荒川アルドー

いつもの電車、いつもの帰り道。 目の前の窓ガラスには、僕と君が映っている。 僕は君を見ていて、多分、君は僕を見ていない。

なあ、君。 今、このノートを拾った君。 想像してみてくれよ。通っている高校の地下室に、人間を食べる化け物が棲んでいることをさ。 想像してみてくれよ。 隣にいる女の子がその化け物…

詩、あるいは短い小説。 今はそんなことどっちでもいいんだ。 だって、君の悲鳴が聞こえてきたから。 誰もいないはずの旧校舎から。