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江戸のやきいも

 現在よりも江戸時代は年平均気温が低く、冬の江戸での降雪は今よりも珍しくなかったと記録から読み取ることができます。
 そんな寒い冬の夜、冷えた体を温めてくれる様々な食べ物が江戸にはありました。

 その一つが今回ご紹介する焼き芋です。詳しい話は「ツイッタランドの備忘録」に譲り、ここでは浮世絵を見てみます。

*「ツイッタランドの備忘録」
https://kakuyomu.jp/works/16817139558913884399/episodes/16817330654086543320

 画面は雪の夜、外を歩く女性二人とお供の小僧が三人とも傘を差しているところ見るとまだ雪は降り続いているのでしょう。下駄の歯の間に雪を詰まらせながらコート代わりの綿入り道中着で寒さをしのぎ、やってきたのは焼き芋屋。芋を焼いている女性は半纏を着ての作業です。
 
「焼き芋は女子供の食べ物だ」という言葉が出始めたのは明治に入ってから。江戸の庶民はそんなことは気にせず食べていたようです。

 最近では、俳優の阿部寛氏がスーパーで焼き芋の買占めを何度か行ったところ、入店した時点で店員に警戒されるようになったとの話もあり、おいしい焼き芋は古今東西、様々な人に愛される食べ物なのです。

*豊国『十二月の内 小春初雪』,蔦屋吉蔵,安政1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1307011

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