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バージンロードで花嫁をちゃんとエスコートする天才チンパンジー

 カクヨムコンが終わって完全に腑抜けになっていますので、今日はアタイのどうでも良い話を書いて行きます。
 
 アタイにはクソどうでも良い夢があります。ぶっちゃけ叶わなくても構わないレベルの夢。むしろ、この夢が叶わないのがアタイの夢です! って言っても過言でもないくらいの夢です。むしろ、マジで叶わないで欲しい夢。でも、ちょっとやってみたい夢。

 まず、アタイはビジネスマンとしてそこそこ成功します。で、「これ、誰だよ」って古本屋で百円で投げ売りされているレベルの自己啓発本ってあるじゃないですか。あれを描きたいんですよね。
 で、別に有名でもないのに自己啓発本を出したもんだから、完全に天狗になってるのに、本に書いてあることは「感謝しろ!」とか「一流ほどパンツを毎日変える」とかどっかで聞いた話の受け売りを書いて、不自然なまでに謙虚な姿勢を貫きたい。

 まず、冒頭の前書きに「こんな本を私なんかが出させていただけるなんて……私としては当たり前のことをコツコツを積み重ねてきただけなので、『ヒントと言われても』困るわけです、はい(笑)』みたいな「俺はお前らとは違うんだよ」って言葉が裏に透けて見えそうな言葉の数々を冒頭の前書きでアタイは書き連ねて行きます。

 で、前書きもたけなわに来たところであの一文を書きたいんです。そう、こう言う三流自己啓発本の前書きにほぼ確実に書いてある、あの名文。

『こう言う事を、前々から私の事を『すごいね』『どうやったらポテさんみたいに成果だ出せるんですか?』などと仰ってくれる方々が聞いたらガッカリされるかもしれませんが、
 私は『天才』ではありません。
 ただ、毎日欠かさず、他の人よりも多くの努力を積み重ねてきただけなのです』

 これね。
『私は、天才ではありません』
 誰もお前なんて天才だと思ってねぇよ、バァカ! と毎回思ってしまうこの一文。男に生まれたからには、この一文を厚紙に書いて環境破壊に一役買いたいと思うものです。

 で、後二百ページはゴーストライターに書かせたどっかで聞いたような啓発本で埋めます。アタイはただ「私は、天才ではありません」って書きたいだけですから。

 で、ここからバカの本体はこの自己啓発本からSNSに移るわけです。
 本の発売初日にまず本の宣伝をします。で、その後に「この本を読まれた方々の中には私と言う人間の本当の姿を知り、ガッカリされた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 私は本でも述べた通り、みなさんと同じただの凡人です」

 と、こう書くわけです。
 すると、発売日当日に買ったバカの一人だ。

『本買わしていただきました! いえいえ、何をおっしゃるですよ! むしろポテさんは我々と変わらないと知って、私は勇気が出て、もっと好きになりました! これからもポテさんの仕事ぶり、考え方など参考にさせていただきます!!」

 とか返信するわけです。
 で、アタイはそれに、

「ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。私も自分という人間を晒すことには正直抵抗がありました。今まで通り、私の偶像を走らせて皆さん等付き合いするのはフェアではないと思う。打ち明けることにしました」

 みたいな事を書いちゃったりするわけですな。

「私の一番の幸せは、皆さんの様な素晴らしい人間ができた人々に慕われていた事だと思います」

 って決め台詞を吐きたい。

 こんなこと言ってるけど、内心では「はぁ? テメェと俺が同等のわけねぇだろ! 天才じゃねぇって書いてるの間に受けてんじゃねぇぞ! なんで『いえ、ポテさんは天才です!』の一言が言えねぇんだ! そういうところが気が気かねぇから、お前らは三流なんだよ!」

 とか、増長しきったアタイの内心はもう完全に天狗ですよ。人を見下し見下し、自分よりフォロワーの多い人にはペコペコします。

「てか、最初に『お前らと同じ凡人』ってお前らのことまわりくどくディスってるのに気づけよ、バァカw」

 とか、もう完全にこのポテさんは頭がイカれてますよ。救いようのないクズ人間、ポテろんぐ。
 もちろん本は売れず、ブックオフに直行。
 500→300→100とあれよあれよ高速で上に貼られていく値札。

 ポテちゃん著『なぜ一流のビジネスマンはマグカップをよく割るのか?』はあっという間に古本屋で埃をかぶってしまいます。同じ日に発売された伊坂幸太郎の新刊はいまだにベスト10に名を連ねているというのに。

 で、たまたまなんでも良いから本を読もうとブックオフにやって来た暇人がアタイの本を百円だからという理由で買います。
 で、家に帰って本を読み出すと冒頭に
『私は天才ではありません』
 の一文。
 これをみて、そいつは鼻で笑い。「誰もテメェなんて天才だなんて思ってねぇよ!」と本につっこみます。
 アタイの本は内容がないのに、三十分で読み終わります。で、すぐにゴミ箱行きです。

 こんな感じの夢。
 叶わない事を祈っています。

 てか、本当にたまによく見る「お前誰だよ!」っていう自己啓発本は誰が買ってるんだろう?


 

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