「別に、殺したいわけじゃない。誰でもいいわけでもない。」
彼女の目の前に座る男はわけの解からない言い訳を聞かせた。薄暗い室内は、ここが狭い一室であることだけしか教えてくれず、古い建屋に付きもののカビや埃の饐えた匂いがこびりついていた。染みの浮く天井には黒ずんだ裸電球が一つ、壁紙が剥がれた剥き出しのコンクリート、床はカーペットが敷かれていたが埃と汚れでぼろぼろだった。木片や紙くずが散乱している。廃墟かも知れない。
「死にたいわけでもない。」
ぽつりと、男は付け足した。自殺志願者ではないと繰り返して告げる男の真意が彼女には測れなかった。
ムリムリ言ってた「文学文体」でっす。(なってないけども!)
私は思うのだ、冒頭切りが出来ない作品ってのは、コレで書かれた作品のみなのだよなぁと。文学文体って、ラストまで読まないと文章技量的な判断も下せない部分があるんだよね。
他の文体は文章的な部分は冒頭だけで判断できると思ってるんで、内容はともかくとするなら、冒頭だけ見りゃ十分なのだよ。読者が「その先まで読み進めるだろう」事を合格ラインに引いて判断してるから。
批評する時は、10人中何人がどこで脱落するか目線で見るのでストーリーとかはそのボーダー越えてる人にしか用はないと思ってる。そんでそのストーリーがどうってのは、私には判断出来ないのだ! なんでもオイシク食べれる人間だから!(笑