「どもっ！ 異端審問官リンゼイと」
「その護衛騎士のディーンでーす」
「さて、僕たちはアレですね。今回始まった、『祝福の花吹雪をあなたに』から、やってきたわけですが……」
「そうですね。ぶっちゃけ、掲載を開始する５分前にタイトルが決まった作品で、頑張ってますね」
「今日は、この『近況ノート』を使って」
「使って？」
「魔法について、やってみようと思います！」
「魔法！ そういえば、リンゼイは作中で炎を扱ってるな」
「皆さん、不思議じゃないですか！？ 何もないところから炎を出し、かつ、操り、敵を燃やす。『え？ どういう原理？』。そう思いませんか！？」
「そりゃ、思うけど……。リンゼイ、魔法の使い方を教えてくれるのか？」
「もちろん！ 僕がどうやって、魔法を使っているか、ここで教えちゃうよ！」
「へぇ。じゃあ、俺も使えるようになるの？」
「残念ながら、ディーンは使えません」
「なんでだよ」
「素質がないからです」
「なにそれ」
「まずですね。『素質』ですよ。そりゃそうでしょ？ 桐生選手から百メートルを九秒代で走る方法を教えられたからと言って、君、百メートルを九秒代で走れますか！？」
「……まぁ。うん。……え。俺、結構身体能力高いスペック与えられてなかった？」
「でも、無理っ！ きっと無理っ。素質無いからっ。ゼロだから！」
「あ。うん……。そう」
「僕だって、教練場では、水の魔法とかも教わったよ。風だってね。だけど、素質がなかった！！ 僕、燃やすだけ！！」
「いいじゃないか。火でも」
「何言ってんだよ！ 水とか、風とか、かっこいいじゃん！ なんか！！ 僕、結果的に術使ったら、くさいんだよ！ 燃やすから！ 熱いしっ あと、ゴミが増える！」
「へぇ……」
「なので、魔法を使うためには、まず、『素質』がいります」
「ふんふん」
「次に、場所が重要。『ここ』では使えません」
「『あっち』ってこと？」
「そう。異世界でしか魔法は使えません」
「なんだ、じゃあ、結局、教えてもらっても、「こっち」じゃ魔法は使えないんじゃないか」
「だけど、僕みたいに『華麗に魔法を使ってみたい』そんなわがままなあなたに、今日は、『こっち』の世界でも使える、炎の魔法をお教えするよ！」
「へぇ。どうするの？」
「まず、硝化綿を準備いたします」
「硝化綿？」
「硝化綿の作り方です。ビーカーの中に、濃硫酸と濃硝酸を入れて混酸にし、綿を入れて漬けちゃいます」
「……なんか、熱くなってきていないか、これ」
「混酸にしたとき、熱が発生するときもあるので、注意して！ なんなら、ビーカーを氷水につけちゃってください。簡単に見えても、これ、爆薬だからね。そして、綿を取り出して、水でよーく、すすぎます」
「せっかく、つけたのに……」
「さて、あとはこの綿を乾燥させるんですが……。このとき、重要なのは、『自然乾燥』ってことだよ！ 早くやってみたい気持ちもわかるけど、ドライヤーで乾かしたら大変！ 熱に反応して燃えちゃうからね」
「なんか、どんどん、魔法から遠ざかる……」
「で、乾かしたものが、こちら」
「三分間クッキングみたいだな」
「これに、火を近づけると……」
「おわっ！ ぼわっ、と燃えた！ すごい！」
「ご覧のように、煤も残りません」
「へぇ。すごいな……」
「ぶっちゃけ、『鋼の錬金術師』の大佐みたいでしょ！？」
「だなぁ……。うん」
「さぁ！ こんなにスバラシイ魔法も使えてお顔もキュートな異端審問官と」
「今のところ、剣でしか役に立っていない護衛騎士が登場する『祝福の花吹雪をあなたに』の本編はこちら
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889618414」
「では、みなさん。本編でお会いしましょう！」
「どもー」
「実験のお手伝いは『クロコウ！』化学同好会のみなさんでしたー ありがとうございましたっ」
「異端審問官リンゼイ＆ディーンでした」
※実験には専門家の手ほどきが必要です。よい子は、理科の先生や化学同好会のお兄ちゃんたちと一緒にやろうね！