短編を書いた。
題名は『月が消えた夏に』と銘打っているが、それは別に主題ではない。
嘘ついた。主題でもあるのだけれど、読みづらいところに隠してある。
月が消えたことに気づかない人間は幸せな人間。
別に私たちに月は必要ではない。科学的な自転だか公転だかへの影響は知らないが、今日の月齢を君は知っているかいと言えば大半が知らないだろう。
だから月が見えないことに不安を感じる人間は、もしかしたら私と仲良くなれるかもしれない。
月が見えなかったらカイトとアカネが出会うことはなかったのでサンガツ(サンキュー月)だけれど、別にこの話は月でなくても成り立っていた。
そういう芯のない短編だ。
最後彼らは月が消えたこと自体を忘れてしまったのでしょうか。
他の人類と同じように。
だとしたら私はちょっと悲しいな。