こんばんは。本日も19時更新でやんす。
今日の『ブレイブ・ラビッツ』に影響を与えた作品は……。
エーリッヒ・ケストナーの児童文学です。
彼はドイツを代表する児童文学作家で、ナチズムに最後まで抵抗した創作者です。
その時点で既に『ブレイブ・ラビッツ』に影響を与えたスピリットが見え隠れしますが。
彼の作品は、ドイツの下町に暮らす少年たちが主人公です。彼らは曲がった事を嫌い、いつも突っ張っていて、時に理不尽を前にすれば拳を振り回します。
ドイツの下町もまた、地域のコミュニティが生きていて、お互いがお節介を焼きながら暮らしています(そう言うのを破壊しようとしたのがナチズムですが)。
少年たちは連れ立って冒険に出かけ、時に隣の学校のいじめっ子に、時に大切なお金を盗み取った悪漢に戦いを挑みます。
そう、彼の小説は所謂ジュブナイルで、スチームパンクではありません。でも、降りかかる理不尽を前に知恵を振り絞って挑む少年たちは、ユウキ率いるブレイブ・ラビッツの先輩たちです。
表現規制を企む陰謀は、こそ泥のようにはいかないかもしれません。それでも、先輩たちの奮闘を胸に、今日もラビッツは戦うのです。
追記
物語の後、ドイツは結局第三帝国となり、弾圧と戦争の歴史が始まります。
あの少年たちはどうしたでしょうか? 正義感の強い彼らの事だから、ナチズムに迎合するとは思えません。武器を取ってナチと戦ったでしょうか? それとも祖国や家族の為と自分を納得させて戦場に出たでしょうか?
彼らは生きて懐かしいドイツの下町に帰る事が出来たのでしょうか?
ケストナーの素晴らしい物語を読むたび、そんな悲しい事を思います。