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第十三話-燐灰石について

内容は2023年3月31日現在構想しているものです。

●物語について
班女塚の逸話を中心に話を考えました。
元ネタは『宇治拾遺物語』巻三第十五話「長門前司女葬送時帰本処事」より。

サルスベリは漢字で書くと百日紅。この字のとおり百日くらい花が次々と咲き続けます。作中が十月後半で、だいたい七月から三か月くらいが花の時期です。

なお、お土産が栗まんじゅうだったのは作中が栗名月の時期だからです。始めは何となくそうなった椿の甘いもの好きですが、なるべく季節に合ったものを出そうと考えて書いています。

空木には、槐がとある石をお守りとして渡しています。この石はまだ作中で名前を出していません。

●燐灰石について
燐灰石のイメージは墓守。過去に存在した者たちの思いを聞くことができます。これ自体は霊媒っぽい感じです。一方的に聞いているだけで、双方で交流できているわけではありません。
普段はあまり外界に関わらず静かにしています。感性が独特なのか、妙な例えを出します。ただし、思考はわりと論理的です。

●鉱物解説
燐灰石 りんかいせき
Apatite アパタイト
リン酸塩鉱物
六方晶系
モース硬度 5
劈開 なし
条痕 白

カルシウムの燐酸塩鉱物のグループに対する名称。化学組成の違いによっていくつかの種類があり、単に燐灰石といった場合は弗素燐灰石(フルオアパタイト)を指すことが多い。
主に透明、あるいは半透明な六角柱状の結晶で、本来は無色だが、一部が別の元素と置き換わることにより、黄、緑、青、紫、ピンク、褐色、灰色と多彩な色を持つ。火成岩や変成岩の副成分として産出するほか、ペグマタイト、スカルン、熱水脈中で結晶を成す。
英語名のアパタイトはギリシャ語で「ごまかす/騙す」などを意味する「apate」から。これは他の鉱物と見た目が似ていることがあり、取り違えられることが多いため。
黄緑のアパタイトは「アスパラガスストーン」、緑は「モロキサイト」の宝石名がある。ただし硬度が低いため、宝飾品には適さない。
水酸燐灰石(ハイドロキシルアパタイト)の微細結晶は哺乳動物の骨や歯の硬組織を形成する。そのため、人工骨や人工歯の素材として使われている。
モース硬度5の標準鉱物。

以上、思いつくままに書かせていただきました。
少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。

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