カクヨムのイベント【KAC2020】、読み手の方も書き手の方もおつかれさまでした。私は今回初めてこのイベントに参加しましたが、周囲の方のお力添えもあり、無事に完走することができました。ありあとうございます。
時には悩み、煮詰まり、もがき、研究し、あげく人に相談し、苦労して生み出した作品もあります。
その結果、いくつか自分でも「これは!」と思うような作品が産まれ、応援コメントやレビューまでいただきました。応援してくださった方、作品に興味を持ってくださった方には感謝が尽きません。ありがとうございます。
今回のイベントは、これからの自分をさらに高めていくうえで大切なきっかけになったと思います。
どれも短い話ばかりですので、私の作風を知るには手っ取り早いと思います。
気になった作品があれば、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
・いずれも短編、完結済み。
・タイトル、キャッチコピー、作品紹介文を載せています。
※一部の作品のタイトルやキャッチコピーを修正しています。
※一部の作品はリライトを検討しています。
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●KAC20201 『神様の目印』
お題:四年に一度
ジャンル:日常&ファンタジー、学生&神様
・学校の裏山の小さな祠には 四年に一度だけ願いごとを叶えてくれる神様がいる。
・一人で裏山に向かった私は、ある青年と出会った。
http://kakuyomu.jp/works/1177354054894485906読んでくださった方々からは「甘い!」という評判をいただきました。
ありがとうございます。
本来、私はKAC2020に参加しない予定でした。
しかし急に思い立ち、締切の一時間前から書き始めました。
「四年に一度」のお題で「〇年蝉」とか「四年に一度だけ咲く花」なども考えたのですが、他の人と被らないネタといえば神事かなと思い、神様の話を書くことに。
最初は「四年に一度のお祭りで主人公にしか見えない神様と出会う」という話を書き始めたのですが、思ったよりもストーリーが壮大になり過ぎて、時間と文字数が足りなそうだったので没に。
いくつかの設定を流用して、そこへ「四年に一度だけ願いを叶えてくれる」という、いかにも横着な神様の設定を思いついて付け加えました。
この時点で、残すところあと25分。
普段は何度も推敲を重ねて肉付けをしていくという手法を取っているのですが、今回に限りいきなり完成稿に近い文章で書くという荒業をやりました。
締切時間ちょうどに作品が完成。このときは「やればできる!」と思いました。
しかし、ここからが苦難の道の始まりでした。
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●KAC20202 『今日はあんたが主役!』
お題:最高のお祭り
ジャンル:ドタバタ学園もの、巻き込まれ系主人公
・まあッ。星野くんったら、いきなり手を握るなんて!大胆なんだからッ☆
・逃げ込んだ視聴覚室で見たものは――過去の自分の姿!?
http://kakuyomu.jp/works/1177354054894524359お題がお題だけに、パーッと楽しめる話がいいなと思いました。
過去に思いついて保管していた設定が今回のお題にぴったりだと思い、引っ張り出してアレンジしました。
アレンジ前はもっとハチャメチャで、校舎の中を戦車が走り回るという設定でした。
SF研究部という設定に変更したのは我ながら成功だったのでは? と思っています。どうやって校舎の中に戦車を入れるつもりだったのか……。
誕生日祝いというのは元々の設定でもあるのですが、KAC20201で誕生日について書かれている方がちらほらいたので、そちらと被ってしまうのがやや気になるところ。
次のお題で思いっきり自分の世界全開な話になってしまっているのは、そこから脱却しようとしている表れなのかもしれません。
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●KAC20203 『今日も僕は祈るように絵を描く』
お題:Uターン
ジャンル:シリアス、離縁、やや鬱、救いがない
・君との約束を果たすため、今日も世界を閉じ込める。
・君が好きだと言ってくれた僕の絵で、君を傷付けてしまった。
だから僕は、まじないをかけたキャンバスに今日も絵を描く。
どうか君の目に留まりますようにと切望しながら。
http://kakuyomu.jp/works/1177354054894576412「Uターン」というお題について考えた結果、「復縁」の象徴として書くことにしました。
ところが、世界観とキーワードの相性が悪く、言葉が浮いてしまい、作品になじませるのに苦労しました。
主人公が描いている風景は、フランスのジヴェルニーという村がモデルです。モネの作品に描かれていることで有名です。
最初はエピソードタイトルに「君のためのジヴェルニー」と入れていたのですが、さすがに気恥ずかしくなってやめました。
しかし、そこを変更してしまったせいで「この絵は多くの目に触れるものだが、本当はただ一人のために描かれたものだ」というメッセージ性が失われてしまいました。
そのため、最後に一行足してみました。いかがでしょうか。
油絵の具の色の名称は独特なので、できればそれも作中に取り入れたかったのですが、思っているより色数が多くて戸惑ってしまいました。また機会があったら次回はぜひ挑戦してみたい課題です。
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●KAC20204 『消えた月』
お題:拡散する種
ジャンル:ファンタジー、義賊
・スリの少年と手品師の物語
・手品ショーで観客から高価なネックレスを拝借した手品師は、ステージから忽然と姿を消し、そのまま二度と戻らなかった。
その一部始終を見ていたスリの少年は……。
http://kakuyomu.jp/works/1177354054894618193お題「拡散する種」を見たときに最初に思いついたのはTwitterでした。
ひとつの情報が、瞬く間に拡散されていく様を思い浮かべました。
もしくは、カタバミやインパチェンスなどの種がはじける植物。あるいはオナモミなどのいわゆる「ひっつき虫」。
なかにはタンポポの綿毛や子種を連想されている方もいて、なるほどなあと思いました。
あまり被らなそうだと思ったのが「手品の種」でした。
真面目に手品を描写するとなるとそれなりに手間もかかるので、二日ごとに次々とお題が出されるKAC2020で手を出す人は少ないだろうな、と考えました。
実際、手品について調べるところから始めたので時間がかかりました。
また、小説という媒体で手品を効果的に見せるための描写や展開にも凝りたかったため、結果として本文を書く時間は圧倒的に短くなってしまいました。
いくつかのシーンや描写を削ればもっと早く書けたのでしょうけれど、どこを削るかを考える時間さえもったいなかったので、書きたいシーンを全部入れました。
その結果、削除を検討していた部分の内容を褒めていただりしたので、やっぱり自分が書きたいことを出し切るのは大切だなと学びました。
おかげさまで、私がKAC2020で書いた5作品の中でもっとも評価を得た作品となりました。
このような素晴らしい作品が生まれただけでも、KAC2020に参加して良かったなと思います。
また、応援コメントやレビューをくださった方々にもお礼申し上げます。
ありがとうございます。
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●KAC20205 『宇宙一の歌姫』
お題:どんでん返し
ジャンル:宇宙を舞台としたファンタジー寄りな世界観
・宇宙一の美声を誇る歌姫と毒舌な作詞家。声を盗んだ銀河カラスを追いかける
・加筆修正後、別作品として再投稿予定。
http://kakuyomu.jp/works/1177354054894659909「どんでん返しとはなんぞや?」と最後まで悩みました。
なにしろ「どんでん返し」といえば物語の「構成」です。それを「お題」として使うとはこれいかに。
運営がそこまで考えているかどうかはともかく、厳密に考えるなら「どんでん返しがある作品を書く」のではなく「どんでん返しをテーマにして書く」ことになります。
・演劇部の部員が「どんでん返しの脚本を考える」物語
・「どんでん返しとは何か」というエッセイ
などを考えたのですが、仲間内で「どんでん返しとは何か」と相談したところ、予想以上に話が広がり、私の中で収集がつかず、どちらも断念しました。
おそらく「どんでん返し」についてはこれからも考え続けていくことになると思います。(運営はとんでもない爆弾を落としていったものです。)
折しも、KAC20205の締め切りは某歌姫の記念日で、ツイッターには彼女のイラストがあふれていました。彼女をモデルにした物語を書こうと思うまでに時間はかかりませんでした。
どうせならイベントの最後は華々しくスケールの大きい話がいいと思い、宇宙を舞台にしました。
肝心の「どんでん返し」については、意識するあまり自分でも驚くような展開がいくつか起きてしまいましたが、詰め込み過ぎて逆にひとつひとつが薄れてしまったように思います。
また、今回はかなりシーンや設定を削ったのですが、それでも初稿を書き上げたとき、4,100文字でした。そこからさらに削る、削る。
(KAC2020の文字数制限が1,200~4,000。)
結局、私はラスト1分まで物語を書いていました。
その甲斐あってか、こちらの作品もご好評をいただきました。
自分にとっても心地の良い世界観を書くことができました。
いつかまたこの世界に戻り、欠けたピースを補うことができたら(削った部分を加筆できたら)と思っています。
以上、KAC2020を振り返っての所感でした。
読んでくださってありがとうございます。
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以下、個人的な覚え書きです。
#KAC2020
#カクヨム誕生祭2020
カクヨム誕生祭イベントページ
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