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長編の断片

とある長編の思いつきメモ的な断片
動画知識を想像とキャラクターで埋めていく~
本編で採用するかは不明
考証以外にも、スポーツ指導的な観点から見た不満がある。それも聞きかじりの知識なのが不満。無限ループ。
参考(にしたであろう)動画
https://www.youtube.com/watch?v=vD4AIWIXiBI
https://www.youtube.com/watch?v=vmnLA2DuYJs
https://www.youtube.com/watch?v=m9qB40Wfn7s

(これは違う)
https://www.youtube.com/watch?v=XWiY-aN4HKQ
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「リコ、この銃を撃てる状態にしろ」
 リコが拳銃を操作する。弾倉を差し込み、スライドを引いた。グリップを両手で握り、銃口を下へ向けて保持する。
「銃の操作はそれで充分だ。通路の奥を向け」
 私が指差したほうへ拳銃を持ったままのリコが向いた。
「まず銃をホルスターへ戻せ。それから、両手を胸の前で合わせろ。合掌だ。指先を正面へ向けて、そのまま前へ突き出せ。ああ、それでいい」
 私はリコの合わさった手へ拳銃を渡した。
「お前の腕は、関節のひねりにつられて筋肉が緊張した状態にある。この感覚を忘れるな。手を握って力を込めるのではなく、関節の角度で力を込める感覚だ。ただし、グリップを握る手は別だ。発砲する際に可能な限り力を込められるようにしろ」
 リコが銃を正面へ構える。
 私はリコの左隣から腕を伸ばし、左手をリコが伸ばした両腕の上へ備えた。発砲の反動で腕が上がりすぎるのを防ぐためだ。
 そして右手でリコの背中を押さえた。
「まずは一発だけだ。撃て」
 少しの間をおいて、リコは引き金を引いた。銃声とともに、P220の銃口から弾けるように硝煙が吹き出る。
 その途端に、リコの身体がぐらつき、背中へ当てた私の手を押した。
「今、前から後ろへ突き飛ばされるような感覚があったのは、良い撃ち方ではなかった証だ。だが最初はそれでいい。腕の跳ね上がりは少なかった。腕の構えが適切だったからだ。では腕を突き出したままにしろ」
 私は自分の手を、棒のように固まったリコの手に被せて、彼女のほうへ引いた。
「肩と肩甲骨が繋がるように意識しろ。もっと腕を突き出したほうがいい。もっとだ。私の手をもっと押せ。壁を手で押すつもりで押せ。今の筋肉が緊張する感覚をよく覚えろ。私はもう手を離すが、この感覚を維持しておけ」
 私はリコの肩に手を置いた。そのまま肩甲骨へ手を滑らせる。
「銃を良い形で構えられると、手からこのあたりまでが繋がったような感覚がある。まあ、これはあくまで私の感覚だ。だが関節で姿勢を決め、その関節の動作を筋肉で補助するということ。射撃する時は必ずこれを意識しろ」
 私はリコを補助する位置へ手を戻した。
「撃て」
 一瞬の間をおいてリコは引き金を引いた。P220は先ほどと同じ動作をした。
 今度はリコの身体もぐらつくことはなかった。
「拳銃の撃ち方はこれでもう充分だ。これさえ出来ればあとは上達するだけだ。単純だったろ。しかし射手としては未熟だ。ただ引き金を引いて標的に当てるだけでは駄目だ。味方と協調して射撃する――戦闘ではそれが出来なければならない」

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