『剣魔神の記』をお読みいただいている皆様にお知らせです。
『剣魔神の記』の第1章に関する、結構大きなネタバレを含むので、少なくとも『剣魔神の記』第1章第27話「収奪者」まで読んでいない方は、この近況ノートを読まないようにしていただけると幸いです。
お知らせするのは、第1章第30話「ローリンゲン侯爵邸にて」への加筆についてです。物語にも関わりがある加筆なので、近況ノートにてご連絡するものです。
加筆の内容は、リーリアが、エイクのオドを奪っていたのがフォルカス・ローリンゲン侯爵だと知っていた理由の説明です。
この点については、最初に公開した時から気にはしていました。
ぶっちゃけ、エイクのオドを奪っていた犯人探しに時間をかけるつもりがなかったので、リーリアが知っていたという形であっさりフォルカス・ローリンゲン侯爵が犯人だと明らかにしてしまったのですが、いざとなれば、切り捨てるつもりの下っ端に過ぎないリーリアが、黒幕の名前まで知っているのは不自然だよな。と思ってました。
一応、身寄りのない一冒険者に過ぎないリーリアの証言程度で、権力者であるフォルカスを断罪する事は出来ないので、フォルカスにとって名前を知られていても死活問題にはならない。という事にしてはいましたが、それでも無駄に自分の名を教えるなんて、馬鹿が過ぎる行為ですし不自然さはぬぐえないと考えていました。
今回、神器を使ってオドを奪う呪いを発動させるためには、現地で発動役兼中継役を担うリーリアが、オドを流し込む相手の姿形と名前を知っている必要があったから、という理由を思いついたので、この旨を書き加えました。
具体的な加筆文章は、以下の通りです。
『 あの女——リーリア――は、“呑み干すもの”の存在は知らなかったが、黒幕がフォルカスであることは承知していた。
神器の呪術を用いて誰かのオドを奪って他の者に流し込む為には、発動端末兼中継役となる者がオドを奪う対象と流し込む相手の両方の、姿形と本名を知らなければならなかったからだ。
一部の魔法や魔道具には、そのように対象の名前が一種の発動条件になっているものがある。特に対象を限定する代わりに強力な効果を発揮する魔道具にそのような物が多い。
他者のオドを奪うという極めて稀で、そして強力な効果をもつ神器もそのような性質を持っていたのだ。
そのような理由で、リーリアはエイクから奪ったオドを流し込んでいる相手がフォルカス・ローリンゲンだと知っていた。そして、神器の発動端末兼中継役となる素質があるという理由で孤児院から拾ってきただけのリーリアが、命がけで秘密を守るとも思えない。
つまり、エイクはほぼ間違いなく自分のオドを奪っていた元凶がフォルカス・ローリンゲンであることを知ったはずだ。 』