前編を読んでない方は前編からお読みください!!
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「みんな、喜んでるかな……」
ベッドから身を起こした僕は、しまりのない笑みを浮かべた。
昨夜のうちに、プレゼントは隊員の部屋の前に置いておいた。
誰にも会わなかったし、多分バレてないと思う____というか、そう願ってる。
……これは、僕からのささやかながらな恩返しだ。
僕を助け出してくれた見廻隊への……ちょっとした恩返し。
もちろん、これくらいじゃあ全然足りないということは分かっている。
でも、少しだけでも____ほんの少しだけでも、喜んでもらえたら良い。
早くみんなの喜ぶ顔が見たくて、慌てて身支度を整える。
そして、部屋のドアを開けて___
「おはようございま___」
ドアが止まった。
「……?」
何かが突っかかってる?
僕はドアの後ろを覗き込んだ。
そして____
「これ…って……」
白い袋に、目を見開く。
ドアの隙間から身を捩り出し、その袋を手に取る。
大きな袋には、丁寧なメッセージカードが添えられていた。
“メリークリスマス 風磨くん”
____それは、孤児院を出てから久しく見ていなかった……僕への、クリスマスプレゼント。
そして、少し不器用なリボンを取った中から現れたのは……。
「コートだ……!」
欲しがっていた、厚手のコートが一着。
しかも、安物じゃない。
「おはようございます、風磨くん」
思わずコートを抱きしめた僕の背後から、玲衣さんの声が聞こえる。
振り返った僕が見たのは、彼女が人差し指を立てて笑うその姿だった。
「ね?
良い子のところにサンタさんはやって来ましたでしょ?」
___僕からのプレゼントのマフラーを巻いた玲衣さんが、少しおませに笑った。
Merry Xmas______