• に登録
  • 異世界ファンタジー
  • SF

銃の話と改稿進捗

 可読性向上進捗が15話まで終わりました。

 現在90話に達し、毎日更新ですので90日間、3ヶ月毎日書き続けた事になります。ご愛顧頂けたおかげで異世界ファンタジーランキングも週間40位台、月間60位台になりました。本当にじわじわ伸びてこうなったので、読んで頂いた皆様には感謝の念しかありません(トレンドをガンガン外していくスタイルなのに見つけて着いてきて頂けるのは本当にありがたい事です)。

 さて、そんなトレンドを外していくスタイルの本作ですが(別に好きで外してる訳ではなくて偶々書けるものがトレンドから外れていただけなのですが)、およそ「異世界転生したので銃作りました」の1行で済ませても良い内容を、現在じっくり描いております(88話~)。銃の知識が無くても人間ドラマだけ追えば楽しめるようにはしているつもりですが、それはそれとして知識があると楽しさが上がるのも事実。という事でちょろっと銃の歴史を追ってみましょう。

 ヨーロッパが火器に接触したのは13世紀、実際に製造に乗り出したのは14世紀の事でした。当時のそれは鋳造した青銅製や、筒状に曲げた鉄にリング状の鉄を巻きつけて作った銃身を木の棒の先端に括り付けたもの――――ハンドカノンと呼ばれるものでした。現在クルト達が制作したものですね。ただしクルト達が作ったものは大分進歩しています。というのも、ヴィムがもつ甲冑制作のために培われた「冷間鍛造」技術で作られた「鋼鉄製」のそれは、熱間鍛造の鉄製や青銅製とは一線を画する耐久力を誇ります。その耐久力ぶん軽く出来るため、クルトが目指す「拳銃」サイズの銃が生まれる下地が出来ているわけです。

 さらにイリスが発見した粒度選別の技術も軽量化に寄与しています。ヴィムとイリスのおかげで100~200年ほど時代をすっ飛ばしてますね。

 さて90話で取り掛かる着火機構の洗練ですが、こちらの歴史も簡略に見てみましょう。

・タッチホール式(14世紀): 熱した鉄棒や炭を着火孔(ホール)に直接手で突っ込む最も原始的な方式(イマココ!)

・サーペンタインロック式(14世紀): 火縄が発明され、S字状の金具(サーペンタイン)で火縄を着火孔に突っ込む方式。

・マッチロック式(15世紀): 火縄(=マッチ)で点火薬に着火し、点火薬の火を発射薬に伝えて確実に着火させる方式。いわゆる「火縄銃」。

・ホイールロック式(16世紀): 火打石にゼンマイで回転する歯車を押し当て、その火花で点火薬に着火する方式。

・フリントロック式(17世紀): 火打石(フリント)を板バネで点火薬近くの打金にぶち当て、その火花で点火薬に着火する方式。

 ……こんな感じです。現在クルト達が使っているのはタッチホール式ですが、既に歪な発展の仕方をしている彼らの銃がどこに行き着くのかお楽しみ下さい。

 長いな!いつか解説にまとめます。
 ちなみにクルトが思いつかなかった火縄は、硝石を煮込んだ湯に縄を浸して作ります。異世界転生される方はそこから始めると一気に100~200年歴史を飛ばせますので、ご参考に。

2件のコメント

  • http://www.arquebusiers.be/uniforme.htm

    今の目で見ると、15世紀でも結構荒削りですよねぇ。
  • アルケブス、ドイツではハーケンビュクセの時代ですからねぇ。銃身の軽量化が出来ないとここから発展出来ない…。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する