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熱燗

 最初に一言、今、酔っぱらっています。何を書くのか分かりませんよ……。

 最近の僕の日課は、僕の小説の「逃げるしかないだろう」の推敲です。丸太にのみを打ち彫刻を施すようにして、自分の小説にメスを入れています。半年前に書き上げた自作に対して、駄目出しをしながら書き直しを進めています。物語の骨格は変更しません。表現を変えています。言い回しを変えたり、地文で表現してしていた内容を、セリフを伴った表現に変換したりしています。

 一度、脱稿をした文章を推敲するというのは、一見、煩わしい作業のように見えるかもしれません。でも、僕はそのようには感じていません。気になっていた個所を、手直ししていく作業というのは、間違った過去を取り戻していくようで、気持ちが良い。例えるなら、散らかっていた部屋を、掃除している感覚です。

 当初、僕の小説は、「ノベルアップ+」と「小説家になろう」で発表をしていました。自作「逃げるしかないだろう」が、中途半端に二次選考まで残ってしまったので、過度な期待を持ってしまいました。しかし、最終選考では、落ちてしまいました。ガックシ。

 落選した理由等を説明してくれたら、次なる糧として勉強になるんですけど、そうしたコメントはいただけませんでした。それでも、運営からの感想はいただけました。

◇   ◇   ◇

キャバレーを出発点とした芸人の立身出世物語、楽しませて頂きました。当時の風俗を捉えつつのバランス感覚がとてもよかったです。
主人公の特技が似顔絵描きという設定がユニークで、フックになっていました。また、主人公が舞台へあがることとなる無茶ぶりな展開が、大阪ミナミらしいですね。面白い表面的な軽さの中に、実は重さを感じる人間関係がうまく醸しだされていたと思います。
似顔絵を通じての様々なエピソードが描かれており、どれも主人公らしさを感じさせてくれました。綺麗にオチており、よい心持ちで読み終えることができました。

今後の活動を応援しております。

◇   ◇   ◇

 嬉しかったです。嬉しかったんですけど、自分の作品のどこがいけなかったのかが分かりません。
 まー、仮にそうしたコメントをハッキリと表現されたら、僕は、地の底に沈んでしまうくらいに、落ち込んでしまうかもしれませんが……。

 そんなこんなで、カクヨムの広場で、推敲がなされた「逃げるしかないだろう」を発表しています。噂通り、なかなか読者が付きません。小説家になろうとカクヨムの読者の違いを感じたりもしました。しかし、少しづつ、コメントを頂けるようになりました。本当に嬉しいです。この場をお借りして、お礼を述べさせていただきます。

「ありがとうございます」

 そうしたコメントの中で、熱燗の下りがありました。明美が美味しそうに熱燗を飲むシーンです。美味しそうに飲んでいます。美味しそうに飲んでいます。美味しそうに飲んでいます。

「僕も飲みたい」

 今日の、僕の晩酌は熱燗です。日本酒を温めて飲みました。アテは、レンジでチンの銀杏と、紅ショウガが入った卵焼きと、ラー油まみれの冷や奴です。

「美味い――――――――――!」

 アテは、素朴で良いんですよ。素地の美味しさが感じられれば、それで良い。奇をてらった味付けは要らない。それよりも、伸びやかに飲みたい。そんな感じです。少し、酔っぱらいました。

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