シン・Love is suddenly〜空色マジック(5)


そういや少子化だっけ?

「いろんなものに不自由しなくなってきたら、便利だから、金とかないって建前で、なんかいろんなことオート化しそうだよな?子育てオート化できるのかな?」

…それこそ機械化しそうだな。なんかあったよな?

宇宙はしる機関車だっけ?

アメニモマケズ、

は、違うか。

あの有名な詩は親にもむけてたな。

ー愛を知らない子じゃないけど。

いまなら、ほら苦く思うけど。

たぶん、それは本当に、

ー育ててみないと、あと、こればかりは胎内で育ててみないと、わからない。

里親や特別養子縁組を否定は決してしないし、不妊治療もきいたけど。

だけど、だけどさ?

ー自分のなかで、ぐにゃーって動くんだよ?不思議なんだ。

って、パートさんが言ってたな。

誰よりも強くて、だけど不安になるんだ。

ーなに?この存在?

いまはエコー写真も進化してるけど、俺の胎児写真ってないよな?

不妊治療だと卵子育つかもみたような?写真に小さな点しかないですが?

しかも、白黒。

ーメダカになる。

いや、おたまじゃくし?違うのは、カエルじゃなく、人になってく。

ー毎回、旦那が来たら、寝てるのよね。

ってパートさん苦笑してたな。

それは楽しみに待ってて?合図かなあ。

子育てをAI化したら、いろんな事がなくなってくのかなあ。

ーあの作者、いつ生まれだっけ?

そういえば、クモやバッタとかもかな?

昔から進化のたびに畏怖されたのかな?

ー男たちに?

その辺は知識不足だ。

ながーい漫画とか時代が黒電話だしなあ。

いまの子、液晶しかわからないんじゃないか?

わりとかなり本気で、

ー漢字は読めたら選べるから、読み方と意味だけ覚えてたら大丈夫。

って、教えていきそうだな?というか英語とかききとれたら、いいし、

ージェスチャーの方が翻訳アプリよりあってるかも?

ただ指の立て方には、注意だろうな。

そう考えると手話ってすごい発明だな。

ーさっぱりわからないけど。

そういえば、あの子は生まれつきよく見えてないから、手触りに敏感なのか?

いま、納得した。

なるほど、すべてに頼って、生きるのが、成長するのが、

ー子供だ。

なるほど。

ー幼い頃、飛行機飛ばして炎上したおじさんは夢中になれたんだなあ。

趣味や家族や友人より大切になる、

ーかも、

しれない存在かあ。

俺はともかく、

「まあ、オートサーバーなら、たくさんあるだろ?豪田さんには?」

「じゃあ、コーヒー豆や玄米から?」

いや、ミネラルウォーターどこ⁈

「へい、どうぞ?」

この大将、絶対に盗み聴きしてるだろ?

いや面白がってるよなあ?

ーいい性格してやがる。

ってタイミングで、ちょうどよく、

ーミネラルウォーターだしてきやがった。

お茶じゃねーのかよ⁈

既婚者アピールしてんじゃないぞ?

たぶん、俺はモテるって話を散々してくるしな?

ーまあ、モテる性格だよな。

味もだけど、お店の雰囲気って、わりと味に関係しそうだし。

いい体験したら、なんとなくあんまり変わらない味だけど、また来ようってなるし?

ーここは美味い上に安いからなおさらで、

血圧計痛すぎない?スマホいじってるから、血圧計が反応すれのか?

貯血の血液とウナギの血液って、色同じだっけ?

レバー系が鉄分あるのは、血だからか?

…寿司食いながら、考える話じゃねーな?

しかも、こんな美人と。

「あー、いま、なんか違うこと考えてたでしょ?」

バシッと背中をたたかれて、

「やっぱり硬いわね」

って手をふってる。

俺だってじみーに痛いですが⁈

なんだこの人?

って思うが。

ー大将のくれたミネラルウォーターは、飲んだ胃袋にしみるなあ。

だった。

大将が出してくれたミネラルウォーターをみながら、東京の水道水のにおいに、どれくらいで慣れたんだっけ?

というか、俺がガキの頃に水をペットボトルで買うってあったかなあ?

不思議じゃあるけど、たしかに水はうまい土地あるしなあ。

山葵とか代表だろうし?

「不思議な時代だと日本だとつい思うけど、外国じゃ水は買うものって話だし、犬や猫を食べる文化は文化だろしなあ」

「いきなりなに?私は犬好きよ?まあ、病院も最近は宗教に配慮するようにはなってるけど」

それなら、ニワトリ飼ってたら食わないのか?って話だけど、えっ?食うの?

は、ある意味ある。

し、日本も鯨やイルカ食うしな。それが文化でおしてなかったか?

犬や猫だけダメってなんだ?

とは、不思議に思う。

ー思うだけで食う気はないし、目の前だされてもカエル以上に食わない気もする。

文化としては知ってても、それだけな系だよな。味を知ってたら、なんか隠れて食べる気もする。レバ刺しとかみてて思ったよな。


昔の気温や湿度とかと違うからそう思うのかな。

「知ってる?人間は水がないと生きていけないって」

「そりゃあ、有名だし?」

「けど多すぎ水分は抜かないとダメよ?タバコとか、肺が苦しいわよ?」

「やけにタバコいうな?俺、そんなにタバコくさいです?」

「タバコは嫌いな人には、においでわかるもの。とくに吸う人がまわりにいないと鋭くなるかもね」

「べつに俺の身体だし?よくない?」

「自分の身体だからこそ、大切にしなさいよ?痛みは共感したくても、ほんとうの理解は本人じゃなきゃ、無理だから」

それは誰よりもよく知ってるけど。

ーそんなにタバコ吸ってるかな?

「仕事中とかは吸わないようにしてるけど?」

だいたい俺の年齢的に、上の人間ほどヘビースモーカーだしな?

電子タバコでも、そう言うのか?

「豪田さんは、酒好きそうだけど?やめれるの?」

「お酒で迷惑かけてないなら?」

…さっきのトイレは?

空色のパンツは?

あれ、俺、絡まれたのでは⁈

「ーさっきは、友達もいたし、安心してたのよ?しっかりしてるから」

「けど女性だけの友達だと物騒な世の中だから、ほどほどにな?」

いくら鍛えても、腕力的には、無理だよなあ。

ー細くね?

まあジム通ってるくらい鍛えちゃいるんだろうけど。

「ボディーガードしてくれるの?」

「今日だけは、できるなら送っていくよ?豪田さんの友達さんたちにも言われたし」

金持たせてタクシーぶち込めばすむし?

ーすむよな?

「あら?ありがとう?お願いするわ。私、こうみえて、箱入り娘なの」

「いや、どうみても育ちいいよな?」

顔だけじゃなくて、雰囲気的に。

豪田さんはクスクス笑う。

「あなたは?」

「俺は…。わかんねーよ」

そもそも違うしな。

ーべつに愛を知らずに育ったわけじゃない。

って、虐待されても許そうと思う子たちは、そう思うんだろうか?

ただひとりに認められたくて?

けど、そのひとりが俺を受け止めるには、

ーたぶん、誰も悪くなかった。

いまならあの人の痛みが少しだけわかる気もするけど、

ー俺はたぶんもう抱えていくんだろうけど。

「ーわかんねーな。ふつうの家庭の幸せって。たぶん、のぞんでも、手に入らないから、ふつうの幸せをのぞむんじゃないか?」


どうなんだろうな?

これだけ情報あると、なにがふつうかわからないまま、

ー理想の親像だけが、神化してる。

それは親世代も苦しむんじゃないか?

ー頑張れ?もっと優しく。もっと子供によりそえ?

いや、無理だろ?

どんな神技使えたら、そうなれるの?

「結婚願望ないの?」

「あまりまだ?北村が結婚でもしたら、遊び相手に困ってくし、考えるかもだけど。いまは想像できないな」

「ふーん?」

「いいお父さんなりそうとか、言わないんだな?」

あいつはよく言ってたような気がするけど?

「まだよく知らないもの。第一印象は変な人だけど、興味はたくさんあるわよ?」

「ーそりゃどうも?」

えらいストレートだな?

豪速球らしいが、俺もそれなりに場数だけはふんでる。

美人に言われて悪い気はしないしな?

話やすいしな。

「あなたこそいいお母さんなりそうとか言わないのね?」

「それは…」

だって、わからないだろ?

あの人には理由があったんだってわかるけど、それでも、

ーたぶん、空しさしかない。

空かあ。

ミネラルウォーターみたいに、きれいさっぱりおいし空から降って、大地に飲まれりゃいいのに。

ー生まれた子をすぐに愛せる親ばかりじゃない。

母親だって、赤ちゃんと、

ーはじめまして?

臍の緒が切れて、親子の縁になってくんだ。

だけど、それは、

ーここまで理想が親にありすぎる世界じゃわかんねーな。

自信もって、

ー愛してる。

って言える存在が俺にいたのか?

ーわかんねー。

だった。


「ーこの話は、やめやめ。ね?私に興味ある?」

いきなり強引に話を切り替えすぎじゃね?

俺は呆気にとらえて豪田さんを見るけど、彼女は美味しそうに中トロを頬張ってた。

ーほんと、うまそうに食う人だなあ。

俺も一口放り込む。

ー締めの寿司。

いや、ラーメンじゃないのか?


「うーん。大将、やっぱり、最高に美味しいわ」

無邪気に笑うけど、

そりゃあ、たしかに美味いけど。

ーなんかムカつく。

変だな?美味そうに食う人は、大好きなはずなのに。

ー俺が美味いって言われたい?

大将は寿司屋だし?

俺はなんかムカつく違和感をミネラルウォーターで。水に流し込む。

違うか、胃に流し込む?

井?

胃?

それとも、

意?

「い?」

「イ?」

…日本語むずかしくね?

また、なんか腹が痛くなってきたけど。

微妙な温度のミネラルウォーターを出したな?大将。

ー痛いのは腹だよな?

どこまで我慢できるだろ?

ジムのマシンとわりと戦ってるよな?

たぶん、

ー筋肉鍛えてる人って、マゾ気質か?

ってマシンで思うよなあ。

ーなんでこんなにきついの?わりとスパルタで、

もっとベースあげましょう。

えっ⁈

それならその数値ピッタリを目指してやる?

ムキになっても。

ーどうやって一定化するの⁈

謎なマシンは、わりと筋肉つかうよなあ。たしかに?なんだっけ?

なんか番組で言ってたよなあ?

あと1回にこだわる?その1回か大事?

ーなぜに、

「1」

「1.5」

とかにしたら、「1」超える気しないの?

まあ、ギリギリの、

「1」

…0じゃないらしい。

微妙だな?

いや、貴重だな?


…ツッコミ場所が違うよなあ?わりと怒られる気がする。

し、たしかに、大将の中トロ最高だよなあ。

秘伝の味だろうなあ。寿司を塩で食うとかあるのかなあ?

サーモンマヨとかあるし、いろんな食べ方あるだろうなあ。

学生時代にへんな食い方流行るけど、大人になってからも続けてる食い方ってあまりないよなあ?

シーチキンマヨネーズ?

いや、わりと衝撃は、唐揚げおにぎりか?

中にいれんの?

天むすとは違うらしいだけ、理解したな。

天ぷらもだけど、揚げ物って難しいよなあ。

先輩は、一生をかけて学ぶのが職人って言うけど、それはサラリーマンだって、どんな職業だって同じだろうけど。

…育ち良さそうだよな?

ため息がでそうになり、ミネラルウォーターをまたながしこむ。

腹減ってるわけじゃないけど。

ー自惚れるなよ?めちゃくちゃ美人とイブを過ごした、だけを覚えてろ?

って自分に言い聞かせる。そりゃ、いまはデカ盛りチャレンジしてたら、女子グループに声かけられるくらいの見た目だけどさ。

ーまあ、声はイケボ?

知らなかったな。

知らなかったな。

最初、どこの?イケ?ボ?

ボックス型のため池かと思ったよなあ。

声を気にした事ないなあ。

ーきれいな見た目通りの声してんなあ。

名字だけ、

ー違和感あるような?

雪夜は、まあ、雪女からか?

「雪の夜に生まれたの?」

「雪の夜はすき?」

ーどう応えろとな⁈

「バイク通勤にはつらいな?」

「あら?バイクに乗ってるの?今度、乗せて?」

「…原付だから」

「原付でも免許あるなら、便利よね?身分証明書」

まあ、たしかに?必ず携帯するけどさあ。

わりとつかまるんだよなあ。免許不携帯。

わざわざ家まで来たって話もあるけど、これは、わざわざ家まで来させた?じゃね?

免許一個ですむし、そのうちスマホに入るんだろうけど。

いまの世代は、免許は忘れても、スマホは忘れないだろ?

だしなあ。

いちばんの使い道は、たしかに、身分証明書だよな?

「俺は車酔い酷いから、車の免許はないよ?」

「私があるから、が舞わないでしょ?あら?酔い止めきかないタイプ?大変ね?」

あっさり返してまた美味そうに中トロを頬張る。

ーほんとうに読めない反応だな?

忘れんな?こんな美人と過ごせた、だけにしろよ?

って、言い聞かせてた。


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