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『これまで「つゝ」を「つく」と二か所読み間違えてきた』の図版

カクヨムでは文中に図版を添付することができないので、こちらに添付します。

本文抜粋
①1表6行目 あやしがりてよりてみるに《《つゝ》》の中ひ A群
②3裏8行目 《《つゝ》》かの家に行てたゝずみありきけれ A群
③5表8行目 人々の年月をへてかうのみいまし《《つゝ》》 A群
④24裏4行目 給ふにいと遠くて《《つく》》しのかたのうみ
⑤24裏9行目 ねに打かけ《《つゝ》》まき入神は落懸るやう B群
⑥29表1行目 むねに《《つく》》のあなことにつはくらめは B群
⑦31表9行目 巣《《つく》》れりくらつまろ申やうをうけて B群
⑧41表4行目 みてはあらむとて猶月出れは出ゐ《《つゝ》》 B群
⑨49裏1行目 みとてぬきをくきぬに《《つゝ》》まむとす  A群

④は連綿でないので同じ活字ではなく、文脈上も「つく」で間違いない。
①②③⑨は同じ活字(A群)。
⑤⑥⑦⑧は同じ活字(B群)。
A群とB群は、印影がやや異なるが、同様とみて間違いない。
⑥⑦は現在「つく」とされる。
A・B群のうち⑥⑦以外は、文脈上「つゝ」で間違いない。
④以外の8個のうち6個が「つゝ」で間違いないのだから、⑥⑦も「つゝ」であると断定すべきだろう。
よって、
⑥「つくのなか」→「つゝのなか」
⑦「巣つくれり」→「巣つゝれり」
とした上で「つく」の誤読説を語らねばならない。

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