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特撮パロディ・魔王デイと悪の女幹部リアナ(VS正義の特撮部隊レッドのフィル)①

おまけSSなど書きたいんですが、なかなか書くモードが戻ってこなくて困ってます。
しかたないので、先日書いた特撮パロ(になる予定のもの)を置いておきます。こっちもなかなか進んでないけど、近況ノート連載なら書けるかも。


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■魔王デイと悪の女幹部リアナ(VS正義の特撮部隊レッドのフィル)①

【キャスト】
四天王:ナイル・ヒュダリオン・エサル・ハダルク
新米サキュバス:リアナ
魔王:デイミオン


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 なにかこう、魔族の城の、会議室みたいな場所。


「白竜のナイルがやられたか」
 
 薄闇のなかから、侮蔑の声が投げられた。暗がりにロウソクの明かりでもわかるほど、ギンギンした赤い衣装を身に着けた金髪の男である。

「ククク……やつはわれら四天王のなかでも最弱」
 続いたのは、ろうろうたる男の美声。こちらも、派手な濃紺の衣装を身に着けているが、最初の男よりは年長のようだ。名は黒竜のヒュダリオン、魔王その人の叔父でもある。「まさに竜族の面汚しよ」

「最弱というか、病弱というか」
 最初の男――赤竜のエサルがつけくわえた。「季節の変わり目だったしな。調子が出なかったんだろう」

「うむ。たしかに。卿(きょう)は体調を崩しやすい」ヒュダリオンが重々しくうなずいた。

「卿の健康面はともかく」
 別の声が割ってはいった。「――つぎに誰が作戦の指揮を執(と)るのです? われわれは最近、あの『ドラゴン部隊』に煮え湯を飲まされ続けているのですよ。これ以上の失態は、魔王さまのご不興を買うかと」
 冷静な、そしてちょっと説明的な問いかけは、銀髪の男――ええと、氷のハダルクからのものだった。「年齢順だとしますと、次はエサルきょ……いえ、あの、『赤き悪魔エサル』様となりますが」

「そうだよなぁ。ヒュダリオン卿は外回りは苦手だし」
 エサルがうなずいた。「だが、俺は四天王の筆頭として、もっとこう重みのある登場をしたいんだよな。……次々と倒れる四天王たち! 最後に立ちはだかるのは威風堂々たる偉丈夫! 敵ながらあっぱれなるその戦いぶり! 遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ!」
 エサルは身ぶり手ぶりをくわえて、自分の思いえがく理想の敵役を説明した。その悪役像はじゃっかん、古びているようにも思われたが、それを指摘するものはいなかった。

「私が行ってもいいが、いつ行くんだ?」
 と、ヒュダリオンが鉛筆の先を舐め、手帳を繰(く)りながら尋ねた。デイミオンが年齢を重ねたらこうなるだろうという美貌の中年だが、甥とちがってなにごとにも主体性というものに欠ける男なのだ。

「ええと……」
 ハダルクもまた手帳を確認した。「次の出撃予定日は〇〇日ですね」

「あー、その日はだめだな。妻の実家に呼ばれてるんだ」
 ヒュダリオンは眉尻をさげた。「予定がくずれるとずいぶん機嫌が悪いんだよ」

「奥さまのご実家ですか。それはたいへんですね」
「ことわると、自分の実家(さと)に連れていったときにああだったこうだったとか言われるんだよな」
 ともに結婚の労苦が身に染みているハダルクとエサルがくわわり、話はしだいに夫婦生活の愚痴になりかかろうとしたとき。


「わたしが行けばいいんじゃない?」


 若い女性の声に、既婚男性三人がぎくりとふり返った。

「リ……リアナさま」
 ハダルクが口ごもりながら名を呼んだ。

 幹部男性たちの驚きは無理もない。

 いつのまにやら、四天王の作戦会議にちゃっかりと混じっていたのは、新米のサキュバスにして魔王お気に入りの愛人とも噂される女性だったのである。



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悪の四天王がぜんぶ既婚者という。集まると結婚生活の愚痴に花が咲きます。

話の元ネタになった特撮パロ絵はこちら。
https://twitter.com/freud_nishi/status/1308810342059913217




 





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