「雨の塔」を読みました

書籍名:雨の塔
著者:宮木あや子
発行所:(株)集英社
出版年度:2011年2月

感想
 4人の少女が出会い、各々が特別な事情を抱えており、彼女らが織りなす学生生活という話です。女性の心理や状況の説明が詳しく丁寧に良かったです。若いなりに悩み、恋心を抱く。フレッシュな要素がありますが、読み進めている内に彼女たちが置かれている環境や社会への不満、彼女たちの悩みが深刻化、他人に嫉妬・惹かれ合うという切ない内容となっています。
 自分の中では幸福の結末を予想していましたが、その予想とは違う結末となっていて、私自身、驚きました。詳細なことは言えませんが、各々が自分の生き方をする、結末を向かえるという結末になります。
 彼女たちは何を求め、何を得るためにそれをしたのか、そして後にどういう結末になったのか、読み終えて気になりました。
私自身、気になった子は「あるきっかけで母親に見捨てられ、後に父親に捨てられ同然の扱いを受けた子」の結末には絶句しました。そこまでする必要があったのか、と思いましたが、彼女自身それが答えだったと思います。
 前言しましたが、切なく悲しい内容でありますが、とても展開が気になるほどに文章の書き方が良く、学びとなりました。雨の塔を書いてくれた宮木先生に感謝の気持ちを持ち、感想を書きました。

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