。そのために今書いてるのさっさと書ききっちゃおう!」みたいなモチベでやっているので、こうやって全く別の角度の作品を書けたのは本当に楽しくて楽しくて……

短編なので、大体三時間くらいですかね。
企画の始動を知ったのが遅れたので投稿が数日後になってしまったのが悔しい笑


まぁ前置きはさておき、本編の話をしましょう。

この話、プロットとキャラクター設定を読ませていただいた時に、

「矢上という元傭兵が殺伐な世界な嫌気が差してコーヒー店で隠居生活をしている」という解釈で俺は考えました。

意外や意外、現時点で投稿されている他の作家さんたちは
「コーヒー店の店主という世を忍ぶ仮の姿で諜報部員をやっている男」
といったニュアンスの方ばかりな印象でした。

こういう所がこの企画の醍醐味ですね!

そして僕の矢上は、「足を洗ったはずの闇の世界はどうしても矢上の日常に侵食してきてしまう。そして今回は全く関係のない心春が巻き込まれてしまった」といった悲しみを持つ男です。

そんな冷たく凍ってしまった心を持つ男に、心春という暖かみがあらわれ、溶かされたという展開を今回書かせていただきました。

なので、せっかくなので喫茶店の名称が「すのうどろっぷ」なので、雪の雫(スノードロップ)というコードネームにさせていただきました。

まさに矢上の凍りついた心を示す、雪というニュアンスです。

奇しくも、心春という名称のヒロインだったので、雪の心に春がやってきて雪解ける、と綺麗にまとめられました。

伝わりましたでしょうか?笑

喫茶すのうどろっぷ=コードネーム雪の雫(スノードロップ)=物語のテーマ雪解け水(スノードロップ)=待雪草(スノードロップの様々花言葉)

と何ミーニングやねんくらい掛けました。

そして、スノードロップという音を聞いた心春が、スノードロップを一般的な解釈としての花ではなく、矢上のコードネームである「雪の雫」という風に解釈した(故意か無知かはわかりませんが)ことで、矢上という男の過去も現在も引っくるめて受け入れてくれた
という暗喩としています。

実際あれだけの暴力を見たにも関わらず、いくら助けてもらったとはいえ、心春は矢上を敬遠したりしませんでしたよね?

また、彼女のいう「この店を潰れさせない」という宣言は、一見すると資金が膨大にある矢上にとっては意味のないことのように見えますが、あれは「自分は矢上の心の拠り所になる。帰る場所、居場所になりたい」という意味を彼女なりに不器用に伝えた発言です。

そこそこ賢い大学に行っている彼女ではあれば、あんな矢上の姿をみれば、何故この喫茶店が客もいないのに長らく経営できているかというのは、理解するのも難しくないかと思います。

きっとあの後も、心春は矢上の精神の支柱となり、彼女なりにサポートなどを励むことでしょう。

特に桜子という友人に何故間違われたのか、本当に単に似ていただけなのか、もしかして桜子があえて心春に容姿を寄せていたのだとしたら?
などのストーリーが想像できてワクワクしてきますよね

勝手な裏設定としては、矢上は傭兵時代から気を落ち着かせるために読書をしていました。彼にとっては本=過去、傭兵時代の象徴です。そのぼろぼろになった彼を心春がブックカバーという形で包み込んでくれた、というのも含ませていただいてます。


他にも細かいこだわりはありますが、これだけは絶対伝わってほしい!という思いがあったので、補足させていただきました。
本文中でわからなかった方は、すみません。俺の実力不足です……笑

今このあとがきを書いてて思いましたが、サカモトデイズみたいですね笑
僕は、物語を書いている途中はるろうに剣心の緋村抜刀斎を想像していましたが
(冷静に見えて頭に血が登って容赦ない矢上を、心春が「だめー!」と静止して我にかえる、みたいなのも考えました。)



余談ですが、桜子の明確な登場やサークルの撮影シーン、拉致される瞬間などはストーリーライン的に冗長になるだけで、大きな影響を与えないなと判断してテンポのために省略しました。

プロット的に桜子が再登場したり、心春と大親友で後半の展開に影響するわけでもなかったので、あくまでも「間違えられた」という事実だけにフォーカスしました。何故間違えたか?などの詳細な理由や経緯もストーリーの面白さに直結しないと思ったために同じくカットさせてもらってます。
さっきも書きましたが、「実は桜子が心春を影武者代わりに利用した」とかあるならば必須シーンになりますが笑

矢上の穏やかな日常が、バツン!と切り替わる落差の楽しみを優先しました。

他にも、暗号が実は店の看板でやりとりしたり、入り口のノックの回数、店の前に集まる枯葉の配置など、そういったより複雑なメッセージにしてもよかったのですが、わかりやすさと短編という性質上、泣く泣く諦めました。

不自然に扉が開く、という情報屋との馴染みの合図と、あの程度の暗号で良いかなと笑
手紙とかのがよかったかな?
お客さんだと思ってた人が使い終わった紙ナプキンに伝達が……とかでも面白いですよね。緊急事態なのに、ちょっとのんびりしすぎですが笑

引退したはずの矢上のスマホになんでメッセージが?関係切ってるんじゃ?というのは、「さすがは情報屋だな」という解釈にしてます笑
矢上にしては寝耳に水だったかと思います。

いわばお節介ですね、引退した彼がどうするかは任すけど、一応教えといてやるよ、みたいな。なのでメッセージにしてます。

とまぁ、あえて事細かには説明しすぎたりせず、読者の方が想像できる様々な余白をあえて作って雰囲気を重視させていただきました。
(矢上にとってはそのメッセージは寝耳に水だった。とか書くより、心春のピンチに怒りや驚きを露わにする方が読んだ時の印象にブレがなく、感情移入しやすいと思ったので)

あと、あの日は雨が酷かったので普段人の来ない喫茶店なのに、サラリーマンがついつい雨宿りに入った、などのリアリティも大事にしてます笑
警察を呼びつけるために手榴弾を外で爆発させたりね。


アクションに関してですが、引退した元傭兵、という設定上、組織からの支給があるわけでもないので、特殊なガジェットや武器を持つことはなく、素手であるべきと捉えました。
目立たず隠居したいと考えコーヒー屋をひっそり営む矢上が、高級車やバイク、銃や戦闘ナイフを使うのも違うなと。

日頃書く物語でも、ついついアクションシーンを濃密に、事細かに描きたくなってしまう病に罹っているので、出来るだけ簡素にしてテンポを優先しているようにしていますが、今回のプロットには「すごい戦闘シーンをいっぱい」的な素敵な指示がありましたので、気持ちよく書かせていただきました笑


いやー楽しかったです。


長々駄文すみません。
読み返しなしでひたすら書きたいこと書きましたので読みづらいかと思います笑

またこういう企画があったら絶対やりたいので、知ってる方、主催してくださる方は、教えてください笑


ではでは〜

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