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【1億PV突破&3巻発売記念】『ヘーゼンがズバッと解決!! イライラ上司討伐SS』

こんにちは! 花音小坂です!
明日より3月19日から帝国将官3巻がファンタジア文庫から発売されます! ぜひぜひご購入下さい!

いやぁ、3巻てのはいくつあっても足りないですからねぇ

【特典情報】
メロンブックス様 書き下ろしSS付きです!
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これを記念して「ヘーゼンがズバッと解決!! イライラ上司&職場エピソード大募集特別企画」を開催しました!

「メロ」さんからいただいたエピソードを元にしたSSです。 どうぞお楽しみください!


タイトル【失礼】

「でさぁ……そいつがまた無能でさぁ」
「ははっ……」

 終業のベルが鳴り、定時を過ぎて2時間。中級内政官のヨシィ=オウカが下級内政官たちに一方的な雑談をかましていた。

 ヨシィ中級内政官以外は、仕事が立て込んでいるので、早く仕事をして帰りたいのだが、上官から話を振られたら我慢して応じざるを得ない状況だ。

 この中年は、ゴリッゴリの名門上級貴族のコネ将官だ。性格は最悪。話も面白くはないしセクハラ発言も気持ち悪く不快なので、全員が苦笑いの愛想笑いだ。

 そんな中。

「おい! ちょっと来い!」
「は、はい!」

 しまった、と下級内政官のランクは心の中でため息をつく。今日は用事があったので、なるべく話に参加せずに仕事をしていたが、どうやらそれが気に入らなかったらしい。

 ヨシィ中級内政官は、不機嫌そうに机をトントンと叩き、厳しい口調で話しかけてくる。

「お前さぁ、何か言ってないことあるだろ?」
「ええっと……いえ、特にありませんけど」
「ああ? お前、じゃ今日は仕事やってないってことか? 『報告することがない』ってことはそういうことだろう?」
「……」

 また、始まったかとランクはため息をつく。何を言っても、嫌味や文句、揚げ足取りしか言わないので、そもそも、話しかけるのも嫌だ。それでいて『報告・連絡・相談は仕事の基本だ』とか言ってくるのだから最悪だ。

「えっと……その……」

 ランクは、なんとか『問題にはならないが微妙に困っていること』を絞り出す。本当に困っていることなんて言えば、それこそ喚き散らされて、『それは、こうあるべきだ』と高尚な現実性ゼロ提案をされるだけだ。

「あの……今、備品の注文業務が立て込んでまして」
「それで?」
「少しリストが煩雑になっているので、そこは整理して業務の効率化を図ろうと思ってます」
「それで?」
「……っ」

 それ以上は何もない。と言うか、話を早く切り上げたいのに。そんな風に思いながら、ランクが黙って下を向いていると、ヨシィは嬉しそうに立ち上がって、耳元で何度も何度もつぶやく。

「それでぇ? ねえ、それでぇ? それでどうしたのぇ? 君はどうしたのぉ? どうしていきたいのぉ? ねえ、それでぇ? それでぇ? それでぇ?」
「……っ」

 ああ、もうこれは3時間コースだな……今夜の予定はキャンセルだと、ランクは心の中で肩を落とす。

 そんな中、ヘーゼン下級内政官が執務室に入ってきた。先日、降格人事を言い渡され、この部署に飛ばされてきた男だ。配属されてから、非常に素早く動き回って鬼神のように仕事をこなしていく。

 そんな黒髪の青年は、部屋に入るや否や、周囲の視線を気にせずに席へと座り、業務を始める。

 すると。

「おい、ヘーゼン下級内政官!」

 ヨシィ中級内政官が、まるで生贄を見つけたかのように瞳を輝かせる。

「はい」
「お前は!? 何か私に報告はないか?」
「ありません」
「はぁ、お前もか。最近の若いヤツは、本当にダメだな。それは、『仕事を何もやってない』と言うことでいいんだな!?」
「いえ、『ヨシィ中級内政官に言っても何も解決できません』と言うことです」
「……」
「……」

           ・・・

 !?

 何言っちゃってんのーーーーーーーー!?

「き、きききき貴様ぁ!? ど、ど、どういうつもりだ! 上官に向かってそんな失礼な口の利き方が許されるとでも思ってるのか!?」

 中年上官は、顔をタコのように真っ赤にしながら喚き散らす。

 だが。

「事実は失礼ではありません」
「……っ」

 キッパリと失礼。

「お、お前……マジぃ!? マジで上官の私にそんな口利いてんのぉ!? マジぃ!?」
「ヨシィ中級内政官こそ、わからないですかね? あなたと話すだけ、時間の無駄なんですよ?」
「……っ」

 マジだ。

 再び、ニッコリと、キッパリと、スッパリとヘーゼンは断言する。

「なっ……ななななに言ってんのお前マジィでえええええええええええええ!?」
「ふぅ……あなたの小さな小さな脳みそでは、わかっていただけないようなので、もう一度、ハッキリと言いますね。意味がないんですよ、あなたに言っても」
「はっ……うっ……こっ……もっ……らすうううううううううううっ!?」

 もう一度、ハッキリと言った。

 と言うか、ハッキリ言いすぎて、執務室にいる帝国将官全員の視線は、もう釘付けだった。

 追い討ちで。

「数時間ほどここにいて、同僚が報告、連絡、相談させられているところを見ましたが、そもそも、あなたが何が言いたいのかまったくわからない」
「……っ」
「上官に話を上げる訳でもない。ただ、不快な言葉を並び立て追い詰めて、自分の知識不足を棚にあげて考えることもせず、『それでそれで』と連呼してるだけじゃないですか」
「……っっ」
「上官が意義深い指導ができなければ、時間の無駄以外の何物でもないのですし、そもそも、あなたはこの執務室のみんなから毛虫よりも嫌われてますから、今後、私たち部下を呼び出すのもやめて頂きたいです」
「う……そっ……だ……う……ん……こいっ……」

 あまりの暴言に、ヨシィ中級内政官は脳内が追いつかずに、わけのわからない言葉をつぶやく。

「あの、失礼かもしれませんけど、これは建設的な提案です。仕事は自分たちでやるので、あなたは端っこで体育座りして終日息を細めていてもらえませんか?」
「……っ」
「私たちはあなたが嫌いで、話したくない。一方で、あなたも、評価が下がることはない。ウィンウィンだと思いますけど」
「……っ」

 失礼ウィンウィン。

「おまっ……おまっ……おまっ……」
「失礼ですけど、もう少し自覚した方がいいですよ。あなたは、自分が気持ちよくなりたいだけのイ○れオ○ニー野郎なんです」
「……っっ」

 追い失礼過ぎる。

「失礼ながら、あなたは興奮を抑えきれない性質のクズなので、どうしようもなくなったらトイレで一人で性欲が尽きるまで、必死に自○行為に勤しんでいればどうですか?」
「はっ……ん……ま……じっ」

 失礼過ぎる提案。

「あっ、トイレを使用する人がいたらどいてくださいよ。そのくらいの我慢はしてください、働かないんですから……あっ、座席を譲る時は、『失礼します』って言ってくださいね」
「うっ……うぽっ……」

 失礼限界突破。

「貴様ああああああああああああっ!」

 涙顔で、猛烈な形相でぶん殴りかかるヨシィ中級内政官だが、ヘーゼンはそれをかわして、ぶん殴る。

「んぎゃあいああああああああああっ!?」
「失礼します」

 グギゴキッ。

 首をギューンの変な方向に曲げたヘーゼンは、人形のように動がなくなったヨシィ中級内政官を担いで歩き出す。

「あ、あの……どこへ?」
「ああ、だいぶストレスが溜まって、お疲れの様子だったから、医務室に連れて行く」
「……っ」
「言ってなかったが、僕は魔医の資格も持っている。この人の身体も……腐った性根もある程度は治せると思う」
「……っっ」




























「では、失礼します」











11件のコメント

  • はて...失礼しますとは一体?w
  • メールでもSSを読ませていただきましたよ。最高ーーw
  • SSありがとうございます😭スッキリスカッとです!3巻予約しました楽しみです😊
  • 久々にへーゼンの毒舌を摂取できました!本当に感謝です!☺️
  • 毎日更新の上にSSだと…?
  • いやぁ、いいはなしだな~。
  • 両方ともすごいオチでした。
  • 首はもう死んでるだろwwwww
  • 王大人「ヨシィ=オウカ、死亡確認」
  • 100踏み!
  • 最新話の「君如きの魔法使いがかけた『結果』の解析など」←『』は「結界」が正しいでしょう。
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