ギリギリまでありがとうございます。
待機していてよかったです。全部に短評を書かせていただきました。
(更新順(古い方から)・敬称略)
夏の夢浮くレモネード/西しまこ
初めての句集ということで初々しいかつ夏を感じさせる爽やかさですね。
どこか懐かしい夏休みの句もあり生活に寄り添ったシーンが思い浮かびます。
「カラコロと トマトの残る 弁当箱」なんかあるある~という感じですよね。
においがする/時輪めぐる
上手くにおいについて引きこんでいると思います。
そして祖父もそれを理解しているから対応も至極理解できますね。
死とは穢れなのか。そんなことを考えさせられました。
ロングかショートか、あるいはパーマか/野沢 響
写真みると、昔の自分がとてもダサい髪型して悲しくなりたくなる経験があります。
女にとっては髪は身だしなみとオシャレの最前線。
気にせずそのまま続けているのが自然になったりして難しいですよね。わかります。
さいかわ(仮)/筆開紙閉
んー。タイトルが意味深というか意味なんかないのか不穏ですね。
俺とお前は一体誰なのでしょうか。
そして、文章の真意があるのかただのチラシの裏なのか。不思議な内容でした。
あきなくて/結音(Yuine)
うまく読者を誘導して結末にもっていくのがさすがだなあと思いました。
中盤から女の情念を入れてくると思いきやの対象が、という複雑な手紙ですね。
こういうのがホラーと思うのかあるいは恋愛や現代ドラマに捉えるのか、すごく悩ましいんですよね。犀川は真面目に書いているだけなんだけどホラー扱いされること多いので。
ネタ?んなもん浮かばないわい/トマトP/なにも考えてない人
ある意味、企画について一番真正面から捉えている作品かもしれませんね。
わたしのツボというのは「芯を食う」ことでしょうか。それが面白みでもくだらなさでも真面目さでも。芯を食うというのは、実はとても難しいんですよね。理解出来れは読者を引きこめる小説を書けるってことになりますから。
中和の魔術/榊 薫
科学用語やスラッジなど理系っぽいのが個人的に好きです。
めっき工場と出ますが、めっきに詳しいのでしょうか。
むかしアルマイト処理とかやったことがあるので懐かしいです。
白線渡り/島本 葉
いいですねえ。白線、アスファルトの部分は地獄の谷底なんですよね笑
子どもの無邪気な遊びも、大人の深刻な心情も「横断歩道」を前にすると同じレベルなのかもしれません。
そんなことを感じさせる良い掌編でした。
牡丹灯籠ゆれる盆/長尾たぐい
夏らしいそして主人公モテモテな話でしたね。
露子さんがとても憎めないキャラなのがいいですね。
最後の「私」はどなたなのでしょうか。主人公の夏は(あっちの人たちと)騒がしいようですね。
(穏やかな)死に関する幾つかの考察/石田くん
若者らしい「死」についてのいち解釈が並んでいる感じですね。
個人的には第3話の電車がいいなあと思いました。
自分のエゴなのかあるいは彼女のためなのか。解釈を広がります。