川本 薫

母と離婚して若い女を選んだ父、そんな父を心の中から追い出すことのできない母。　 ムスカリの隣に咲くハルジオンのように誰が自分の隣にいるのだろうか？ 父に聞けば、そんなくだらな…

投稿しては1日、いや、数時間でネットの海に沈んでゆく物語。それでも書かずにはいられない人々。 誰にも読まれることになくなった祖母がノートに書き写していた小説。　 それを再び、孫の…

同じ会社で近所で時々、飲みに行っていた村田さんが元旦に亡くなった。親族から何故か僕宛てに届いた村田さんの手帳。 そこから僕の新たな日々がやってきた。

僕はただ事故を起こしてほしくない──、自動車学校で働く斎藤は生徒に厳しい。クレームの電話もたて続けにあり、ポケットの中には常に辞表を入れていた。そんな時、ペーパードライバー講習で…

本気で付き合おうと彼女と別れて選んだ女性は自分には全く興味のない友達の彼女だった。 （以前、投稿した『10years』をカクヨム短編コンテスト用に改稿しました）

──月を追っかけるみたいに東京から仙台の実家へと帰っていった彼女を追っかけたことがあるんだ──

とにかく読んでもらえたら、と思います。

好きな人から『忘れられない人がいる』そう打ち明けられても──続くような気がしていた。

　彼女と別れるきっかけになったマンション。幽霊なんて信じていなかった俺はその部屋に引っ越すことに決めた。

この世に生まれ落ちた時、切られてしまう臍の緒。誰とも繋がっていない、そうわかっているのに私はそれをいつまでも探していた。

私の誕生日に亡くなった両親。母がネットに投稿していた日記を読んで、『むすび』物語を書いて出版した雅。出会うはずのなかったふたりが出会った時、『世界は僕を見ていない』もうひとつの名…

島に移住した節子に一目惚れした良太。 節子を愛しながら、良太の一途さが節子の運命を狂わせてゆく

　家の中で走り回っていたのは子供ではなく母だった。

生きてゆく中で 繰り返されてゆくもの ２月の空の青々しさのように 晴れやかに手を振りたい

瀬戸内海にあるもうひとつの軍艦島での物語。古臭い物語です。

『お前のためだ』胸ぐらをつかまれたような勢いのある言葉。 言葉の影になる気持ち。 言葉に悩まされては浮かれて信じて──

心の奥から出てきた言葉

仕事を休んだ日、外から聞こえてきたのは『おっさん！！　』『おっさん！！　』若者の怒鳴る声だった。ベランダに出て下を見ると、そのおっさんと目が合った。その瞬間から私はきっと彼の味方…

『ピロートーク』をテーマに書いたものです。

こんな偶然ってあるの？　別れが辛くて泣いた夜から──。

私に恋をした少年はいつの間にか小説家になっていた。 すべてを知らなくてもいい、すべてを聞かなくてもいい、あなたが持って帰ってくる鯛焼きぐらいのぬくもりで。

母と離婚した父。半ば義務のように定期的に会っていた最後の日、私に手渡されたのは父の人生のおつりだった。