◆注意事項
このノートには、拙作『チュートリアルが始まる前に』第七十六話“常闇の邪龍と烏合の王冠4”までの致命的なネタバレを含む内容が記載されております。
まだお読みでない方は、必ずそこまでの内容を読破した上で、またここに遊びに来て下さい。
◆まえがき
昨年末に『第三章では、近況ノートも公開しておきます』とほざいておきながら、何や何やという内に気がつけば二月の顔が見え始めた今日この頃、ようやっと重い腰を上げた暖房器具でございますが、しかし、いざ書こうと思ってもネタがなければどうしようもない。
適当に近況報告でもしようかしら? 暖房器具がいつもどんなコンテンツに触れていて、どんな風に興奮しているのかを延々と書く、みたいな? ――――いやいや、そんな日記帳がコンテンツとして成り立つのは一部の神作家くらいのもんでしょうよ、二か月前に初投稿したばかりの新参暖房器具がやっていい芸当じゃねぇ。そういうのはあとがきにちょろっと書いとくくらいが丁度良いんですよ。
えっ? じゃあ何書くの? 書くもんなくない? ……とまぁ、そんな感じで途方に暮れていた暖房器具めの頭上にコメント付きのお星様が降り注ぎました。
『特にメインヒロインが魅力的です!』
あらー、嬉しい。
でもメインヒロインって誰かしら?
チビちゃんかな? 姉さんかな? それとももしや邪神かな?
というわけで、今回は読者様の多数がヒロインとしてみている(と、勝手に暖房器具が思いこんでいる)キャラクター、蒼乃遥さんについて語っていきたいと思います。
ほぼ書きなぐりに近いので、文章のアラは大目に見てね☆
◆そもそも、蒼乃遥というキャラは元のプロットには存在しなかった?
はい。そうです。というか、初期プロットには遥さんはおろか、ユピテルも、厳密にいえば黒騎士もいませんでした。
えっ? 何ソレ全然話変わって来るじゃんと思われるかもしれませんが、そうです、全然話が違ったんです。
元々の予定では、プロローグから第三章までの内容が十万字程度で終わる予定だったんですよ。
そもそも最初はボスキャラどうこうっていうコンセプトすらなくて、たまたま人間の相棒ポジションのキャラが『ダンマギ』四作目のボスキャラで~くらいの味付けでした。
で、後は黒騎士っぽい用心棒キャラをなんとか懐柔して三人パーティーでアジ・ダハーカ戦に臨んで…………みたいな感じのが元々のプロットだったと思います。
そこから何回かの推敲とアップデートを経て、とりあえずパーティーメンバーにもうちょっと花を持たせよう、どうせなら剣士キャラがいいなという事で生まれたのが、そう皆さんご存知の蒼乃……彼方さんですっ!
はいっ、そうです。本作ね、途中までの構想では、ちゃんと題名通り悪役転生してゲームのヒロインと仲良くなって成り上がっていくというこの手のカテゴリーのお約束を守っていたんですよ。
今となってはちゃんちゃらおかしな話ですが、結構初期段階からバンバカとダンマギのヒロイン達が登場して、キャッキャウフフのギャルゲーパラダイス―――そういうのを夢見てせっせこ書いてきたのですが、六話を書いている時に「おや?」と思ってしまったといいますか、気づいてしまったといいますか
ギャルゲーのプレイヤーがゲーム世界にやって来たとして、主人公の居場所を奪うような真似をするのかと。
いえ、別にそういうジャンルの作品を否定しているわけじゃないんですよ。
悪役とか友人キャラとかモブキャラに転生したゲームプレイヤーが、ヒロインキャラと仲良くなる作品なんて五万とありますし、その中でも名作と呼ぶに相応しいクオリティの作品もいっぱいあります。
でもね、そういうのはやっぱり覚悟と言いますか、書いている作者様達はちゃんと分かった上で上手に、そしてキチンと(あるいはあえて無視して)書かれているんですよ。
エンターテイメントとして成立させる為の確固たる方程式をちゃんと持っていて、その為に心の中で血の涙を流しながら美しい物語を書き上げる覚悟の化身達。
けれど残念ながら、この作品を書き始めたばかりの暖房器具と、そして凶一郎にはその覚悟が足りなかった。
六話で凶一郎が言っていたようにギャルゲープレイヤーというものは(すいません、主語が大きくなりました。少なくとも暖房器具はそう思っております程度のニュアンスでお取り下さい)、別に主人公になりたいわけじゃないんですよ。
そりゃあ感情移入はしますし、憧れとか妄想も抱きますし、時には完全にシンクロする時もあります。
けどね、ヒロインと結ばれるのは自分じゃなくて、その作品の主人公であるという事をちゃんと分かっているし、“彼”だからこそ“彼女達”を幸せに出来たんだと分かっているんです。
あぁ、名前選べる系の一人称作品はまたちょっと別ですよ。今ここで想定しているのはあくまでビジュアルノベル系の、まぁつまり主人公の名前とキャラクターがちゃんとあるギャルゲーの話です。
……何の話だっけ? あぁ、そう覚悟の話でしたね覚悟。
そう、六話で凶一郎が言った通り我々が見たいのは、自分達が推しと結ばれる展開じゃなくて、主人公と推しが結ばれるお話なわけですよ。
そこをなあなあにと言いますか、暖房器具自身が答えを見いだせないままゲームのヒロインキャラとのイチャイチャを描写するのはなんか違うなと思ってしまったわけで、まぁ要するにチキン野郎だったわけです、ハイ。
じゃあ、そもそもギャルゲーから離れろというご指摘はご最もだと思うのですが、そこを抜くと暖房器具の魂の部分が抜けてしまうので、もうね、仕方なかったの(でも、近い内にちょっとだけタイトルは変えるかもしれません。タイトルでギャルゲー推さなくても、この作品の作りと言いますか、根っこの部分はギャルゲー愛に満ちていると最近ようやく自負できるようになってきたので)
だからそのまま『かなたん』を相棒ポジションに置くわけにはいかず、そこから更に幾度かの調整とアップデートを重ねて出来あがったのが、皆さんが良く知る遥さんの原形というわけです。
◆蒼乃遥というキャラクターのコンセプト
色々あります。
まぁ、まずはやっぱり『ヒロインの姉』というポジションでしょうか。優等生ヒロインのコンプレックス対象と言いますか、天才肌で、やたらめったら強かったり賢かったりして、とにかくヒロインから複雑な感情を持たれちゃう系のそういう奴です。
原作軸だと遥さんはお亡くなりになっているので、かなたんは一生、姉を越えることができなくなり、コンプレックスと家族愛の狭間で揺れ動きながら、最終的に一つの答えを見つけますが、本作の時間軸だとお姉ちゃんが元気モリモリな上に、バンバン活躍していますからね。
一部の読者様が危惧していた通り、この違いは良くも悪くもかなたんに色々な影響を及ぼしていると思われます。
後は『明るいけど物語の中で死んでしまうヒロイン』というのも欠かせません。
なんかほら、あるじゃないですか。
すっごく元気で可愛くて、だけど実は既に死んでたり、死んじゃったりする系のそういうタイプ。
で、そういう子が言うわけです。“あぁ、もっとみんなと一緒にいたかったなぁ”って。
もうこのパターンが来ると暖房器具は三日間ほど寝込みます。
子供の時のワクワクを抱えたまま、けれどこの世とさよならしなくちゃならなくて、あぁ、でももっと君と――――みたいなのに兎に角弱いんですよ。
しこたま泣いた後ラーメン食って焼きにく食って、それでまたしこたま泣きます。
まぁ、兎に角ね、そういうキャラクター達のIFといいますか、子供の頃から抱いていたキラキラを今でも忘れずに持っている子が、ちゃんと冒険して恋をして、そうして大人になっていく様を描きたかったんですよ、ハイ。
……その割に未来遥さん大変な事になってるじゃないかって? まぁ、それはそれという事で。
後は『強さ』とか『覚醒』とか『太陽』とか『恋する乙女』とか色々挙げるとキリがないですが、まぁ、ちゃんとヒロインなんだと思いますよ。
何せ対抗馬が全くいませんからね、ぶっちぎりの独走状態というわけです。
少なくとも、今のところはそうです。
◆未来遥さんについて
これねー、結構気になっている方がいらっしゃるようなので、今明かせる範囲で色々と書いていこうかと思います。
まず、未来遥さんは、誰か別の人とくっついたのではないかという疑問に関しては、暖房器具の口からノーと言わせて頂きます。
というのも、作品内で邪神が仰っている通り、多くのアルテマは非活動状態にあるわけですよ。
だからそもそも契約者が存在しなくって、覚醒領域を通じてワンチャン眷族神作れる的な奴らが大半なんです。
活動中のアルテマもダンジョンの神を始めてして基本的には、自身の領域に引きこもってまして大体そいつらは、『眷族神を増やすという』戦略とは別の形の必勝プランみたいなのをコツコツ積み上げていたりしております。
そりゃあ、あれば便利だろうけど、そっちよりも優先するタスクがあるわーみたいな感じなんですね。
六番目とかアルみたいな選択肢を取る輩は稀ってわけです。
で、六番目の属性と遥さんはあんまり相性良くないので、結果として未来遥さんはあてもなく主を探す放浪眷族神みたいな状態になってしまうわけです。
まぁ、でも最終的に未来遥さんはなんやかんやあった末に、好きだった男の胸の中で満足して逝くんだと思います。
多分、今際の際の台詞は「ずっと、君が好きだった」でしょうね。
それで凶一郎は死ぬほど泣きますし、暖房器具は気絶してしばらく更新が途絶えちゃうんだと思います。
当初の予定では、最後に未来アルが未来遥の伝言を伝える予定だったんです。
なりふり構うなって。
ポイントオブノーリターン後編の “あたしはもう、なりふり構わない”っていうのは、これ未来遥さんの後悔の念も含まれているんですよね。
まぁ、邪神お前どんな気持ちでその台詞吐いとんねんと途中で気づいたので軌道修正しましたが、でも、そういう未来遥さんの後悔みたいなものはちゃんと、現代遥さんに引き継がれていると思いますよ。
遥さんがいの一番に『あの女』の事を思いだせたのも、多分、それが現代由来のものじゃなくて、未来の自分が届けてくれたのだと思うと、ちょっとだけ胸熱じゃないですか?
えっ、重い? 遥さんは今も未来も基本的に重い女だよ。
◆凶一郎の選択は、契約者と眷族神が惹き合う性質によるものかどうか
答えはノーです。
そんなすぐに好き好きらぶらぶぴっぴになれる程、劇的ではありません。
最初は好感度ボーナスが少しプラスされるくらいの変化に過ぎません。
だから彼らの選択は、彼ら自身が見出した彼らだけのものです。
まぁ、ゴリラの場合、自分自身が気づいてないだけであいつも大概遥さんに惹かれてましたからね。
結ばれるべくして結ばれた二人と言えましょう。
邪神も言ってた通り、どちらかがちょっとでも勇気を出していたら未来はこうなっていたんです。
その一歩を勝ち取る為にあれやこれやと裏で奔走していたのが、三章の邪神というわけですね。まぁ、そもそも自分の撒いた種を自分で回収しているだけなので、同情はしませんが。
ちなみに邪神が働いたのは、遥さんへのアピールの為です。
自分はこんなに頑張ったんですよとアピールする事で、遥さんの情に訴えかけたというわけですね。
邪神マジ邪神。
◆桜色の髪の女について
現時点で語れる事は、そう多くはありません。
ただ、遥さんが『そもそも二人が出会う前に、先にこちらが既成事実を作ってしまう』という最速最強の妨害牽制防衛措置を講じてしまったので、色々と彼女も……というか、邪神もやりにくくはなったと思います。
で、そもそもその女誰よという問題に関しては――――誰なんでしょうね。
暖房器具もうろ覚えなもので恐縮ですが、もしかしたら既に作品内の中で言及されているキャラかもしれませんし、あるいは未だ影も形もないキャラなのかもしれません。
しかし、いずれどこかのタイミングで必ず我々の前に“彼女”はやって来るでしょう。
その時は、どうか暖かい目で見守って(いえ、厳しい目でも全然構いません)やって下さい。
どこぞの恒星系が宇宙最強ム―ブをかましたせいで、出てくる前からハードル爆上がり(というか約束された無理ゲー)な彼女ですが、暖房器具も色々と覚悟をもって書かせて頂きますので、どうかよしなに。
◆おわりに
まぁ、そういうわけで結局益体のない事をべらべらと語っていったわけですが、近況ノートの使い方ってこれでいいよね……ね?
というわけで、今後もこういうスタンスで一カ月に一度くらいを目安に頑張って書いていこうと思います。
最後にいつも応援して下さっている皆様、本当にありがとうございます。
やっぱりね、作り手としては反応してもらえるのが一番嬉しいんですよ。
ウェブ小説の醍醐味って言うのかな、決して楽ではない作業をこうして毎日続けていられるのはやっぱり読んでくれる人がいるからなんです。
だから本当にありがとうございます。
そして、ここまでノートを読んで下さった皆様方にも当然感謝。
これからも頑張っていきたいと思いますので、皆様もどうか末長くお付き合いください。
ではでは。