12月13日 深夜
第3話 07 において、後半の一部分を修正させていただきました。
<<<変更前>>>
と、彼女の弁は止まらない。
「飲み終えるよりも先に、飲みこぼしが出来ていたのであれば。それはつまり」
『空のカップ』は、『飲みこぼしのある受け皿』の上へと戻された。
「という事でもある」
ん?
今しがたリニアが口にした当たり前な一節に、私の中で何かが小さく引っかかる。
(飲みこぼしのある受け皿に、カップを戻す━━)
左手で?
耳にした単語の一つ一つを丁寧に。そうです、とても慎重に頭の中で順を追って手繰ってみれば。これがなんとも不思議なもので、私の小首が勝手にのろのろと傾いていくではありませんか。
そんな戸惑いながらも考え始めた私の耳を、リニアの言葉が追撃してきます。
「そして最後には、受け皿の上でカップの向きが入れ替えられた。持ち手が右側に来るようにね」
<<<変更後>>>12月15 ちょこっと再訂正
と、彼女の弁は止まらない。
「あのお客さんが、コーヒーを美味い美味いと一息に飲み干したのか、苦い苦いとちまちま飲み進めたのかは知らないけれどね。
それでも飲み終えるまでのどこかで飲みこぼしたと言うのならだ。だったら少なくとも一度は、飲みこぼしの出来た受け皿の上にカップを置いた瞬間はあったはずだ」
途中の一休みにしろ、飲み終えて戻したにしろね、と。そう繋げられたリニアの言葉に耳を揺らしつつ━━
ん?
と微かに何かが引っかかる。
今しがたリニアが並べ立てた、言葉の連なり。
それはあたかも今更な事ばかりをつづった、当たり前に過ぎる一節のはずなのだけれど、それなのに。
(飲みこぼしのある受け皿の上に、カップを置く━━)
左手で?
なぜだか不思議と、奇妙な収まりの悪さばかりを感じてしまった。
ちょっとだけ、考えてみる。
(受け皿の上には、手前側に飲みこぼしがあって。ええと、そこに左手で……)
耳にした単語の一つ一つを丁寧に。そうです、とても慎重に頭の中で順を追って手繰ってみれば。
これがなんとも不思議なもので、私の小首が勝手にのろのろと傾いていくではありませんか。
そんな戸惑いながらも考え始めた私の耳を、リニアの言葉が追撃してきます。
「そうして飲みきられて空になったカップは、受け皿の上へと戻された後に、最後には持ち手が右側へ来るように向きを入れ替えられる」
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重ね重ね大変に失礼いたしましたですっ!