• 異世界ファンタジー

「チュートリアルが始まる前に」の口絵公開(にかこつけた“黄金の白”への賛美)




※注意事項

 こちらは、口絵紹介にかこつけてひたすら暖房器具がカカオ・ランタン先生の描くキャラクターの魅力を語るだけのコーナーです。
 「暖房器具の御託なんてどうでも良いんだよ! さっさとカカオ先生の神イラスト見せろや!」とお思いの方は、お手数ですが、そのままするするとこの記事の下画面までスクロールするか、作者のツイッターページの方へとお飛びください。
 また本記事は基本的に、邪神ことヒミングレーヴァ・アルビオンの素晴らしさについて語るコーナーとなっております。遥さんの方はどうなんだよ、とお思いの方は明日の「カバーイラスト公開記事」をお待ちくださいませ。
 それでは早速行ってみましょう!



①黄金の白


 仮に私が世界一であると誇れるものがあるとするならば、それは専ら「チュートリアルが始まる前に~」という作品についての知識でしょう。
 さもありなんというやつです。だって拙作は私が考えて私が作っているわけなのですから、そりゃあ詳しいのは当たり前で、理解しているのは当然で、私の頭の中の世界こそが「チュートリアルが始まる前に~」だと言っても過言ではありませんでした。
 それは無論、キャラクター造形という観点から言ってもそうでした。私は私の中で思い描いていたキャラクターを動かしながら、世界を作り、物語を紡ぎ、毎回ヒーコラ言いながらカクヨム様の方に作品をアップしていたわけです。

 しかしながら、最早私が「チュートリアルが始まる前に~」のキャラクターについて世界一理解していると豪語する事はありません。
 少なくともヒミングレーヴァ・アルビオンというキャラクターについては間違いなくカカオ先生の方が深く理解しておられます。

 その最たる証左こそが彼女の髪の色でございます。
 白髪のショートヘア。それこそが彼女の外見を表す記号でございました。
 「髪の短い白髪キャラ」――――そのようなお題を出された時、皆さんであればどのようなキャラクターを想像するでしょうか?
 「いや、そりゃあ髪の短い白髪のキャラを想像するよ」とお思いの方が多いとは思われますが、そこでもう一歩踏み込んでみてください。


 ――――果たしてその白髪キャラの「サブカラー」は何色でしょうか?
 サブカラーとは、主体となる色に混じった補助的な色の事を差します。

 それは淡い紫色だったり、銀色だったり、青色だったり、はたまたほんのり緑色だったり、あるいは混じり気のない乳白色かもしれません。


 私の中のアル像も、上記に記したいずれかの「サブカラー」を纏っておりました。


 あるお方がテレビで「白色というものは二百色以上あります」と仰っておりましたが、創作物の白髪表現は割とカテゴライズ化されております。ましてや私のような半端な暖房器具の想像力なんてたかが知れている為、どこかで「白髪キャラといえばこういうサブカラーでしょ」という固定観念が生まれておりました。


 それを完膚なきまでに叩き潰してくれたのが、カカオ先生の描いた「ヒミングレーヴァ・アルビオン」だったのです。

 黄金の白。それはまさに黄金の白と呼ぶしかない代物でした。黄系統の色は、ともすれば金髪と誤認されかねない非常に扱いの難しい色でございます。それを見事に調整し、白色のサブカラーとしてまとめあげた――――それだけでも驚嘆すべき事なのですが、これだけじゃないんですよ。


 ヒミングレーヴァ・アルビオン。その意味するところは北欧神話の九つの波の乙女が長女ヒミングレーヴァからなぞらえた「天上に輝く者」という響きと、白を表すアルビオンの合わせ名でございます。

 つまりは「天上に輝く白」、ただの白じゃないんです。「天上に輝く白」なんです。

 そしてアルは設定上、とてつもなく偉い神様でございます。
 そう考えると、天上に輝く白の名を冠する超神のサブカラーが黄金色であることは必然であり、カカオ先生の描いた「黄金の白」こそが彼女を表す最も適した表現である事は疑う余地もありません。


 原作者である私ですらも軽視していた「天上に輝く白」という彼女の定義を、カカオ先生だけが気づき、理解し、そして完璧な説得力で描き切ったのです。


 仮に、私に「自分の想像通りのイラストを出力する能力」があったとしてもこうはなりませんでした。

 
 「黄金の白」とは、カカオ・ランタン先生という偉大な天才の「理解力」と「説得力」があって初めて為し得た奇跡なのです。




②カカオランタンヘア


 無論、卓越しているのは髪色だけではございません。
 彼女の髪。ショートカットの中に垂らされた一房の長髪。
 サイドテールともショートヘアとも違う、そしてファンタジーでしか為しえないヘアスタイル。
 カカオ先生の担当作「戦闘員、派遣します」に出て来るロゼちゃんにも通じるところのあるこの(私の知る限りではほぼ無二の)ヘアスタイルは、ショートヘアによる中性的な魅力に絶妙な少女らしさを加える事の出来る傑作でございます。

 私はこれを勝手にカカオランタンヘアと呼称しているのですが、このヘアスタイルの素晴らしいところは拡張性にあるんですよね。

 ロゼちゃんとアルを比較して頂ければ分かると思うのですが、伸ばす房の位置を変えるだけで劇的に印象が変わるんです。


 黄金の白×カカオランタンヘア


 この二つから織りなされたカカオ先生にしか描けない究極の合わせ技は、私のつたない価値観をアップデートするには十分すぎる程の破壊力だったわけでございます。



③その他の多種多様な魅力と口絵のアルについて


 まだだ、まだ終わらんよ。カカオ先生の描くアルの魅力はこんなものではないのだよ(注意事項にも書きましたが、遥さんや凶一郎については別日にやらせて頂きますのであしからず)、

 下部にスクロールして口絵イラストをご確認ください。

 その瞳は、ヒミングレーヴァ・アルビオンのなにふさわしき白銀色で(カカオ先生にしては珍しく黒目がないんです)、物を食べる仕草が非常に可愛らしく(指を、指を見て下され! 暖房器具はこれで新た扉を開きかけました。非常に蠱惑的かつ綺麗なピンク色の爪が最高なのです)、そして彼女の周囲には“黄金の白”に包まれた粒子が舞っております。

 そう、そうなんですよ! “眷族神”に連なる方々が粒子を撒くのなら、本体であるアルが粒子出さないでどうするよって話なんです(暖房器具は、そこを指示していなかったどころか、本編で描写すらしておりませんでした。私はエアプです)!

 カカオ先生の得意テーマの一つとして美少女と食べ物という組み合わせが挙げられるのですが、その魅力を余すところなく描いて下さった上に、原作者を上回る理解力と表現力で書いて下さったこと――――分かりますか、皆さん? 世界に私よりも私のキャラクターの事を理解して下さった方がいるんですよ?


 この「この上なく幸福な敗北感」については明日のカバーイラストという名の遥さんコーナーで話させて頂きますが、これが、この瞬間こそが私が最も小説を書いていて良かったなと思った瞬間でした。
 (ちなみにネタバレになりますが、この「この上なく幸福な敗北感」は、とあるシーンの挿絵で暖房器具を泣かせました。悔し涙ではありません。本当に幸福な気持ちで負けたと思い泣いたのです)


 そんなカカオ先生の描いた素晴らしいイラストが盛りだくさんの「チュートリアルが始まる前に ボスキャラ達を破滅させない為に俺ができる幾つかの事」は、今週金曜日12月16日に発売です。


 皆様、是非是非手にとってくださいませ!













2件のコメント

  • ブックウォーカー版が日付変わってすぐ読めるなら、それが最初になりますが、待ち遠しいです!!!
    アニメイト版、メロンブックス版も金曜早く届いて欲しいです!!!
  • 嬉しい!ありがとうございます!本当にありがとうございます!
    (。ノuωu)ノ
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