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カクヨムコン落選記念SS【ブラックドッグ・フェアリーテイル】

※シナリオっぽくお読みください

〇カフェ〈イヴェンチュア〉店内 (夜)
  営業時間外の店内に、登場人物たちが集まっている。
  玲央、ミク、てぃあらの兄妹たち+クロ+イェンスの五名。
  長机にはピザやドリンク類、紙皿が並べられている。


  玲央、各人に紙皿を配りながら。
玲央「おい、誰かピザ頼んだのか? なんかイベントあったっけ?」

  イェンス、ベルギービールの瓶を片手に、もう片方の手で封筒を振ってみせる。
イェンス「さあ、僕はこの封筒の中身を読みあげるよう頼まれただけで」
玲央「そっか。しかし呼ばれてないのに普通の顔でうちに入ってくるのな、あんた」


  ミク、てぃあらの姉妹はピザ選びに余念がない。クロはその隣で、チキン片手に、長身をかがめて興味津々にピザを眺めている。
てぃあら「ねぇカニのやつがないよ」
クロ「この赤いやつにしようかな。トマト?」
ミク「クロ、ペパロニは辛いやつだよ。ハムとコーンのがよくない?」
てぃあら「うえーっ、これホワイトソースのやつだった」


  しばしの歓談ののち、イェンスが気取った咳ばらいをする。
  しかし雑談がおさまらない。

イェンス「謹聴! 謹聴!」
イェンス「みんなが静かになるまでに、先生、五分待ちましたよ!」

  イェンスがうるさいので、しかたなく、玲央が手を打つ。ぱんぱん。
玲央「聞いてやれ、なんかかわいそうになるから」

  イェンスは複雑な表情だが、場の注目が集まったので、再び咳ばらいをする。封筒をあけ、中身を取りだし、おもむろに読みあげる。

イェンス「……アンド・ジ・オスカー・ゴーズ・トゥ……」
玲央「(すかさず)気取ったネタは若い子に嫌われるぞ、獣医」

イェンス「《カクヨムコン4 中間突破ならず》? ……なんだこれは?」
  イェンスはよくわからない顔になり、紙をひっくり返す。白紙。

玲央「あー」(察した)
てぃあら「あー」(察した)
ミク「ああー、惜しいー(?)」(←よくわかっていない)

  クロ、よくわかっていない顔でクラッカーを鳴らす。ぱぁん。
  紙テープが飛び散り、イェンスの長髪にくっつく。

イェンス「やめろ、この、駄犬が」

てぃあら「クロ、それは『おめでとう』のときに鳴らすやつだから」
クロ「そうなのか」

  登場人物たち、再びがやがやしはじめる。

 ***

  オスカーのプレゼンターっぽく、ドレスアップしたポロロが現れる。
  登場人物たちとは逆の方向、つまり観客席側に向かって話しかける。

ポロロ「期間中に応援してくださった方、ありがとう♪」
ポロロ「そして、突破したみなさま、おめでとうございます。応援してた作品が載ってて、うれしいわぁ。各作家様の、さらなる飛躍をお祈りいたします」

ポロロ「ではでは、今夜はこれで失礼いたします。おやすみなさーい」

(終)

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『【本編完結】君と13回目の主従関係 ―ブラックドッグ・フェアリーテイル―』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887270637

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