剛腕のエルザ、完結しました

少しネタバレ含みます。


最後まで読んでくれた方、また読んでくださっている途中の方もありがとうございます。

このお話の生い立ちなのですが、私が見た夢の話が元になっています。
いつか、この夢の話をまとめて物語にしたいと思っていたのですが、ようやく形にすることができました。

初めての小説なので、ホントに苦労しましたが、なんとか書き上げることができて良かったです。
ふと、〈メディアワークス文庫×3つのお題〉コンテストに応募したのがきっかけで、なんとか3/28までに完結しなければならないと必死になって書きました。ほんと、大変でした(汗)


夢の内容は物語の形をしていなかったので、いろいろと加筆したり話を改変したりしていると、元の形から随分と変わってしまいました。そこで、記録も兼ねて、下記にオリジナル?の夢の話を書き残しておきたいと思います。

本編との比較を楽しんで頂けたらと思います。ちなみに夢に出て来た人物に名前があった場合は、その名前を小説でも使っています。


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ここはエスタリオン王国。
朝から王城が騒がしいかと思えば、第二王女のエルランディが、何者かによって毒虫に刺されてしまい、昏睡状態なのだという。ただこの毒が遅効性だったことは、不幸中の幸いだった。解毒剤調達まで猶予は後8日間。

この毒虫は天上界にのみ生息する虫で、解毒剤は天上界にしか存在しない。

地上の人間が、天上界の薬を手に入れる唯一の方法は、王都から馬で3日ほど行った先にある、アラタカ山の頂上にそびえたつ、天上の樹を登らなければならない。その木は一周が何キロにも渡っていて、木の樹皮のシワだけでも車が走れるくらいの幅があるのだ。木の幹の樹皮を山道のようにして登っていくのである。

この毒殺が、政争によるものだと判断した宰相は、信頼できるものだけを集めて解毒剤を取りに行かせることにした。新米騎士のエルザとオルトランは、政争に関係のない人材として名前があがり、メンバーとして加わってアラタカ山へと向かう。

ルートの途中にある三日月湖に吊り橋がある。この吊り橋を渡ったほうが目的地に近いのだが、橋が狭いので馬を降りて引いていかなければならないのがネックだった。渡るか渡らないかで仲間がもめるのだが、基本的に渡ろうという話になった。

そこに、政争相手が手配した追手が迫ってくる。
たまたま隊列が後ろだったエルザと後2名が足止めに残り、他は逃げに徹する。逃げに徹するから吊り橋は渡れない。

エルザと他2名の騎士は、追手を次々と倒していくのだが、1名、ものすごく強い斧使いがいて、あっという間に2名がやられてしまった。これはたまらんと逃げるエルザに追う追手。斧使いともう1名の兵士が追ってくる。

吊り橋との分岐が近づいた時、エルザは馬を飛び降りて吊り橋へと走る。
斧使いは鎧が重くて走るのが遅かったのでまだ後の方だ。
もう1人の追手がエルザに追い付きそうになった時、エルザは覚悟を決めて、剣で吊り橋を切り落とす。

落下中、追手に向かって飛んだエルザは、水面に落ちると同時に剣を突き刺して倒した。それから、斧使いを見ると、鎧を着てうまく浮かべないようで、落ちた吊り橋にしばみつきながら苦しんでいる。

これ幸いと、エルザは踵のねじを回して仕込み刃をとりだし、斧使いのところまで泳いで行って、おぼれまいと必死で吊り橋にしがみつく斧使いを踵の針でメッタ刺し、息継ぎの邪魔をしたりして苦しめる。
でも、致命傷にはできないので、エルザはほどほどにして向こう岸へ泳いでいく。

川岸をあがり、ずぶぬれになりながら、馬はないか探すエルザ。
そこに自分たちを待ち伏せをしている盗賊と出会う。まさか、このずぶぬれで歩いている女が、政争相手から依頼されている薬と取りに行くメンバーだとは思わず、エルザの接近を許す盗賊たち。

逆にエルザは、待ち伏せと悟って、斬りつけていき、結果討伐してしまう。ひとりの盗賊にアジトまで案内させて、盗賊団を壊滅させる。そこでみつけた親分の部屋から、盗賊とある貴族とのつながりがあった証拠がみつかる。

盗賊の馬を奪って天上の樹へと向かう。
樹皮の道を登っていくが、暗くなってしまう。登る途中に横穴があって、その洞穴で眠ることにした。だが、そこは巨木を住みかにしている虫の巣だったのだ。逃げ出すエルザ。奥になんて逃げて大丈夫かと思いながら逃げる。

そこへ一匹の大きな虫が立ちはだかる。さすがのエルザも絶対絶命!かと思ったら、良くみるとその虫には人が乗っている。その人は天上人で、虫使いと呼ばれる人だったのだ。

天上人たちは、この堅い幹を、虫を使って土木作業を行い、地下施設を建設しているのだという。
エルザが事情を話すと、虫使いはエレベーターのような箱の中へと案内してくれ、一気に天上の樹の最上階へと行くことができたのだった。

そして、エルザは薬局へと向かう。
そこで、三日月湖で別れた仲間と再会する。
薬を手に入れたエルザ達は、パラシュートで降下して、天上の樹を後にしたのだった。

後は、王都まで帰るだけ。
そう思って馬を走らせていると、後ろから黒い戦士が追ってくる。
馬を走らせながら、斬りあいが続く。
エルザは追い詰められる。

斧使いが斧を振り下ろし、馬を両断する斬撃を放つ。
エルザは片足をあげてそれを躱し、苦し紛れに剣を振る。
斬られた馬の体から血柱があがり、斧使いの視界が血一色になった時、そこから急に剣が見えたかと思ったら喉を斬り裂かれていた。

斧使いは信じられないという顔をしながら死んでいった。

その時エルザはもうボロボロだった。
黒い斧使いの馬を奪って、エルザは仲間を追いかける。

しばらく行くと、オルトランが地面に倒れていて、隊長が立っていた。
エルザは不穏な空気を感じたが、そしらぬ顔をして、足をびっこに引きながら隊長に近づく。
エルザは斧使いとの戦闘で重傷。とても隊長と戦える余力はない。
話ながら間合いにはいり、居合での勝負となった。
そして、柄に仕込んでいた隠し刃で、腹を斬り裂いて倒したのだった。

そして、オルトランを乗せて馬で王都へ。
エルランディ王女の命は助かった。

陰謀を企てた政敵は、証拠不十分で無実となった。
その政敵は、反省するどころか、暗殺が失敗したことを悔しがっていた。

ある日のこと、ふたりの貴族は、浴室を貸切にして密談をしていた。
それは、次なる悪事の企てだった。

湯気がこもり、視界が悪い中で、男の背後に薄っすらと影のようなものがうかんできた。エルザだった。

エルザは二人の首を一刀両断に跳ね飛ばして、剣についた血を湯舟で洗い、静かにその場を去っていく。
そして、貴族の争いに嫌気がさしたエルザは、騎士をやめて故郷へ帰っていくのだった。


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以上で、お話は終わりです。
比較してみると、ずいぶんと変わってしまいましたが、とりあえず完結できて良かったです。
ここまで読んでいただいた方、お付き合い下さりありがとうございました!






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