楽しそうにクスクス笑う。
楽しそうに笑うよなあ?
ーかわいい声してる。
は、わりと男にはきついのか?いや、けど、俺は気にしたんかな?
気にしてたら、相手の声を気にするのかな?
ーいや、けど、俺は気にしないかなあ。それで遊べる幅がひろがるし、いまはいろんな音響あるしな。
ひとりカラオケあるしなあ。たまにカラオケの番組とか、
ーえっ?本人では⁈
うまい人っているんだなあ、羨ましいな?は、たしかにあるかも。
そういえば、3Dパズルに本物のレコード鳴らせるヤツあったな。
ー難易度、6。
えっ?5が最高じゃないのか⁈どうやって、あれで音がでるの⁈
レコードもテープも仕組みがいまだにさっぱりだ。本やネットで仕組み知るけど、さっぱりわからない。パズルの方はなんとなくわかるけど、肝心のレコード版やテープがさっぱりわからない。
あれに似てるよなあ?教えてもらっても、見てるはずなのに、
ー先輩の作り方となにが違うんだ?
って思ってたけど、やっぱり、最初はなんか違ってた。
綿飴を作ろうと棒つきキャンディをフライパンに押しつけて、ぐるぐるしたら、換気扇に吸い込まれるくらい細く軽いのに、綿菓子にはならない。
ー飴、だった。
成分なのかなあ?だけど。
ーまったく気にしてなさそうだな。まあ、質問してきたくらい俺の声を認識してたんだろうけど。
あの質問で、もうどうでもよかったんだろうけど、
ーすげー度胸してるな?
まあ、酔っ払いじゃあったよなあ。
ー当たり前に酒は身体に悪いしな。思考能力はにぶくなる。
わかっちゃいるがやめられない、って昔歌あったような?
ーコオロギみたいな歌だったような?
「そんなに腹減ってんの?すごく美味そうに食べてるけど?」
居酒屋とカラオケ行ったよな⁈
なんか言葉にしないと、奇妙な感覚なりそうだ。少し焦りながら、言葉にした。
「ここのお寿司は別腹よ?ね?大将」
「嬉しい事言ってくれるね?よし!ここの勘定はまかせな?となりの人に!」
…俺じゃねーかよ。
「働いてるから、きちんと払うわよ?」
「いや、俺も働いてる」
アイツは俺がだしてだけどな。まだ、そういうドラマやマンガあったしな。
いちどくらいは、やってみたい、はガキの頃に思ったこと、あるかなあ。ただ、
ー俺より食ってるが。
俺も食えばいいだけかあ。
「こんど食べにいくわね?」
「いや、俺は接客しないし?」
「味って人柄でるでしょ?」
「調味料って言葉を知ってる?」
「あなたみたいな人のことよね?」
「ーへっ?」
「調和して、穏やかにしてくれる」
そう言ってまた笑って、
「…サーバーの次は調味料かよ?」
ドキッとしたのは、気のせいだ。って、負けずに中トロを口にした。
ーなんかグイグイ?くるよなあ?
ーヤンバルクイナじゃねーけど。それより、ウグイか?
生で食えるのか?あれ?
いまいちわからないが。海にもいるよな?くらいか?
釣りが好きなやつは、たいていの場合、フライにすれば食えるってやつもいたけど。
ウグイは骨切りするんだっけ?
釣りはスーパーとかでみない魚ばかりわりと釣れるから、スマホべんりだよなあ。わからない時はリリースだけど、たいていの場合、その辺で釣ってる人にきいたら、教えてくれる。
ついでに食べ方も。
ー味の感想も?
バリとかは、意見わかれる系だ。うまいって人と、くさいって人と。
ちなみに春の海タナゴは珍味としか言えない。
ーうまいし、珍しいから、食ってみろ?
珍しいのは、わかったけど、美味くはなかったから、リリースしてる。
らしい。
どんなの?ってきいたけど、肩をすくめただけだった。
ウグイはどうでもいいけど。
ー上機嫌というか、目が輝いてません?酔いはどこへ?
酒って一定量こえたら、シラフになるのか?
ーいや、酔ってるだろ?
が、あの空色のパンツがMAXじゃないなら、なんだ?明日になったら、さっぱり記憶ない系か?
…なら、あの友人があそこで帰らないような?
いい大人じゃあるけど。
「どうしてかしら?あなたのそばにいると、なごむのよねえ?」
…本人にきいてくれ?あっ、俺だ?
「そりゃどうも?」
「警戒心まるだしね?」
「そりゃそうだろ?あって数時間しかたってない」
まあ、共通ならジムか?
「運動好きなのか?」
「まあね。お酒はのむけど、健康には一応気をつけてるし、身体動かすとリフレッシュできるしね」
「リフレッシュ、酒かと思った」
ちょっと安心か?
豪田さんは苦笑いした。
「あれは、友人がいたからよ?それに私も毎回ああなるわけじゃないし」
俺が黙ってたら、
「…たまに、あるけど」
罰が悪そうな顔で小さくつぶやくから、俺は思わず咳するふりをして、笑った。
ーふぎっ!ゲボっ?
我ながら変な音になったけど、豪田さんは目を丸くして俺をみてる。
「ーなに?」
「ほんとうに、あなたって私を口説こうとしないのね?」
「世の中が思うほど、外見気にしないヤツは多いんじゃないか?そりゃあ、きれいだな?かわいいな?とかは、思うけどさあ?」
「かわいい?」
「あとコイツってかっこいいよなあ?イケメンって、こういうヤツかあ?とか?どうかした?」
変な顔して黙るから、俺はついきいた。ほんとうにくるくる表情がかわるよなあ?
「…マイペースって言われない?」
「いや?酔ってもあんまり変わらないとは言われるけど?そっちがマイペースじゃね?」
「いつもは違うわよ?一応、意識するもの」
…どういう意味だよ?さっき、俺は男だと言ったよな?ってか、速球できいてきたよな?
「さっきも言ったでしょ?はじめてあうタイプの人だって。というか、あった時から言ってるでしょ?」
「あのシチュエーションって、男側からしたらあまり、出くわさないと思うけど?ビックリするやつの方が多いだろ?」
「失笑ですませちゃう人も多いと思うわ。女子同士だととくにね?妬みとかって、同性の方が強く感じる気がするもの」
「ーそうかもな」
人数にじゃね?だけど。あんまり関係ないような?だけど。わけわからない世界だよなあ?は、あるけど。
…北村から言わせたら、俺は正義感が強くみえるらしい。
「趣味はアニメやマンガだっけ?どうして読書や映画鑑賞とかにしなかったの?」
「そりゃあ、本も映画も見るけど、詳しくないし?ボロ出るし、隠してなんの得かあるんだよ?」
「だって、合コンよ?」
「人数あわせだし?」
「ほんとうに口説く気ないのね?」
「口説くのは苦手なんでね」
なんか説教と間違えてたしなあ?漢字だけみたら。わりと懲りてる。
「来るものこばまず?」
「いや?そういう年齢でも性格でもない」
そこはほんとうに人それぞれだ。男は浮気するって言うけど、女も浮気するし?
アイツをふくめて一定数はたしかにいるだろうけど、俺の周りは、流されるヤツはいないよなあ。
アイツはともかく?ようは、
ーやらないヤツはやらない。
だよなあ。
「浮気は許せないタイプ?」
「わからないけど、信用はできなくなるだろうなあ?俺にその感覚がないから」
って言うか、あの場合、俺が浮気相手になって、下手したら慰謝料じゃね?
ー理不尽すきない⁈
「ふうん、めずらしいのね?」
「いや、珍しくはないよ?ってか、どういう男とつきあったら、そんな感想になるんだよ?」
「あなた以外の人?」
「ーそりゃそうだけど」
今日が初対面だ。
「だけど、恋愛してる時に冷静なんてきっとないから、しょうがなくないか?」
「じゃあ、質問を変えるわね?他に好きな人ができた?って言われたら?」
「ー正直にありがとう?おかげで納得できる?」
あれは違うけど、恋愛中ならたいていの場合は仕方なくね?好きなヤツができたら、しょうがなくね?
「ほんとうにあなたって、そう思ってそうね?」
「思っても、浮気相手に知らずになったら、わからないけどな?心変わりとも違うわけだし?」
「まるで経験したみたいに言うわね?」
俺が返そうとしたら、
「そりゃあ、そうだよ?だってなあ?」
やっぱり盗み聴きしてやがる?おい⁈ちょっと待て?
だよなあ?