書き始めたときは本当におっかなびっくり、あとで「こんなもの人様に読ませられる代物じゃない」と素面になったらどうしよう、と思っていたのももう2ヶ月(近況ノートでも小説の定型にのっとって漢数字や全角英数字を使うべきなのでしょうか?)前のことになりました。
小説を書くのも、それを世に出すのも、恐ろしかったのです。
でも、生憎まだ素面ではありません。幸か不幸か酔ったままです。
なんとか、『幽霊は明日を歌わない』が完結いたしました。
読んでくださった方の応援は本当に励みになりました。ありがとうございます。
自分で何度か読み返して、明らかな誤字とか過不足のある表現は直そう、と思います。ですが、ベテランの職業作家が「今の私ならこんな風には書かない」なんて言って、昔の作品を修正するようなことはないですよね。
なので、あとで「もうちょっと直したい」と思っても、このままにしておこうと思います。
今のぼくが書いたもの、というのが大事なことなような気がするのです。
西尾維新氏が物語シリーズについて(ぼくは物語シリーズを読んでいませんが、アニメは全部観ています)、「面白い会話のやりとりが書きたかった」みたいなことを言っていたように記憶しています。
怪異と呼ばれる数多の化物と戦う、あっちのほうがおまけなのです。
本筋は阿良々木くんやヒロインたちのはちゃめちゃな会話劇なのです。
また、伊坂幸太郎氏の作品の中で「本当に重要なことは、人生を年表にしたときに省かれるような些細な出来事のほうだ」みたいなことを言っていたように記憶しています。原文を探し出すのが面倒くさいので、みたいなこと、で済ましています。ごめんなさい。
ぼくは、面白い会話のやりとりと、些細だけど記憶に残るような日常を描きたかった。
それが『幽霊は明日を歌わない』です。
水原と藤本には愛着が湧いています。
愛ちゃんにも。
本当は、もっとキャラクターのパーソナルな部分なども交えつつ、さらに長く物語は続く予定でしたが、5話くらいまで書いた時点で簡潔に終わる方向性に決めました。特に愛ちゃん! もっと出したかったです。
小出しに書いていけるのはカクヨムのいい点でした。このおかげでおよそ2万字を書き上げられました。
2万字って、文庫本だとどれくらいのページ数なんでしょう。
水原や藤本、彼らにまつわる物語の続きをもう書けないのか、と思うとなんだか寂しいような気持ちもあります。いや、書こうと思えば書けるわけですけれど。『岸部露伴は動かない』『岸部露伴は叫ばない』『岸部露伴は戯れない』みたいな感じで。~ないシリーズ。
それでも、『幽霊は明日を歌わない』と地続きの話は、やっぱりもうここで終わりなのです。
既に読んでくださった方も、いつかまた読み返してやってください。
最後に、繰り返しになりますが、応援は本当に本当に励みになりました。
読んでくださった全ての方に感謝しています。探し出してくれてありがとうございました。
あとがき、ってこういうのだっけ? と最後まで書いて思いました。
追記
Spotifyでこの作品をモチーフにしたプレイリストを作りました。
https://open.spotify.com/playlist/00b4XQv8c6TKPb4CvOgz36?si=28yBTE2pSXSGnJWejw3Qdw