「リアナ 呼ばいあう王冠」が完結しました。
――いらっしゃい――
――予約のお客様優先ですんで――
――アラカルトはもう売り切れですね――
――ボンジリは、まず塩か柚子胡椒だけで食べてみてください――
焼き鳥屋のオヤジに例えますと、これくらい、自分の趣味嗜好に忠実に書きつづった第一部でありました。
両手にタイプ違いのイケメン、竜と剣と魔法。王国と陰謀。好きなものばっかりです。
恋と冒険でキャッキャウフフするような物語のはずが、主役たちがいがみあってなかなかラブに突入してくれなかったり、重苦しい展開が続いたりもしました。(好き好んでそういう話にしてる)
でも、落ち着くべきところに落ち着き、第一部で書きたかったことはすべて書けました。
思えば書きはじめた頃(プロット段階)は、主役のリアナはもっとこう、受け身的なはかなげな美少女だったんですけれど、
アウトライン→初稿→第N稿→投稿のたびに雑草のごとくたくましくなり、粥は投げるし「ノウサギ六匹殺し」とかよくわからん称号まで自称してるし、ほんと成長したなぁと目を細めて見かえしています。
高圧的で皮肉屋なイケメン、しかし意外に詰めが甘いデイミオンと、優しいんだけど何考えてるか読めない剣豪フィルも、それぞれ正反対に好きなメンズ要素を詰めこみ、満足です。
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もともとのアイディアは、「政治的に対立している二人が、実はひそかに恋人同士」というものでした。やむなく引き裂かれるロミジュリ的なものではなく、お互いに譲れない目的があって対立していたらいいなぁ。恋愛というか、一時休戦の雰囲気がただよう逢瀬とか。
それから、もうひとつは、ファンタジーの名手パトリシア・マキリップの『イルスの竪琴』シリーズ。「領国支配権が世継ぎに移るのは、支配者が死んだときだけ」この魔術的な設定に強く惹かれ、こういう形で王権が移っていく王国の話を書けないかと考えたのがはじまりでした。この二つをもとに考えたストーリーが三部作の下敷きになっています。(王国の名前「オンブリア」をはじめ、リアナや彼女の竜レーデルルの名前は、マキリップ作品からいただきました)
**(※以下、ちょっとネタバレあり注意)
第一部は16万字ほどの分量となりました。
第二部はすこし間を置いてスタートする予定なので、お時間のあるときにでも、のんびりお読みいただければ嬉しいです。
無事戴冠式を終え、王位に就いたリアナですが、まだまだ内憂外患が続きます。
そして、春――竜族たちにとっての恋のシーズンを迎え、周囲の人物たちも、それぞれの事情と思惑から動き出します。
序盤から息つく間もなくラブ! 泥沼! そして後半はバトル! そんな第二部です。
三角関係、お好きですか? わたしは大好きです。
第二部開始までの間、設定資料や小話などをアップしようかなと考えています。
こちらも、よろしければごらんください。
末尾になりますが、お読みいただいた方、さらにコメントや評価をくださった方、大変ありがとうございました。