彼方

ホラー中心に短編を書いていきます。

幼い頃、私は彼女に恋をした。桜の下に独り佇む彼女に。

ある夏の夜、酒に酔った男は薄暗い階段で目を覚ます。階段は地下へと続いており、下りて行ったその先には信じがたい景色があった。果たしてそれは夢か現か。

暗い夜道を進ませるのは、あの人への想いだけ。 何よりも眩しくて、暖かい。あの人の持つ優しさ。 求めていたのは、ただそれだけの筈だった。

療養型病棟に努める瑞樹は看護師として忙しない日々を送っていた。ある日、出席した医療安全委員会で頻発する転倒が話題となる。現場の殆どが第二外来室前であり、そこには寄贈されたという一…

飛び降りようとしていた男の前に悪魔が現れる。悪魔は言った。 『人生って、面倒ではございませんか？ 』と。 そして悪魔は男に囁く。悪魔による人生の代行サービス、人生サブスクリプショ…

人気の無い病院の屋上で、僕はある日彼女と出会った。

既にこの世を去った故人の姿を映し出す『幻灯師』を生業とする男、千樹。彼の個人事務所の扉叩いた女子大生、灯里は言った。「お父さんに会わせて欲しい」と。

残暑を過ぎてから外に出てきた蝉の話です。

進路に悩む僕と、公園で鉢合わせたおじさんとのサイドキック語り

社会人数年目の時、突然緑が欲しくなった主人公。作り上げた自分だけの小さな世界に次第にのめり込んでいく。

祖父が遺した箱の山と二人だけの秘密を持った孫の話

娘の様子がおかしい―― 娘を心配する友人の頼みで十年ぶりに帰ってきた故郷の町。そこで垣間見た人と霊の関りを探っていくうちに、主人公である『私』は遠い過去に置いてきた自分自身と向き…

ツイッターにて#140字小説 として呟いてきたものを備忘録代わりに纏めたものです。ジャンルごちゃ混ぜです。